「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?plus

第313回

求められているのは「経営の内製化」

StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ  落藤伸夫

 



昨年秋に休刊した本コラムを復刊した目的は、中小企業の特に金融をめぐる事業環境に大きな変化が生じているからです。先月は「金利ある世界」と「骨太の方針」についてお伝えしました。今回は、これらを受けて目指すべき方向性について考えていきます。



金利や10億トレンドが迫る「判断」

「金利ある世界」は中小企業に、何を意味するか?先月記事では「資金調達が容易になるとは限らない、かなり困難になる可能性もある」という側面を考えました。ここでもう1点、加えます。「判断(取捨選択)が求められる」ことです。


金利のない(小さい)時代には、資金の保有と調達の違いはほとんどありませんでしたが、金利が高くなると差が大きくなります。自社事業で不足した資金を調達するコストが高まる一方で、キープして預金すれば稼げる金利が増えます(金融機関が他社に融資(投資)して、利益を還元してくれる)。つまり、自社と他社の「儲かる力」を判断し、高い方を選ぶのです。自社に投資するなら、他社に投資したら儲かるのと同じかそれ以上の利益が得られなければ意味がありません。

実は、この現象を先に進めるのが「骨太の方針」です。今年の「骨太の方針」で特に強調されているのが「稼げる日本」になること。中小企業に対しては「成長」が掲げられ、現在に売上10億以上の企業は100億を目指すことを促す政策が昨年から実施されている中、今度はすそ野を広げて1億以上の企業に10億を目指させる政策、あるいは小零細企業に1億を目指させる政策を検討する旨が示されました。国全体レベルでは、17の戦略分野に官民合わせて370兆円を超える投資を行うとしています。


もちろん戦略17分野に該当せず、1億あるいは10億を目指さないと選択する企業もあるでしょう。中小企業が336万社あるという中、その大半(ほとんど)が成長を目指さないことになると思います。

では、そのような企業は今までと同じで良いのか?他が成長を目指し、日本全体としても繁栄を目指すという中では、少なくとも「もっと稼ぐ」がキーワードになると考えられます。それが事実上全ての企業に求められることになるのは、先ほどの「金利のある世界」が示唆するのと同様です。



経営の外製化が停滞の原因?内製化が必要

金利ある世界そして100億あるいは10億を目指す企業に「判断(取捨選択)が求められる」とはどういう意味か?経営が求められるという意味です。

「それはもしかしたら、今まで経営していなかったと言いたいのか?企業である以上、それはあり得ない」もっともな意見だと思います。ではもう一歩踏み込んで言いましょう。「経営の内製化」が求められています。

こういうと「経営とはそもそも、社内で行われるのではないか?よほどの大企業が莫大なお金をかけてコンサルタントに企業改革を依頼することがあるようだが、普通の会社は経営をしているのではないか」との疑問があるでしょう。もちろん判断そのものまで外部に任せている例はありません。


しかし多くの企業が、選択肢を挙げたり判断基準を設ける時に、外部に頼っていることが多いのです。「同業他社は、どうしているのか?」とか、「最大の取引先(元請け企業等)は、この判断をどう受け取るだろうか?」などを軸に判断しています。あるいは少し変形ですが「この方向性に、社内の納得が得られるだろうか?」と考えている例もあります。

会社を立て直すために抜本的な措置が必要な場面で、企業・経営者がその策を採ると決定出来ない、及び腰になってしまい「無難な」策を採用したため、しばらく努力しても成果が出ず、だんだんと疲弊してしまうという現象の背後には、ほとんどと言って良いくらい、業界の常識や取引先への忖度、あるいは社内への遠慮があります。


それで会社を立て直せるなら問題はありませんが、従来の継続で会社が立て直せることはほとんどありません。では、根本原因は何か?「経営が外製化されていること」と言わざるを得ないでしょう。

「会社の立て直しに向けてこれまで何度も策を考え、実行してきたが、目立った成果は出なかった」という企業は是非、この現象が生じていないかをチェックしてみてください。


「そういわれると自社では、もしかしたら経営を外製化していたかもしれない。自分では分からない。誰か意見を言ってくれないか?」まず、顧問税理士などに相談してみてください。StrateCutionsでもご相談に応じています。シンプルな質問フォームに回答頂くことで、貴社が経営判断を自社に取り戻すお手伝いをします。




本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。


<印刷版のダウンロードはこちらから>

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【筆者へのご相談等はこちらから】

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https://www.amazon.co.jp/dp/B0DYDL46H6/




なお、冒頭の写真はChatGPTにより作成したものです。

 

プロフィール

落藤伸夫(おちふじ のぶお)

中小企業診断士事務所StrateCutions代表
合同会社StrateCutionsHRD代表
事業性評価支援士協会代表
中小企業診断士、MBA

日本政策金融公庫(中小企業金融公庫~中小企業信用保険公庫)に約30年勤務、金融機関として中小企業を支えた後、事業改善手法を身に付け業務・経営側面から支える専門家となる。現在は顧問として継続的に企業・経営者の伴走支援を行っている。顧問企業には財務改善・資金調達も支援する。

平成27年に「事業性評価」が金融庁により提唱されて以来、企業にも「事業を評価してもらいたい。現在の状況のみならず将来の可能性も見越して支援してもらいたい」との意識を持ち、アピールしてもらいたいと考えて『「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?』コラムを連載(2017年1月スタート)。当初は読者として企業経営者・支援者を対象していたが、金融機関担当者にも中小企業の事業性評価を支援してもらいたいと考え、2024年1月からは『「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?plus』として連載を再スタートさせた。

現在は金融機関職員研修も行うなど、事業改善と金融システム整備の両面からの中小企業支援態勢作りに尽力している。

【落藤伸夫 著書】

日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル

さまざまな融資制度や金融商品等や金融ルール、コンプライアンス、営業方法など多岐にわたって学びを続けながらノルマを達成するよう求められる地域金融機関渉外担当者が、仕事に意義を感じながら楽しく、自信とプライドを持って仕事ができることを目指した本。渉外担当者の成長を「日常営業」、「元気な企業への対応」、「不調な企業への対応(事業性評価)」、「伴走支援・経営支援」の5段階に分ける「渉外成熟度モデル」を縦軸に、各々の段階を前向きに捉え、成果を出せる考え方やノウハウを説明する。

Webサイト:StrateCutions

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