「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第84回

中小企業の対応方向性

落藤 伸夫 2019年6月17日
 

 先々週、先週と「信用保証制度見直し」が中小企業、特に成長発展期にある企業の資金調達にどのような影響を及ぼすのか、それはどのようなプロセス変化によるものなのかについてお伝えしました。見直しに「信用保証協会と金融機関の連携」が定められたことで、以前なら「この申込みはプロパー(信用保証なし)では融資できない」と判断して信用保証を求めていた金融機関も、今後はまずは企業の事業性を評価して「連携すれば支援できる」と保証協会に申し込むプロセスに変わりつつあると推察されます。このような趨勢に、中小企業はどのように対応すれば良いのでしょうか?



自らの事業性を表現できるようになる

 先ほどの話から、これから金融機関は、プロパーでは対応できない融資申込みについて事業性を評価しようとすることがお分かりでしょう。「企業の事業性とは何だ?」事業内容や成長性などが挙げられています。例えば「ここ数年〜数十年、大手スーパーの進出などから大きな躍進はなく、時には赤字の期もあった。しかし地域に根付き、必要とされている実感はある。お客様を大切にする営業姿勢を守っている限り事業が傾くことはないだろう」という状況が考えられます。


 「当社はまさにそのような状況だ。なのに金融機関が融資を渋っているのは何故だろう?」それはもしかすると、貴社の事業性を金融機関が分かっておらず、融資審査手続きで八方ふさがりになっているのかも知れません。「そんな、当社を見れば分かるだろうに」はい、担当者は実感していると思います。しかし審査過程で担当者がその旨をりん議書(金融機関が融資意思決定をする時に用いる書類)に記載した時、「その根拠は何か?」と上司(融資課長・支店長など)から問われた時に、上手く説明できていない可能性があります。 


 このように考えると、中小企業の皆さんにとって、「わが社は『こんな』事業性を持っている。そう言える根拠として『こんなこと』が挙げられる」と表現・伝えられることがポイントだと分かります。例えば先ほどの例では「当社は住宅地に隣接する商店街の青果店。約50年にわたり近隣住民に愛されてきた。5年前にスーパーが進出したが、顧客数の落ち込みは5%程度に留まっており、毎日来店してくれる得意客も少なくない。最近は顧客が当店とスーパーを比較して品質に差が出にくい商品(例:もやし)ではスーパーを選ぶ気配があるが、葉物野菜では当店を指名買いしてくれる顧客もいる。これは当店主が長年かけて誠実な商売をする仲買業者と懇意にし、選択眼を養ってきた賜物である。これからも地域顧客に新鮮で美味しい野菜・果物を提供すべく頑張っていく。今後もこの姿勢を堅持することで、当店は顧客にご愛顧頂けると信じている」と説明できるかもしれません。



事業性を書面で説明して手渡す

 「そんなことも折に触れて金融機関担当者に伝えてきたが、上手くいかないのだ。」もしそうなら、もう一手間かけることで上手くいくようになるかもしれません。金融機関の担当者が抱える顧客数は、大都市圏だと200とも300とも(時にはそれ以上!)と言われています。経営者からそのような言葉を聞いたとしても、何件も外回りして帰った時には「誰から、その話を聞いたのだっけ?」となる場合もあると思います。


 このため自社の事業性についての説明を、書面で出すのが効果的です。「書面だなんて、いつ出すのだ?」書類を提出するチャンスを生かしましょう。融資申込み書類を出すときでも良いですし、年次決算書を提出するときでも良いと思います。上に例示したような文章をA4用紙に記載し、申込み書類や決算書類に添付するのです。時にはその一文で担当者が当社の事業性を掘り起こして説明を付け加え、審査手続きを進めてくれるかもしれません。それでは足りなかったとしても、「先日に書面をもらった件について、詳しくお話をお聞きできませんか?」とアプローチをかけてくれる可能性があります。こうやって、八方ふさがりな状況に光明が見えてくるのです。



自社の強みを理解してもらえる関係性を築く

 「事業性評価に向けて何をすれば良いのか、不安だったが、つまりは自社の強みを理解してもらうのが一番なのだな」はい、それが第一歩です。その場合、「金融機関が好む専門的用語で伝える」ことをあまり意識する必要もないでしょう。「我が社の事業性を理解してもらいたい」との強い想いを書面で表現すること、それを提出して話を聞いてもらう関係性を築いていくことがポイントです。読者の中に「当社の場合、具体的に何をすれば良いか」とお悩みの経営者がおられたら、無料でご相談に応じます。以下URLからお申し込み下さい(顧問税理士の同行も可としています)。 

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プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


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