知恵の経営

第158回

リーダーは真摯な姿勢で

アタックスグループ 2018年5月14日
 
早稲田大学ラグビー部の中竹竜二・元監督の講演「組織を強くするリーダーシップとフォロワーシップ」を聞いた。「全員リーダーの時代がやってくる」というリーダー論を展開し、新しいリーダーの在り方を示唆していた。講演を参考に筆者の体験も踏まえてリーダーシップ論を述べたい。

まずリーダーシップは、リーダーとフォロワーの良好な関係性で成立する信頼の輪である。リーダーは組織に尽くし、所属する人々の幸福を実現するために組織を目的に導き、フォロワーはリーダーを信頼し支える。

リーダーは2つの役割を持つ。一つは大きなビジョンを示すこと、もう一つはビジョン達成に向けて組織の全員を巻き込むこと。2つ役割を果たすための中竹氏のヒントは「これからは全員がリーダーの時代」「能力が低くてもリーダーは可能」ということだ。

筆者はリーダーの役割は「皆に頑張ってもうらう」ことで、存在感を保持するために無理をしないことだと思う。

中竹氏は皆に頑張ってもらうには、リーダーは自分自身のリーダシップスタイルを見つけること、大事なことはスキルやナレッジよりもアティチュード(姿勢)であり、オネスト(正直)だという。米国の経営学者ドラッカー氏は経営者に求められるのは「真摯(しんし)さ」と言い切っているが、それはまさにアティチュードでありオネストだ。

筆者はリーダーは人間性に優れ、真摯さによって「自分のしたいことを人々にもしたいと思わせることができ、自然体でフォロワーの協力を取りつけられる人」であると強く思う。

リーダーのタイプを整理すると、(1)カリスマ型(2)ミッション型(3)サーバント型になる。カリスマ型は知力、体力、精神力に優れ組織をぐいぐい引っ張る。ミッション型は先見力で時代の先を見通す。サーバント型は、主役は社員、私は成功する手助けをするというリーダーだ。

3タイプに共通して求められるのは「信頼」。その蓄積こそが、リーダーシップを発揮する基本だ。他方フォロワーに求めたいのはリーダーを信頼し、リーダーのビジョン達成にコミットする能力を持つことだ。

作家の城山三郎氏は優れたリーダーが持つ資質は好感度、高安定、高淡泊の3つと語った。

高感度人間とはいつも社会の風に当たり、好奇心が人一倍強く、周りの人の言葉にもよく耳を傾け、時代の流れをいち早く見抜ける人。高安定人間とは懐が深く、何が起きてもグラグラせず常にあるべき姿を求める人。高淡泊人間は卑しくなく自分のことには淡々としている人。これにふさわしい人物としてホンダの創業者、本田宗一郎氏を挙げていたようである。

変化の激しい時代を乗り切るには、経営者は自身のリーダーシップスタイルを身に付け、自らのビジョン実現のため、真摯な姿勢でフォロワーから支持される存在でなければならない。

<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭

2018年5月14日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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