「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第203回

金融支援の活用について

落藤 伸夫 2022年4月4日
 



3月21日で「まんえん防止法」指定が解除されたことで、コロナ禍の影響を受けた社会が新しいフェイズに入ったと感じられます。コロナ禍が「収束した」と言えるほどの収まりを見せていない中での解除は「ウイズコロナ社会・生活のスタート宣言」とも受け止められるのではないでしょうか?コロナ禍のない状況に戻ることを期待したのでは社会・生活の営みに支障が出てしまうので、コロナと共存しながら社会・生活を回せるようにするのです。これはすなわち、以前とは違う状況への対応を考える必要があること、つまりは「知恵を出す」ことが求められると解釈できます。


この流れは中小企業支援にも現れています。政府が3月4日「中小企業活性化パッケージ(以下、「活性化パッケージ」ということがあります。)」を発表したからです。

https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220304006/20220304006.html

そこでは金融支援は当面の間(コロナ特別貸付は6月末まで。経過後に終了との含みがあると考えられますが、ウクライナ・ロシア情勢や東北地域を中心とした地震等により延長される可能性もあると考えられます)継続された後に終了し、じ後は経営支援に軸足が移ると示唆されています。この状況への対応を、考えてみましょう。



金融支援の最大活用?

このような情報を目にすると「コロナ禍を理由に有利な条件で借りられるのは6月までだと。信用保証を利用したコロナ禍対策金融支援は『伴走支援型特別保証』等となり経営活動計画書が求められるなどで面倒くさい。それが必要ないコロナ特別貸付が存在する間に、借りられるだけ借りておこう」とお考えの経営者がおられるかもしれません。しかし筆者は、その目論見が通用するのは限られた企業ではないかと考えています。


筆者は、この時期にコロナ特別貸付を利用できる主な層として想定されているのは、伴走支援型特別保証で必要となる経営活動計画書を求める必要のない企業だと考えています。つまり、既に事業改善計画書等を策定・実行中で成果を出しつつある企業や、社内留保が厚い一方でコロナ禍によるダメージも軽微なので、今の難局は「資金繰り対策だけ」で乗り越えられるだろう企業です。このような企業ならば「コロナ特別貸付が行われている間に手元資金を積み増しておきたい」という要望に応えて金融支援を受けられる可能性があると考えられます。


一方で、これらに該当しない企業、つまり今の難局を乗り越えるには事業改善等が必要と考えられるが未だ事業改善計画書等を策定・実行していない企業がコロナ特別融資でふんだんに資金をキープしようとしても、応じてもらえない可能性が高いのではないかと考えられます。



抜け道よりも王道を通りましょう

このようにご説明すると「とはいえ何か抜け道はないか?」と尋ねる経営者の方がおられます。確かに今は先が見えない状況なので手元資金を準備できた方が安心ですが、特に既にコロナ特別貸付・コロナ特別保証を既に利用して資金調達できたが長らく続くコロナ禍のため再び資金が不足気味になっている企業については、筆者は「抜け道はないようです。それに、抜け道を探さない方が御社の身のためだと考えられます」とお伝えしています。このタイミングで事業改善等に取り組まず、「手元資金さえあれば大丈夫」との姿勢で借入金を増やすのは、時に企業を危険にさらす可能性が高いと考えているからです。借りた当初は一息つけますが、長い目で見ると利益を生み出せず資金繰りに窮する一方、その時は過大な債務が障害となり資金調達できない可能性があります。


それより事業そのものを盛り立てて売上・利益を増やし資金の流出を抑える方が、長い目で見れば企業にとってメリットがあります。事業改善計画書等を策定して実行していくのです。今までの事業形態等を大きく切り替える「事業再構築」を目指すことができる企業なら、令和4年度も継続される事業再構築補助金を利用しながら取組を進めていける可能性もあります。まずは事業改善・事業再構築の計画策定・実行を先行させましょう。


「その過程で資金が不足した時はどうする?」事業計画書も作成済みで実行して成果もあげつつある中での申し込みなら、その時々で用意されている貸付・保証制度の利用を申し込むと、検討してもらえる可能性が高いと考えられます。あるいは経営活動計画書に整え直して伴走支援型特別保証を申し込む方法も考えられます。「分かった。事業改善を考えたいが、一人では難しい」と思われるなら、地域の「よろず支援拠点」などにご相談ください。StrateCutionsでもご相談に乗っています。




本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。

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なお、冒頭の写真は 写真AC から bBear さんご提供によるものです。bBear さん、どうもありがとうございました。


 
 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


HP:StrateCutions

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