「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第107回

こんな時期にこそ社員のモチベーション

落藤 伸夫 2020年3月30日
 


コロナウイルスによる経済への影響が日に日に深刻化しています。観光客の激減やイベント等の自粛により売上が大前年比で半分、もしくはそれ以上の影響を受けている企業もあります。そのような状況で生き残るには、まずは会社の血液と言われる資金を確保していることが一番です。政府は日本政策金融公庫や信用保証協会による保証を軸に、会社を守る対策を打ち出しています。これらを利用して是非、必要な資金を調達してください。

資金調達ができたら、次は何をするか?「嵐が過ぎ去るのを待つのだよ。じっとしているのが一番だ。」もしかしたら、それ以外の方法もあるかもしれません。今日は、このことについて考えて見たいと思います。


社員を鼓舞する

皆さんも毎日、テレビや新聞のニュースを見ていると、だんだんと気が重くなってしまうのではないでしょうか?「今は緊急事態なので、我慢しなければならない」と分かっていますが、それを毎日強調されると気が滅入ります。気を取り直して仕事しようにも、顧客や取引先に電話すると「今は面談も控えるよう指示されているので」と言われてしまう状況です。


社員も同じ気持ちであることに配慮が必要だと思われます。経営者が会社の先行きを心配しているのと同様、社員も通勤や生活、そして仕事の将来などでネガテイブな気持ちになっています。「だからどうした?今や誰もが同じ心境だ。仕方ないではないか。」誰もが同じ心境であることには同意見ですが、仕方がないとは思いません。まして、何もしなくても良いとは思えないのです。お客様と向き合っているのは社員、つまり会社は社員で成り立っています。社員が明るい気持ちを持てるように配慮することは、働いている人々のためにも、お客様のためにも、そして今後の会社のためにも、大切なことです。


会社の活動は、実は「人間らしい・人間臭い」取組みです。人の感情に左右されるのです。「モノやサービスを買う」という行為は、必要に迫られる場合が多いのですが、感情が絡まないこともほとんどありません。同じ買うなら気持ち良い相手から買います。「買っても買わなくても、どちらでも良いけれど」という相手に、「この人がそこまで言うなら、今、この人から買おう」という気持ちにさせるのが事業の本質とさえ言えるかもしれません。


会社の事業がこのように人間的な活動であるならば、社員が気落ちしている状況を放っておくことはできません。鼓舞することが必要です。彼らの気持ちが落ち込んでしまうと、お客様や取引先の気持ちも落ち込むでしょう。それでは、もしかしたら今あるビジネスチャンスを失うかもしれません。コロナの影響が終息した時に「あそこからは買いたくないな」と思われてしまうかもしれません。そうならないよう、今、手を打っておくのです。



ビジョンを示す(終息したらやりたいこと)

「社員を鼓舞することは大切だが、今は難しいぞ。」確かにそうです。でも、こんな時も、できることはあります。明るいビジョンを示すのです。「近くコロナが終息すると言うのか?それは無責任ではないか?」確かにそうです。この状況がいつ終息するか、明言できる人はいません。「では、ビジョンなんか、ないではないか。」


いいえ、あります。「いつになるかは分からないけれど、終息した時には『これをやるぞ』という新しい案を決めておくのです。『それをやれば、きっとお客様も取引先も、以前のように明るい気持ちになって、ビジネスを再開できる』と思える取組みについて、しっかりと計画しておく」ことで、将来について明るいビジョンが持てます。


皆さんの職場で以前に「時間があったら、こんなことに取り組みたいな」と話し合っていたことはないでしょうか。部下の日報に記載されていたかもしれません。ご自身で考えた案もあるでしょう。例えば丁寧な説明資料を作成すること、ロールプレイングで営業マン同士ノウハウ共有すること、お客様の業務内容を研究してみること、競合他社の研究をすることなど。


「いつかやりたいね」だけではビジョンは拓けません。実際に、仲間同士で実践すれば拓けてきます。将来に生まれそうな成果への期待が明確になる一方で、一人の考えだけでは思いつかなかったポイントにも気が付きます。両者の掛け合わせで、より明るいビジョンが、よりクリアになるでしょう。そうすることで社員も自然に豊かな実りある将来に期待を持てる心持ちになれるでしょう。



こうやって考えてみると、経営者の仕事の一つに、社員のモチベーションを高め、維持することが含まれていることが分かります。今こそ、それを意識して実践すべき時です。明るい展望を抱けるようにして、職場を明るくするのです。是非、取り組んでみてください。


「相談相手がいると良いのだが」ぜひ、そうしてください。貴社をよく知る顧問税理士は、その最適任者です。行政や商工団体に申し込むと相談に乗ってくれる場合があります。StrateCutionsでも、ご相談に乗っています。


(StrateCutions連絡先)

https://www.innovations-i.com/shien/contact/13509.html





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本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。

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なお、冒頭の写真は写真ACからサンサンさんご提供によるものです。サンサンさん、どうもありがとうございました。



 
 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


HP:StrateCutions

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