知恵の経営

第275回

働きがいある会社づくりを

アタックスグループ 2021年2月10日
 
突然やってきた新型コロナウイルス禍がもたらした大きな環境変化の一つはテレワークの普及だろう。現在は第4次産業革命の時代であり企業経営をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって変革しないと将来がないといわれていたが、現実はDXが進んでいなかった。新型コロナは企業のDXを一気に進めるきっかけを作り、その代表例がテレワークの普及ではないかと考える。

企業はテレワークをやむを得ず導入するのではなく、積極的に導入し「令和の時代の働き方改革」を実現しなければ生き残れないと考えるべきだ。企業と個人の雇用関係はメンバーシップ型からジョブ型へ変化し、個人も努力しないと社会から取り残されかねない。

筆者が一番気になるのはテレワークが一般化すると社員同士が直接接触する機会が減り会社の帰属意識が薄れることと、仕事の見える化が困難な状況になることで会社にただ乗りする「フリーライダー」が生まれるという点だ。今後は、「ワーク・エンゲージメント」という社員が熱意を持って生き生きと働く環境をつくることが企業経営で極めて重要になる。

1991年に米国で設立された「Great Place to work(GPTW)」という組織がある。この組織は社員にとって「働きがいのある会社」をアンケートし、その結果を公表することで「働きがいのある会社」の普及と実現を支援することを目的としている。日本でも2005年から活動を始めている。GPTWは「働きがいのある会社」を3つの要素で評価する。

1つ目は「誇り」。自分の行っている仕事に誇りが持てるかどうかだ。社員が自社の事業に胸を張って「自分たちの仕事は世の中の役に立っている」と思える仕事であり、客から「ありがとう」と喜んでお金を払って頂けるのが理想だ。

2つ目は「連帯感」。基本的に仕事は真剣勝負で厳しいものだが、一緒に働いている仲間とお互いの強みを生かして協力して仕事ができる連帯感の持てる職場であれば厳しさも耐えることができる。また結果として個人の強みとなるスキルも向上し自分は組織になくてはならない存在という自信も生まれる。

3つ目は「信頼」。社員が経営陣や上司を信頼している会社が「働きがいのある会社」である。「信頼」は「信用」「尊敬」「公正」という要素に分解することができる。

働き方改革は少子化に歯止めが掛からない日本の基本方針だが、今回のコロナ禍でテレワークが一挙に進み、働き方と会社組織の在り方が抜本的に見直されることになる。ワーク・エンゲージメントを実現する「働きがいのある会社」を目指されることを期待したい。


アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭
2021年2月10日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

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顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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