知恵の経営

第281回

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で考える、自分の会社の立ち位置

アタックスグループ 2021年4月28日
 
筆者が事務局次長を務める人を大切にする経営学会が主催する「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の受賞企業を3月に発表した。新型コロナウイルス禍にもかかわらず、138件と過去最多の応募があった。そこから第1次審査を通過した企業52件への現地ヒアリング審査を行い、その結果をもとにした第3次審査を経て、過去最多の28件が表彰された。

第11回の主要な賞の受賞企業は、経済産業大臣賞がサントリーホールディングス、厚生労働大臣賞がファンケル、地方創生大臣賞が十勝バス、中小企業庁長官賞が島根電工、そして中小企業基盤整備機構理事長賞は高橋ふとん店が、それぞれ受賞した。

この賞も回数を重ねてきたことで、昨年の第10回大賞において、第3回の大賞で審査委員会特別賞を受賞していた協和がより上位の賞を目指し、再応募され、厚生労働大臣賞を受賞するといったことや、今回の受賞企業の1社も3年連続応募を続け、今回めでたく受賞企業となるといったケースが出始めている。

もちろん、表彰制度・顕彰制度である以上、応募したからには受賞するにこしたことはないが、筆者も多くの応募企業にヒアリング審査を行う中で気づくのは、それら企業は単純に賞を獲ることを目的にしていないという点だ。

この賞では、第1次審査として、(1)社員とその家族に関する項目(2)社外社員とその家族に関する項目(3)現在顧客と未来顧客に関する項目(4)地域住民とりわけ障害者などに関する項目(5)将来の布石に関する項目-などからなる50の審査項目を100点満点で数値化している。

この審査項目を回答する中で、応募企業はそれぞれの強みと弱みを把握できるようになり、その結果をもとに強みをさらに伸ばし、逆に弱みを解決すべく改革に取り組んでいく。つまり、この審査項目に回答することで、おのずと自社の現状の立ち位置と自社が今後進むべき道標を知ることができるのだ。

上述した3年連続応募し、今回受賞した企業でも、毎回チャレンジし続ける中で、自社の成長度合い、立ち位置を把握し、その改革に取り組み続けたことで今回の受賞につながった。つまり、自分たちの立ち位置を把握する目的で応募している企業が数多く存在しているのだ。

日々、経営活動を進めていると、なかなか立ち止まって、自社の置かれている立場や進むべき方向をしっかりと考える時間を持つのは難しい。そこでこうした表彰制度・顕彰制度を自社の立ち位置を知るために活用してみるのも一つではないだろうか。


アタックス研究員・坂本洋介
2021年4月28日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

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顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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