よどみのうたかた
筆者:イノベーションズアイ編集局 経済ジャーナリストA
鴨長明の方丈記の書き出しには「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし 世中にある人と栖と、又かくのごとし…」とあります。下賀茂神社の息子である鴨長明は、神社下流側の下賀茂デルタを形成する鴨川のほとりで川の流れを眺め、我々の人間社会を流れに例えています。ここでいう「よどみ」は流れが緩やかになった場所、「うたかた」は泡ですが、我々の社会の成功者も生まれては消える「よどみのうたかた(泡)」のようなもんだ、と。この例えを拝借し、勝手な解釈も交えながら、様々な“流れ”について、“よどみ”の中から“うたかた”のような筆者が“うたかた”のようなヒト・モノ・カネなどに対して随筆型のコラムを発信していきます。
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SNSなどでのフェイク情報が問題になって久しい。著名人に成りすましてカネをだまし取る投資詐欺などは、ある意味で象徴的な事例だろう。
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今年もいろいろなことがあった。元旦の能登地震にはじまり、高気温、豪雨水害、宮崎・日向灘を震源とする地震やこれにともなう初の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発出などなど。特に、異常気象や自然災害が多かったように思う。地球温暖化がもたらす問題がいよいよわかりやすく顕在化してきた、ということなのだろうか。
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個人用のスマホは米アップル社のものを使っているのだが、たびたびOSのアップデートが行われる。その都度、セキュリティーの強化とともに、いろいろな機能が付加されたりもする。今回のアップデートではAI活用の機能が強化された。
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言葉遣いが厳しく問われる現代日本。ハラスメント対策やルール化の進展が生きづらさを生み、個々の訴えが埋もれる懸念とは。多様性と規律の狭間で揺れる社会を考察する。
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静岡ガスは、人口減少による将来の需要縮小を見越し、新たな収益源として魚の陸上養殖に参入。温暖な気候を活かし、高級魚「クエ」と「タマカイ」を交配した「クエタマ」を養殖し、加温の際にはガスの知見を活用する。背景には、人口減少に伴うインフラ需要の減少があり、ガス以外の事業展開が企業成長に不可欠という判断がある。さらに日本では、高齢化と人口減少が進み、相続手続きの効率化や自治体の対応改善も今後の課題として浮上している。
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新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同等の扱いになってから1年半。コロナ禍はすっかり過去の話になった感じだ。一見したところでは、マスクをしている人も減ったし、街に出る人も戻った。
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「政治とカネ」の問題が最大の争点とされるが、安全保障や経済運営など差し迫った課題も多い。有権者はどんな審判を下すのだろうか。それだけではない。個人的にはいくつか注目してみたいことがある。
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静岡市に住んでちょうど2年。2年ぐらいになると、いろいろとわかることも多い。地理も頭に入るし、慣れもある。それでも依然として気分的に慣れないのが海だ。
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日本製鉄によるUSスチールの買収がもめている。もめているというか、当事者以外から買収反対の声が上がり、米大統領選が近づく中で象徴的に取り上げられている。大統領選に出馬表明している共和党のトランプ元大統領は早々にこの買収に対して反対を唱えていたが、9月に入ってからは民主党の候補者となったハリス副大統領も反対の意向を表明。ここにきて、バイデン大統領がこの買収を阻止する最終調整に入った、と複数の欧米メディアが伝えた。状況は一段と厳しくなっている。
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それにしても暑い。昨年も暑かったが、今年はいちだんと暑い。もはや危険な領域だ。これまで酷暑で取り上げられることが少なかった静岡でも、今夏は史上最高気温となる40.0度を記録したほか、連日熱中症アラートが発表された。熱中症による救急搬送も最多レベルで、死亡例も出た。
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あっという間に、AI(人工知能)がいろんなところで活用されている。数年前に危惧されたフェイク情報はもちろん、詐欺犯罪などにも大いに使われ始めた。これは本物なのか、はたまた…。その判断も、いよいよ難しい。
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静岡市内に住んで1年半になるが、自宅のある埼玉県南部よりも冬は暖かく、夏は涼しいところが気に入っていた。しかし、ここにきてなんだか暑い。まだ(執筆時点では)梅雨明け前だが、7月上旬には市内で最高気温が40度を突破した。この日は全国的に暑かったが、静岡の気温は全国で最も高く、市の観測史上最高記録も更新した。3日ほど前に更新したばかりの記録のさいどの更新。夏の最高気温という意味では全国トップクラスの埼玉県民でもビックリだ。
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高濃度の有機フッ素化合物「PFAS」が全国各地の地下水などから検出されている。富士山や南アルプスの伏流水などが豊富で、きれいな水が自慢の静岡でも、このPFAS問題が浮上している。静岡市が行った調査では、静岡市清水区の化学工場付近の地下水から国の指針値の20倍を超えるPFASが検出された。
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厚生労働省がまとめている合計特殊出生率が、2023年は1.20になったという。統計開始以来最低で、昨年を0.06ポイント下回ったとも。低下は8年連続だという。日本では、人口を維持するために必要な出生率が2.07程度とされている。今回の数字は今後のさらなる人口減少を示すもので、大変な感じだ。
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リニア中央新幹線の静岡工区着工を認めてこなかった川勝平太氏の辞職に伴う静岡県知事選で鈴木康友氏(前浜松市長、元衆議)が当選、新しい知事に就任することが決まった。鈴木氏はリニア推進を掲げて選挙戦に挑んだ。リニア建設の進展を期待する声が高まっている。しかし、現実はそう簡単な話でもなさそうだ。
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SNSを観ると、あやしい広告がやたらと目につく。筆者はフェイスブックぐらいしか利用していないが、著名人や有名大企業の広告やら勧誘やらが掲出されている。この中には、最近よく報道されている不正な広告が多々混じっていることだろう。
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川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選挙がいよいよゴールデンウイーク(GW)明けに告示される。前回の本コラムで川勝氏の電撃辞職表明の顛末や今後の課題として残されたリニア中央新幹線問題などに触れたが、選挙が近づくにつれ、さらなる難しい問題が浮上してきた。それは、なんと地域間の分断・対立だ。
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静岡県の川勝平太知事が4月2日、突然辞意を表明した。1日に行われた新規採用職員に対する訓示の中に職業差別ともとれる発言があり、その件について記者団からの質問に応える席上でのことだった。川勝氏はさらにその翌日(3日)、正式な記者会見を開いた。そして、辞任の理由について“失言で迷惑をかけたこと”とともに、これまで水資源や生態系への影響から懸念を示していたリニア中央新幹線の県内工事問題が“大きな節目を迎えたこと”などを挙げた。