「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第161回

事業性評価支援士養成講座がスタート

落藤 伸夫 2021年5月17日
 



1年以上にわたって日本を、そして世界を翻弄している新型コロナウイルス感染症は、ここにきて、新たな様相を呈していると感じられます。3度目の緊急事態宣言はあまり機能しなかったようで、関東周辺でも近畿地方でも新規感染者を押さえ込めなかったどころか、逆に重症者を中心に増加している様相です。このため緊急事態宣言は当初11日までとされていたのに月末までに延長されました。残す手段としてはワクチン接種が浸透して、集団免疫がつくことを期待するしかないのでしょうか。それまでかなりの時間がかかると見込まれます。


一方で、もともと体力を消耗していた中小企業には、この状況は資金が流出する苦しい状況が長引くことを意味します。政府は、公庫が行うコロナ特別貸付を維持する一方で、信用保証は制度を改めて、金融機関が中小企業に伴走支援することを求める「伴走支援型特別保証制度」を設けました。この制度が追加資金を必要とする中小企業を救える制度となるか否かは、ひとえにそれが「事業性評価」として運用されるかどうかにかかっていると、筆者は考えています。現在、「倒産」という二文字も見えてしまっている中小企業を救う一助となるべく、「事業性評価支援士®︎養成講座」を開講しました。今回は、このことについてご説明します。



伴走支援型特別保証制度への期待

筆者はこれまで「コロナ禍が長引いてしまった中、意欲ある中小企業が事業継続できるようにするためには事業性評価が必要」と何度もお伝えしてきました。金融機関は、企業の状況をみながら、一定のルールに基づいて「融資できる金額(上限額)」を定めていると考えられます。このため企業から「突発的事項が生じたので資金が流出した。借入により手当したい」と申し込まれても、対応できない場合があるのです。ちなみに先ほど述べた「一定のルール」とは、企業の主に財務数値を重視して分析するものです。


このため「コロナ禍が引き続く中、なんとか会社を持続させたい。そのためには資金が必要だ」という企業の要望に応えるには、それにプラスアルファしたルールが必要と考えられます。それが事業性評価です。「財務諸表に現れていないが、この企業には『このような』事業性があるから、そこに着目すれば追加資金を融資できる」と考えるロジックを付け加えることで、窮地にある中小企業が荒波を乗り越えていくための資金を手にできる可能性が高まるのです。



簡単ではない事業性評価の推進

「新しく設けられた伴走支援型特別保証制度が切り札になるなら、それを利用して、どんどんと事業性評価すれば良いではないか」というご意見もあるでしょう。その通りなのですが、簡単には進められない理由も存在します。事業性評価を行うために金融機関は、今までのルールで行ってきた審査よりもはるかに手間と時間がかかる審査を行わなければならないことが、その一つです。


金融機関は事業性評価にあたって、今まで必要としたよりもはるかに広く・深い情報を必要とします。追加情報のうち一部は、企業が既に準備している情報(会社・製品パンフレット等)の形で受け取れますが、それだけでは足りません。企業を観察し、経営者等からヒアリングすると共に、業界や市場・地域、技術・経済環境などに関する情報を自ら発掘しなければなりません。それら情報を収集するために手間と時間がかかる上に、これら情報を分析して「融資に値する事業性だ」と確信した上でりんぎ書にまとめ、審査するためにも手間と時間がかかります。これまでと比較すると倍以上、時には10倍を超えることがあると言われても、筆者は驚きません。実際、信用保証協会で審査を担当していた時には、そのような場合もあったからです。



事業性評価支援士が日本の将来を支える

事業性評価の実行に、仮に倍の手間と時間が必要になるなら、対応できる案件が半分になってしまいます。現在、多くの企業が長引くコロナ禍の中で資金を必要としています。コロナ禍を乗り切ろうと強い意思があり、実際に取組みを行っている企業が、金融機関の審査がパンクしてしまったために資金調達できず、結果的に事業継続が難しくなるという事態は避けなければなりません。


では、どうすれば審査のパンク状態を防げるのか?信頼できる支援者の存在が鍵になります。中小企業に融資に繋がる事業性があると見付けて文書化する、あるいは今は融資に繋ぐには小さすぎる事業性しかないが、育てて花開かせれば融資に繋がる将来の事業性を描く事業計画書等の作成を支援する専門家です。中小企業診断士事務所StrateCutionsでは、このような支援を担う「事業性評価支援士」を養成するため「事業性評価支援士養成講座」を設け、初級養成コースをスタートさせました。

https://besa-sc.com

事業性評価で金融機関と中小企業を繋ぐ支援士が日本を支える力の一つになるとStrateCutionsは考えています。




本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。

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なお、冒頭の写真は写真ACから ググオ さんご提供によるものです。ググオ さん、どうもありがとうございました。






 
 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


HP:StrateCutions

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