落藤 伸夫の マネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

落藤 伸夫
当たり前すぎて省みることのない「マネジメント」について、改めて考えてみます。実は過去の経緯や誤解に基づいたマネジメントが常識となっている場合があり、これを改善することで飛躍的にマネジメントのパフォーマンスを改善することができる可能性があります。本編は前編として、現場マネジメントについて考えます。
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第50回
本シリーズの総括(後編)
中川課長がMCS論から導出された現場マネジャーの5つの役割を浸透させようとしても、組織戦略室の上層部は乗り気ではないようです。その理由は、上層部の頭の固さだけでなく、方法論...
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第49回
本シリーズの総括(前編)
約一年にわたった現場マネジャーのマネジメントに関する三上部長の説明も、そろそろ終盤のようです。組織戦略室での実践も、少しずつ進んできました。次なる一歩を進めるため、中川...
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第48回
現場マネジャーのマネジメント(総括)
現場のマネージャーがマネジメントをする上で重要となるポイントを今回は総括します。アクション・コントロール、リザルト・コントロールそしてピープル・コントロールの各コントロ...
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第47回
現場マネジャーのマネジメント方法(ピープル・コントロール)(後編)
働く人の特性、ひいては人間心理を上手く活用するピープル・コントロールには長所も短所もあります。歴史的に見るとピープル・コントロールはアクション・コントロールやリザルト・...
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第46回
現場マネジャーのマネジメント方法(ピープル・マネジメント)(中編)
働く人の特性、ひいては人間心理を上手く利用しながら従業員に働いてもらうのがピープル・マネジメントです。これには、個人としての性格に働きかける以外に、集団としての人の性格...
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第45回
現場マネジャーのマネジメント方法(ピープル・コントロール)(前編)
現場マネジャーが行うマネジメントの方法として、3つめはピープル・コントロールです。言葉からすると「人を操る」ことだと思われそうですが、そういう意味ではありません。人の性...
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第44回
現場マネジャーのマネジメント方法(リザルト・コントロール)(後編)
リザルト・コントロール(ノルマ制)は広く耳にしますが、意外と使える場面を選びます。間違った場面で使うと成果が出ないばかりか、働く人々のモチベーションを下げてしまう可能性...
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第43回
現場マネジャーのマネジメント方法(リザルト・コントロール)(中編)
ノルマとして知られているリザルト・コントロールとは、目標を提示し、達成度合いを基に報酬することによって、望ましい結果の実現に向けて努力するよう動機付けるコントロールだと...
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第42回
現場マネジャーのマネジメント方法(リザルト・コントロール)(前編)
現場マネジャーが部下をマネジメントする方法として、アクション・コントロールの次にリザルト・コントロールを教えてもらいました。一般には「ノルマ」として知られている方法です...
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第41回
現場マネジャーのマネジメント方法(アクション・コントロール)(後編)
現場マネジャーが部下をマネジメントしようとする時、行うべき行動もしくは行ってはならない行動を示して実行を促す「アクション・コントロール」を使うことができます。このマネジ...
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第40回
現場マネジャーのマネジメント方法(アクション・コントロール)(中編)
現場マネジャーが行うマネジメントとしてアクション・コントロールを教えてもらっているところです。今回、三上部長が教えてくれたのは「行動制限」というやり方。鍵やパスワードに...
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第39回
現場マネジャーへのマネジメント方法(アクション・コントロール)(前編)
現場マネジャーが現場をマネジメントする方法として、まず、アクション・コントロールを教えてもらうことになりました。アクション・コントロールには「なすべき行動もしくはなさざ...
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第38回
現場マネジャーのマネジメント方法(全体像)(後編)
現場マネジャーがマネジメントを行う場合にはアクション・コントロール、リザルト・コントロール、そしてピープル・コントロールがあると知った中川課長。ピープル・コントロールが...
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第37回
現場マネジャーのマネジメント方法(全体像)(前編)
現場マネジャーの役割について話を聞いてきた中川課長。MCSの観点から体系的に説明されたことで学ぶことが多かったのですが、ストレスもたまってきたようです。多様な役割があるにも...
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第36回
現場マネジャーの役割(環境整備)(後編)
現場マネジャーの役割として環境整備を指摘された中川課長。初めは何のことか分からなかったようです。しかしマネジメントが成功するかしないか影響する要因の一つに、「部下が指示...
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第35回
現場マネジャーの役割(環境整備)(前編)
現場マネジャーの役割について、パフォーマンスの向上、連携、戦略対応、矛盾解消と教えてもらった中川課長。もうこれで終わりかと思ったら、三上部長はもう一つ、加えました。「環...
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第34回
現場マネジャーの役割(矛盾解消)(後編)
矛盾への対応が現場マネジャーに期待されていることを知った中川課長。ただ、それをマネジメントで実現するという意味がわからないようです。矛盾対応は高度に知的な思考によって実...
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第33回
現場マネジャーの役割(矛盾解消)(中編)
現場マネジャーは矛盾の解消に勤めなければならないと聞いた中川課長。複数の上級マネジャーが異なる観点でマネジメントすることが組織に矛盾をもたらしていると聞いて、上級マネジ...
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第32回
現場マネジャーの役割(矛盾解消)(上編)
現場マネジャーの役割として他との連携や戦略対応などを挙げられた中川課長、これらにはトラブルが付きものだし、現場のパフォーマンスとは矛盾する場合も多いと気がつきました。三...
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第31回
現場マネジャーの役割(戦略対応)(下編)
戦略への対応方法を「経営理念や経営戦略の、現場向けの翻訳」、「里程標と方法の提示」、「モチベーションの向上」と教えてもらった中川課長。戦略対応とは普段の仕事とあまり変わ...
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第30回
現場マネジャーの役割(戦略対応)中編
現場マネジャーが行うべき戦略対応とは「現場の仕事を変えること」だと聞いた中川課長。その方法について三上部長に尋ねてみました。現場の働き手は、現場の普段の仕事については熟...
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第29回
現場マネジャーの役割(戦略対応)(前編)
現場マネジャーの役割について、三上部長はこれまで、現場のパフォーマンス向上と周囲との連携について説明してきました。現場が今、取り組んでいる仕事でより大きな成果を出せるよ...
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第28回
現場マネジャーの役割(連携)後編
現場マネジャーの役割として連携の促進がありますが、その方法論としては確立したものはないようです。ただ、三上部長は、今までの現場経験からいくつかの方法を体系化しているよう...
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第27回
現場マネジャーの役割(連携)(前編)
組織がきちんと機能するためには、現場が自己のパフォーマンスを高めるだけでなく、他と連携する必要もあります。組織とは、分業によって、一人ではできない仕事を成し遂げる仕組み...
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第26回
現場マネジャーの役割(現場パフォーマンス向上)(後編)
現場マネジャーの役割の1丁目1番地は『現場が高いパフォーマンスをあげられるようマネジメントする』ことですが、意外なことに、それを行う一般的な方法論は語られていません。多...
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第25回
現場マネジャーの役割(現場パフォーマンス向上)(前編)
いよいよ現場マネジャーの役割について話が聞けるとあって、中川課長は喜んでいました。しかし、最初が「現場パフォーマンスの向上」と聞いて、がっかりします。そこで三上部長は「...
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第24回
現場マネジャーの役割(全体像)
いよいよ現場マネジャーの役割について、三上部長が説明してくれることになりました。最初に「現場マネジメントの目的は何か?」と聞かれて、中川課長は「現場の統括」と答えてしま...
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第23回
上級マネジャーの役割(財務的成果マネジメント)
上級マネジャーの役割の最後は、これまで指摘した、戦略に関わる『戦略創造・ブレークダウン』、『現場マネジャーへのマネジメント』、そして複数の現場部門や経理部門などの管理部...
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第22回
上級マネジャーの役割(マネジメント体制の再整備)
上級マネジャーにはマネジメント体制を再整備する役割もあると聞いた中川課長。最初は何のことか分かりませんでした。良いマネジメントができるかどうかは、マネジャーに頑張っても...
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第21回
上級マネジャーの役割(間接部門を含めた部門間の連携)
上級マネジャーの役割の新たな側面とは「間接部門を含めた部門間の連携」を成り立たせ、推進させることだそうです。会社(組織)は分業によって一人では成し遂げられない大きな仕事...
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第20回
上級マネジャーの役割(現場マネジャーのマネジメント)(後編)
上級マネジャーの役割について聞いている中川課長。最後は「現場マネジャーへのモチベーションアップと、配置・育成」と聞いて、もうわかった気分になっていました。アメとムチなの...
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第19回
上級マネジャーの役割(現場マネジャーのマネジメント)(中編)
上級マネジャーの役割を教えてもらっている中川課長。次の役割は「結果のフィードバック」と聞いて、部下を評価することだと思い込んでしまいました。しかし三上部長は、ここで大切...
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第18回
上級マネジャーの役割(現場マネジャーのマネジメント)(前編)
上級マネジャーの役割を聞いている中川課長。次は「現場マネジャーをマネジメントする役割」だと聞いて、当たり前すぎると感じたようです。でも、中川課長が挙げた「現場でトラブル...
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第17回
上級マネジャーの役割(戦略機能)
三上部長からMCSによるマネジメント・コントロールについて聞いている中川課長。これまでMCSの全体的な考え方や特徴などを聞いてきましたが、各論についての説明を聞きたくなってきま...
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第16回
ベンチャー企業の経営危機に対処する(後編)次の段階に対応する
新しい成長段階への突入がベンチャー企業の行き詰りの原因になったことを理解した中川課長、モバイルクラフト社は第1段階から第2段階に移行したことを見抜きます。混沌とした職場...
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第15回
ベンチャー企業の経営危機に対処する(中編)発展段階説
期待の星だったベンチャー企業が行き詰った原因は新しい成長段階に突入したからではないかと、三上部長は言います。成長は漸進的にではなく段階として訪れるという説明がよく分から...
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第14回
ベンチャー企業の経営危機に対処する(前編)
緊急の用事があると呼びだされた三上部長。以前に買収したベンチャー企業、モバイルクラフト社(仮称)が危機的状況に陥っているとのことです。三上部長は、何も調べていないのに、...
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第13回
上位マネジャーと現場マネジャーとの区切り
上位マネジャーと現場マネジャーとが、それぞれ複数の階層にまたがっていると聞いた中川課長、何が両者を分けるのかを知りたくなりました。その秘密が決算書にあると、三上部長は言...
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第12回
現場マネジャーとは課長のこと?上位マネジャーとは?
MCSではマネジャーを、現場マネジャーと上位マネジャーの2種類に分類していると聞いて、中川課長は、課長と、それ以上の階層にあるマネジャーだと思い込んでしまいました。しかし三...
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第11回
マネジメント・コントロールを行うシステム
マネジメント・コントロール・システムの意味を改めて問うた中川課長、「マネジメントのコントロールが確実にされる仕組み」と教えてもらいました。あるマネジャーに自分なりにフィ...
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第10回
マネジメントをコントロールするとは
「なぜマネジメント・コントロール・システムと言うのか?マネジメント・システム、もしくはコントロール・システムで良いではないか?」と質問した中川課長に、その考え方は違うと...
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第9回
普遍的ながら新たな示唆を与えてくれる
「マネジメント・コントロール・システム(MCS)とは、マネジャーを任命して、行うべきマネジメントを明確化して役割として与える。それを上司がチェックしてコントロールに繋げる」...
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第8回
マネジメント・コントロール・システム(MCS)とは
「エコシステム」を例に「システム」が理解できた中川課長は、三上部長に促されて、マネジメントのシステムについても考えてみます。「誰が」「どのようなマネジメントをするか」を...
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第7回
マネジメントのシステム化を考える
我が社に新しいマネジメントを取り入れるためにはシステム化が必要だと言われた中川課長。しかし、ここでいう「システム」が何なのか、皆目見当がつきません。そこで三上部長は、ま...
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第6回
精神論ではないマネジメント体系を作り出していく
これからの我が社のマネジメントは、現場に従わせることではなく、現場を支援することを目指すべきだとの話を聞いた中川課長、組織企画室としてのレポートを書き始めたようですが、...
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第5回
働き手を助けることがマネジメントになるのか?
自分の命令を部下に従わせることを目的としたマネジメントから、部下が良い仕事ができるようにサポートすることを目的にしたマネジメントにという三上部長に、中川課長は、一時は良...
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第4回
テイラーが生み出したマネジメント
今の我が社のマネジメントでは『プロフェッショナルたれ』という行動理念は実現できないと主張する三上部長に、『でも、それしかないなら仕方がないのではないか』と中川課長は食い...
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第3回
上司はなぜ、部下に命令できるのか?
徳川家康やマックス・ウエーバーが作った身分や権限をベースにマネジメントしていく考え方は、創意工夫や協力を求める組織には向いていないと、三上部長は言う。「でも、仕方ないで...
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第2回
徳川家康とマックス・ウエーバーの亡霊に操られている?
翌週、中川課長は組織戦略室の応接に三上部長を招いた。昔話に花を咲かせた後、自然と話しはマネジメント改革に向かう。中川課長は、昔、三上部長が「徳川家康とマックス・ウエーバ...
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第1回
マネジメント改革を指示された
とある機械製品製造企業で現場部門統轄マネジャーを勤める三上部長と、かつて三上部長の部下だったが新設の組織戦略室に配属された中川課長の物語。組織戦略室で中川課長は「現場マ...
プロフィール
StrateCutions
代表 落藤 伸夫
「世界の先進国では日本だけが一人負け」という話を聞くことがあります。世界が日本を羨んだ “Japan as No.1” からまだ40年ほどしか経っていないのに、当時、途上国といわれていた幾つかの国々の後塵を拝している現状です。
それを打開する方法の一つに、マネジメントを高度化していくことがあると思われます。日本のホワイトカラーの生産性は先進国では最低だといわれていますが、逆に言えば、マネジメントを改善すれば成果を飛躍的に伸ばすことができる可能性があります。
筆者は Bond-BBT MBA でMCS(マネジメント・コントロール・システム)論を学んで以来、マネジメントでもって企業の業績をあげる方法について研究してきました。マネジメントを合理的に考え直し、システムとして組み直すのです。StrateCutionsで行うマネジメント支援の理論的背景や方法論を、お知り頂ければと考えています。