「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第103回

コロナ被害に対応する(資金調達)

落藤 伸夫 2020年3月2日
 



最初は対岸の火事と思っていたコロナウイルス感染が日本にも広がってきています。すでに1月から中国を中心とした外国人観光客が激減し、お土産店やホテル・旅館、飲食店などに影響が出ていると報道されていました。中国からの供給がストップしていることで部品が調達できなくなり、生産停止を余儀なくされている企業もあるとの報道もありました。2月の第4週(17日から始まる週)には、感染防止の観点から日本国内でも数々のイベント・会合等が中止・延期を決めています。 

このような状況のため、非常に多くの企業が売上低下などの影響を受けており、今後もこの現象が続くと考えられ、拡大する可能性も無視できません。2月25日には政府から大規模なイベント等について開催を再検討するよう要望があったあおりを受けてか、小規模な会合なども見合わせる動きが出てきています。その影響は特定の業種にとどまらず、全ての業種に広がりつつあります。今日は、この状況への対応について考えてみましょう。


 

優先すべき事柄

このような大幅な売上の減少が生じた時、経営者の皆さんは何をしておられるでしょうか?「当たり前だ、この状況でも少しでも売上をアップできるように陣頭指揮をとっている。トップ営業にも出ている。」素晴らしい行動だと思います。現場担当者のモチベーションもアップするでしょう。しかし、それはもっと優先すべき事柄、資金調達について目処がついてからのことです。もし、この状況がしばらく続いたとしても適切に事業を回していけるほどの資金を確保できていないなら、まずはその調達を先に考えなければなりません。

「金融機関には普段から融資をお願いしているが、このところいつも『今まで返済した分の再融資は検討できるが、ピークを超える融資は難しい』と言われ続けている。あてにするだけ無駄なのでえいぎょ努力しているのだ。」確かに平時なら、借入金額を増やさない経営努力と併行した計画的な資金調達が妥当でしょう。しかし今は緊急時、会社を存続させる資金調達を最優先で考えましょう。

一方で政府も、中小企業がこの危機を乗り越えられるよう、特別な金融支援策を打ち出しています。日本政策金融公庫による貸付と信用保証協会による保証がメインですが、今回は公庫による貸付についてご説明します。


 

日本政策金融公庫による支援策

日本政策金融公庫による支援策として、同公庫サイトは以下の3制度が挙げています。

https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html

1.     経営環境変化対応資金

2. 海外展開・事業再編資金

3. 新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付(国民生活事業)

「経営環境変化対応資金」は「セーフティネット貸付」の一つで、社会的、経済的環境の変化などで一時的に業況が悪化しているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる企業が、経営基盤の強化を図るための資金を支援する制度融資です。この制度を利用するには「最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している」などの要件を満たす必要がありますが、今回、コロナウイルスによる急激な業況変化に見舞われた企業を支援するため要件が緩和されました。支援対象が、今後の影響が懸念される事業者にまで拡大されています。国民生活事業のみならず中小企業事業でも同様の制度が準備されています。

「海外展開・事業再編資金」は、経済の構造的変化などに適応するため海外展開が必要であり、かつ、一定の要件を満たす企業が利用できる制度融資です。こちらも、国民生活事業と中小企業事業の両方が行っています。

「新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付」は、国民生活事業が行う制度融資です。新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来しており、「最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して10%以上減少しており、かつ、今後も売上高の減少が見込まれること」及び「中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれること」という要件を満たす企業が活用できます。


「日本公庫で行う支援が3種類あるとは、どれを使ったら良いのか分からない。」公庫の窓口に行けば、企業の業種や状況などと要件等を踏まえて、最も適した制度を教えてくれます。「公庫から借り入れたい」と思われる方は以下のURLにあるお近くの窓口にご相談ください。早めの対応があなたの会社を守ります。

https://bit.ly/2VqXqri



 

 

<本コラムの印刷版を用意しています>

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。


 

 

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なお、冒頭の写真は写真ACからGreen Planetさんご提供によるものです。Green Planetさん、どうもありがとうございました。


 
 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


HP:StrateCutions

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