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第93回

日本公庫融資を通じた災害復旧支援

落藤 伸夫 2019年11月18日
 


天皇陛下が即位を国民に広く知らせるパレード(祝賀御列の儀)が11月10日に開催されました。もともと10月22日に「即位の礼」の開催と併せて行われる予定でしたが、一連の災害から被害にあった人々に慮って延期されたものです。当日は晴天にも恵まれ、改めて即位をお祝いすることができました。陛下のお気持ちを受けて、災害からの復旧にも力を入れていきたいですね。
先週、台風19号被害を中心に政府による被災企業への支援策として信用保証にスポットライトを当ててご説明しました。今回は日本政策金融公庫の災害復旧貸付についてご説明します。


令和元年台風第19号に伴う災害に関して被災中小企業・小規模事業者対策を行います
https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191015010/20191015010.html

<災害救助法適用地域一覧>
岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県及び静岡県(被災地域)。なお、災害救助法の適用地域は市町村単位で指定されているので、ご自身の事業所の指定については以下でチェックして下さい。
https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191015010/20191015010-11.pdf



災害復旧貸付の実施

台風19号による被害が甚大であることを受けて政府は、日本政策金融公庫による災害復旧貸付を決定しました。「災害救助法」に基づく特別貸付制度です。
https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191015010/20191015010-2.pdf

災害復旧貸付は、公庫内の国民生活事業によって行われるものと、中小企業事業によって行われるものがあります。各々について、ご説明します。

国民生活事業による災害復旧貸付

日本公庫国民生活事業では、当該事業が行う融資制度の各々に3,000万円が上乗せされる形で災害復旧貸付が行われます(各融資制度について限度額まで利用していたとしても、枠が上乗せされるので追加で融資が受けられます)。台風19号による災害により直接に被害を受けた事業者の他、自らは直接の被害を受けていなくても、直接被害を受けた事業者との取引に起因する売上の減少や売掛金債権の固定化等の間接的な被害を受けたと認められた事業者が、この制度を利用することができます。

借り入れできる資金は、災害によって生じた損害を復旧するために必要な設備資金及び運転資金です。借入期間は10年以内で、そのうち元本の返済が必要ない据置期間を必要とする場合は2年以内となっています。

金利は一般貸付の上乗せの場合には基準利率、特別貸付等の上乗せの場合には当該融資制度に定められた利率です(災害貸付の場合1.36%)。なお、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県及び静岡県の「台風19号に関する激甚災害指定」を受けた区域内に事業所を有し、かつ事業所や主要な事業用資産等について全壊、半壊等の被害を受けた旨の「罹災証明書」等の発行を受けた方には、1,000万円まで、当初3年間は「貸付期間に応じた基準利率 - 0.9%」が適用されます(4年目以降基準利率)。

国民生活事業による災害復旧貸付を希望する中小企業の皆さんは、日本政策金融公庫店舗窓口にご相談ください。なお、直接被害や間接被害の状況については公庫の窓口でお聞きすることになっていますので、直接被害や間接被害に係る状況説明資料等をお持ちになって相談されることをお勧めします。

中小企業事業による災害復旧貸付

日本公庫中小企業事業では、災害復旧貸付として1億5,000万円を別枠として融資を受けることができます(これまで限度額まで利用していたとしても、この限度額について融資が受けられます)。融資の対象としては、台風19号による災害により直接に被害を受けた事業者です(間接被害を対象とする制度は設けられていません)。借り入れた資金は、災害によって生じた損害を復旧するために必要な設備資金及び運転資金です。

借入期間は15年以内で、そのうち元本の返済が必要ない据置期間を必要とする場合は2年以内となっています。金利は基準利率(1.11%)となっています。

日本政策金融公庫の災害復旧貸付の特徴は、制度の利用等が、行政が発行する「認定書」などによって形式的に決まるのではなく、窓口で相談することになっていることです(金利の軽減措置は「罹災証明書」等による)。形式的に決まらないとは、早めに相談して資料等を用いて事情を説明することで、迅速な対応が受けられる可能性があることを意味しています。災害復旧貸付の利用を考えている方は、ぜひ早めに窓口にご相談ください。



<本コラムの印刷版を用意しています>
本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。

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なお、冒頭の写真は写真ACからmakoto.hさんのご提供によるものです。makoto.hさん、どうもありがとうございました。


 
 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


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