「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?plus

第246回

ウイズコロナ時代の経営で考えるべきこと

StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ  落藤 伸夫

 



先回、本年3月13日から始まった「マスクを着用するか否かを個人で判断できる」取決めをきっかけに、本格的にウイズコロナ時代に入ったと考えられることについて考えました。今回も、今の時代を深堀してみます。



「また借りたら良い」は通用するのか?

「ウイズコロナ時代」は「ビフォーコロナへの回帰」の言い換えではありません。もし将来に重症者や死者の増加をもたらす変異株が発生・蔓延したら、以前のように休業要請やイベントの自粛などが求められる可能性が残っています。またコロナ禍が4年目に突入したことで少なからぬ企業が未だかつてないほど企業体質を傷めていることも重要なポイントです。当事者である企業には思慮深い経営が求められる一方で、企業を支える立場にある金融機関にとっては慎重な判断が求められます。


2020年春の休業要請などで売上・利益が大幅に減少、倒産を避けるためにコロナ特別貸付・コロナ特別保証を利用して資金調達(例:2000万円)した企業が、その後も売上・利益が戻らなかった場合を考えてみましょう。この企業は、これまでの赤字額(例:毎年300万円)分、キャッシュを減らしています。「その額は決して少なくないが、それを見越して十分な額を借りている。コロナ禍になって丸3年がたち900万円が流出しているが、まだ1100万円が残っている。あと3年強は大丈夫な計算だ。」そうでしょうか?借入金のうち据置がなかった分(コロナ禍以前に借り入れた分)については返済が進んでおり、キャッシュを減少させています。これが仮に毎年300万円あったとすると残額は200万円、もう後がありません。


「だったら資金調達すれば良い。」そうは問屋が卸さないかもしれません。2019年決算で自己資本(他がなければ資本金)1000万円であれば、コロナ禍の3年間で900万円の赤字が発生したので自己資本は100万円になっています。今年も赤字基調で債務超過は必至とするなら、黒字基調で自己資本も十分だった時期と同様に借入できると期待するのは楽観的に過ぎるかもしれません。「今までの借入最高額までの反復なら比較的簡単に融資してくれる慣行がある」との話も聞きますが、据置を利用して返済を抑えていると、融資してもらうための空き枠さえ十分でないことを意味している可能性があります。



「思慮深い経営」とは

ウイズコロナ時代を迎えて「光明が見えてきた」企業もありますが、「追い風は弱い」と感じる企業もあります。では「追い風が吹かないうちに努力しても報われないので、風を待とう」と考えて良いのか?先ほどご説明した事情で少なからぬ企業が「座して待つ」余裕がありません。こうなると「現状打開のため思い切った策を打つ」ことも困難です。「なら、どうしたら良いのか?」それが冒頭にも申した「思慮深い経営」の意味です。


「思慮深い」にはいくつかの意味があります。まずは「計画をベースにする」こと。売上拡大やコスト削減など定番策であっても、期待される成果やコストなどを踏まえて具体案を検討する必要があります。体力がある時期なら「出された提案を検証せずに1年取り組んだが、思った成果が出ない。今度は別の提案を試してみよう」と取り組んでも問題は生じないかもしれませんが、ウイズコロナ時代では危険な可能性があります。提案が我が社に適しており成果に繋がるかを現場の意見を聞いたりシミュレーションするなどして検証し、最善の成果が得られる手順等を熟慮して実行する必要があるでしょう。


第2はリスクを考慮に入れることです。熟慮した計画でも、ものごとは想定通りには進まないかもしれません。「売上の回復が遅れた」、「予定よりコストが増えた」、「模倣者が現れた」など当たり前の不都合(リスク)で破綻することは、あってはならないのです。


第3は「従業員の頭脳化」です。経営者が一生懸命に頭を使っても、現場の働き手たちが頭を使っていないと多くの場合、期待する成果は生まれません。「計画には手間のかかる策が記されているが、手を抜いても大丈夫だろう」と考えてもらっては困るのです。また、計画通り行動したのに成果が出なかった場合に「なぜだろう?」と疑問に思い情報収集するのとしないのとでは、その後に大きな差が生まれます。このような時期に企てを成功させるには「現場の頭脳化」がポイントになります。


「計画・リスク・現場の頭脳化と、話は理解できるが、我が社ではどう行えば良いのだろう?誰かと相談したい」と思われるなら、お知り合いの「戦略を得意とするコンサルタント」にご相談ください。StrateCutionsでもご相談に乗っています。ご遠慮なくご相談ください。




本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。


<印刷版のダウンロードはこちらから>





なお、冒頭の写真は 写真AC から akebitenshoku さんご提供によるものです。 akebitenshoku さん、どうもありがとうございました。




 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


Webサイト:StrateCutions

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