知恵の経営

第213回

時代の移り変わりどう見るか

アタックスグループ 2019年9月24日
 
先日、大阪のある企業の倒産に関する報道があった。その企業の主業務は、ユニホーム製造業で、設立以来、総合ユニホームメーカーとして、民間企業などのスーツ、ブレザー、スカート、ブラウス、ワーキングウエアといった制服を製造していた。

報道によれば、最盛期の1992年には約79億円の売り上げだったものが、2018年には約10億円まで減少していた。その要因としては、職場環境のカジュアル化が進み官公庁や民間企業からの制服需要が落ち込んだこと。取引先企業の生産拠点の海外シフト化が進展したことが挙げられている。

全員が制服を着ることで、企業としての一体感、統一感を感じることができる。制服を着ることで、仕事を始める意識向上につながるなどの効果は少なからずあったと思われるが、環境変化・時代変化の中で、その役目を終えることは致し方ないと感じる面はある。

その一方で、新たに見直されるものもある。その一つが企業内運動会だ。昭和の時代には、会社で運動会を開催することが珍しくなかった。社員だけでなくその家族や取引先企業も参加しての大運動会が盛大に開催されるといったこともあったというが、こちらも時代とともに、その開催企業は減少していった。

しかしながら、近年、企業の生産性向上を目的に運動会を開催する企業が増えてきているという。働き方改革の一環で、世代を超えてコミュニケーションを取りやすい社内環境をつくることを目的にしたい狙いがあるようだ。

運動会は、その他の企業イベントと異なり、全員が参加可能で、チームを組んで勝利を目指す。その体験は企業内での事業運営に似ている面がある。さらに運動会の企画・運営を行うことは業務に生かせる点も多々あるといえるだろう。また、年代が異なる社員がチームで一緒になることで、コミュニケーションが生まれ、お互いを知るきっかけにもなるはずだ。

この他にも、企業・社員自らが企画しての社員旅行やノミニュケーション(飲みニケーション)を見直す企業もあるという。

ただ、単純にこれらを導入・実行すればよいわけではない。それをやることの明確な目的がなければ、やらされ感が出るだけで、思い描いた結果になることはないだろう。

時代の移り変わりの中でその役目を終えるもの、新たな需要とともに復活するものはある。今回は制服や福利厚生イベントを事例に挙げたが、企業の事業や製品・サービスについても、常に見直すことは重要だ。時代や環境が変わったから仕方がないと言っていては、せっかくの機会を見失うことになるだろう。

<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介
2019年9月24日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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