「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第184回

今、一歩踏み出してみる

落藤 伸夫 2021年11月8日
 



早いもので令和3年も11月に入りました。12月は先生も走るほど慌ただしい月だと考えると、何かに取り組むには今月が潮時と言えるかもしれません。昨年そして今年と多くの中小企業が、思ったように事業ができない辛い日々を送りました。緊急事態宣言が解除された今、日常を取り戻しつつあると思いますが、この調子で以前の活気が戻り、資金繰りが回るようになるでしょうか?「今はリベンジ消費で活況を呈しているが、お得意様のかなりの割合が戻ってこない。リベンジ消費が落ち着くと情勢は厳しくなる可能性がある」そう考えている経営者の皆さんも多いことでしょう。今日は、そのような皆さんが今、何ができるかについて考えていきます。



資金調達と経営改善をセットで考える

先週、コロナ禍で思うように事業ができなかった中でコロナ特別貸付・コロナ特別保証を利用して資金調達したが、今後もしばらく損益分岐点を超える売上は難しいので資金が流出せざるを得ないと考えられる企業には「燃料が切れそうだ(債務超過)」となる前に資金調達と経営改善をセットで考えるようにお勧めしました。金融機関にとって「非常に貸しにくい企業」になってしまう前に資金調達を考えるのです。一方で、このタイミングで資金調達を考えれば大丈夫かと言うと、多分そうはいかないでしょう。債務超過ではないので「非常に貸しにくい企業」ではないけれど、損益分岐点を超える売上をあげられないので資金が流出している「貸しにくい企業」であることは、疑いのない状況だからです。


「では、このタイミングで資金調達を考えるようにとのアドバイスは意味がないではないか。」そうならないよう、もう一方の「経営改善を考える」が重要になのです。金融機関としては、昨年の春・夏に「コロナ禍のため思うように事業ができない」という企業には、コロナ禍が早々に終息すれば業績も元に戻ると期待して、それまでに倒産などしないよう積極的に支援しました。しかしコロナ禍が思ったよりも長く続いてしまうと、2重の意味で警戒するようになります。一つは前回にお伝えしたように企業の財務状況が悪化して債務超過に近づいているから、そしてもう一つは業績悪化に対応する工夫を1年以上にわたり凝らしていないからです。多くの専門家がコロナ禍が終息しても元に戻らない「ウイズコロナ」に移行すると考えています。その準備を今までしなかった企業は今後もしないだろうと、警戒しているのです。



どんな経営改善があるか調べてみる

「経営改善を行うように、なんて言われても、この何年、何十年もこの道一筋で来たのだ。今までと違うことをするようにと言われても、無理だ。」それがもし病気だったら同じことを言うでしょうか?若い頃なら問題なかった食生活等を続けていると、壮年以上になると生活習慣病になる可能性があると言われています。苦しんだり寿命を縮めたくないなら、生活を改めなければなりません。それと同様で、コロナ前なら通用したビジネスがコロナ禍では、あるいはアフターコロナでは回していけない可能性が高いなら、変化を考える必要があるでしょう。


「しかし我が社は、どんな経営改善をすれば良いのだろう?」もしお悩みなら、他企業の経営改善事例を調べてみる手があります。例えば中小企業白書には経営改善事例も掲載されています。是非、活用してください。

<中小企業白書(2021)「危機を乗り越える力」>

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf


経営改善の中でも、今まで手掛けたことのない業務への進出などの抜本的な取組まで視野に入れるなら、その取組を補助する事業再構築補助金を検討できるかもしれません。これまで多くの企業が取り組み、採択された案件に関する情報が公開されています。タイトルや簡単な説明を見るだけでもインスピレーションが湧いてくるのではないかと思います。ぜひ、ご覧ください。

<事業再構築補助金 第2回採択事例集> 

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/cases/02_jireishiryou.pdf



顧問税理士などに相談してみる

「推薦された資料から、我が社にも取り組める可能性があるケースを見つけられた。次にどうすれば良いだろう。」そこまで取り組んだら、是非、誰かに相談してください。最も親身になってくれそうなのは顧問税理士です。たまたま顧問税理士が経営改善に精通していなくても、金融機関や公的支援窓口(行政・商工会議所等)等の支援も受けて取組を始められるよう、訪問時に同行してくれる場合が多いようです。金融機関や公的機関の支援枠組みを利用して経営改善計画の策定をバックアップしてくれるかもしれません。コロナ禍が引き続く中での経営改善は単なる経費節減ではなく、顧客・市場開拓をはじめとして時には新製品の開発などにまで波及する場合があるので、計画的に取り組むことが望ましいのです。自社を守るため、ぜひ勇気を出して取り組んでみてください。




本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。

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なお、冒頭の写真は 写真AC からtomasa さん ご提供によるものです。tomasa さん、どうもありがとうございました。

 
 

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。


HP:StrateCutions

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