知恵の経営

第238回

新型コロナのピンチをチャンスに変える取り組み

アタックスグループ 2020年3月31日
 
いまだ新型コロナウイルスは終息するどころか、ますます拡大し、終わりの見えない戦いが続いている。筆者が前回連載でも書かせていただいたが、多くの企業が在宅勤務やテレワークの導入・活用を進め、また政府からの大規模イベントの自粛要請などもあり、経済活動に大きな影響が出始めている。

飲食店やホテルなどは、歓送迎会のシーズンや卒業式・入学式・入社式と重なったこともあり、大きな被害が発生し、倒産に追い込まれるという報道も見聞きするようになっている。

そんな中、このピンチをチャンスに変えようと取り組む飲食店や旅館も、いくつか出始めている。例えば、東京と京都にて日本料理店を13店舗営業しているmihaku(ミハク)では、同社が営業する全店舗で、ランチを注文すれば、最大7時間、テレワークの場所として、そのまま個室を提供するサービスを始めた。さらに、ランチ注文後に、そのままディナーも注文すると、3時間追加して合計で最大10時間滞在することも可能という。

当然、新型コロナの感染拡大による予約激減していることへの対応策という面もあるが、これをきっかけに、同社を初めて利用する顧客もいるはずで、新たな顧客創造にもつながる取り組みだと思われる。

また、新型コロナが直接影響したわけではないが、東京都港区にあるイノベーションパートナーズが、佐賀県嬉野市にある温泉旅館「和多屋別荘」の改装した客室を、オフィスにして4月から業務を開始するという。同社は2018年に創業し、嬉野の産業を発信する異業種グループ「嬉野茶時(ちゃどき)」で、嬉野茶の販売サイトの運営などに携わるなど、もともと嬉野とのつながりはあった。
 
客室を提供する和多屋別荘の小原嘉元社長は「旅館の一室をオフィスにして入居するのは、全国でも初の取り組みではないか」と話し、「使われていない場所がある大規模な旅館は全国にある。旅館のデッドスペースを活用するモデルにもなれば」と、今回の取り組みについて語っている。

いつまで続くかわからない今回の影響の中で、「われわれにはどうすることもできない緊急事態だから、終息まで待つしかない」「人がまちに戻ってこないと、どうにもならない」と考えているだけでは、心身ともにめいってしまう。このピンチをチャンスに変えられることはないかと考える機会にしてはどうだろうか。

<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介
2020年3月31日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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