第44回
行動目的や目標が推測できればマシ
イノベーションズアイ編集局 経済ジャーナリストA

最近、静岡の中小企業経営者によく聞かれる。「これからどうなるんですかね」と。
こういう場合は、よく考えて何を聞かれてるのかを絞り込むべきだと思う。でも、聞かれてすぐに思い浮かぶのは海外情勢だったりする。米国のトランプ大統領はメチャクチャで、静岡の企業の多くがその発言とか施策によって大きな影響を受けるだろう、と思うからだ。
加工貿易立国というのは昔の話かもしれないが、たまたまいま住んでいる静岡県は愛知や大阪、神奈川に次いで製造業が多いところで、お茶やツナなどを作る農・漁業者も輸出に活路を求めている。相互関税で振り回され、交渉が落ち着いたかと思いきや米国内で相互関税自体が無効化され、今度は別な新関税を10%、いや15%に…といった施策を打ち出すのだから先も見えない。そのことを聞かれたのかと思ってしまう。
もちろんそんなのよくわからない。でも、米国が何に困り、何を改善したいのかは少しわかる。トランプ大統領は、それをシンプルに解決しようとしてるのだろうから、いろいろな手を繰り出すけれど目指しているであろう目標は絞れる。何のためにこういうことをしているのか、ぐらいは推測できるような気がする。
◇
一方で、最近は目標がよくや分からない行動も目につく。静岡県内でいえば、前伊東市長の行動なんかがそうだ。
前伊東市長は不思議だ。分かれ道が現れる度に、わざわざ困難な道を選んできた。そうした選択をする目的、その道を選んだ先にどんな目標があるのかはいつも見えない。しかし、その不思議さが人の興味を引く。目標がそれ(人の興味を引くこと)なら腑に落ちる。
とはいえ、議会での問答やマスコミとの掛け合いならいいが、相手が警察とかになった場合は状況も違ってくる。やめとけばいいのに…
前伊東市長の弁護士も不思議だ。こういう戦略で依頼人(前伊東市長)を守れるのだろうか。依頼人がバズりたいがためにやってるのだとしたら、弁護士はそれを支援しちゃいけないし。
いずれにしても、何がしたいのかがわからない人や組織の先行きは予想ができない。なので、対応策も考えようがない。
そう考えると、米国も中国、ロシアとかも程度こそわからないが、方向はわかるだけましなのかもしれない。
もっとも、前伊東市長の件は引き合いに出す話ではない。いまや市長ではないし、それ以上に核心が「卒業ではなく除籍なので、じゃあ市議会議長にチラ見せした卒業証書とされるものは何なのか」といった誰にとってももはやどうでもいいことだからだ。
◇
でも、前伊東市長が警察から任意の事情聴取を受けた、とか、警察からの卒業証書の任意提出を拒否したとか、自宅にガサ(強制捜査)が入った…という話は静岡のローカルニュースではなくなっている。髪を切ってショートヘアにした、という話まで全国ニュースになったほどだ。
もちろん、こんな話しはプライムニュースではない。じゃあ何なのか。たぶん、エンターテインメントなんだろうと思う。芸能ニュース的な感じということか。
で、冒頭の話に戻りたい。
「これからどうなるんですかね」という問い。質問者(中小企業経営者)の聞きたかったことは、なんとその両方だった。
米トランプ大統領と前伊東市長はどちらも先行きが見えない。確かにそんな感じがする。でも違う。その違いは、目的なり目標が〝推測できるかどうか〟に尽きる。
推測できない相手には近寄らないに限る。推測できてもトランプ大統領には近寄りたくはないが、こっちは対処法をいろいろ考えないといけない。どちらにしても面倒な話しだ。
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