よどみのうたかた
筆者:イノベーションズアイ編集局 経済ジャーナリストA
鴨長明の方丈記の書き出しには「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし 世中にある人と栖と、又かくのごとし…」とあります。下賀茂神社の息子である鴨長明は、神社下流側の下賀茂デルタを形成する鴨川のほとりで川の流れを眺め、我々の人間社会を流れに例えています。ここでいう「よどみ」は流れが緩やかになった場所、「うたかた」は泡ですが、我々の社会の成功者も生まれては消える「よどみのうたかた(泡)」のようなもんだ、と。この例えを拝借し、勝手な解釈も交えながら、様々な“流れ”について、“よどみ”の中から“うたかた”のような筆者が“うたかた”のようなヒト・モノ・カネなどに対して随筆型のコラムを発信していきます。
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川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選挙がいよいよゴールデンウイーク(GW)明けに告示される。前回の本コラムで川勝氏の電撃辞職表明の顛末や今後の課題として残されたリニア中央新幹線問題などに触れたが、選挙が近づくにつれ、さらなる難しい問題が浮上してきた。それは、なんと地域間の分断・対立だ。
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静岡県の川勝平太知事が4月2日、突然辞意を表明した。1日に行われた新規採用職員に対する訓示の中に職業差別ともとれる発言があり、その件について記者団からの質問に応える席上でのことだった。川勝氏はさらにその翌日(3日)、正式な記者会見を開いた。そして、辞任の理由について“失言で迷惑をかけたこと”とともに、これまで水資源や生態系への影響から懸念を示していたリニア中央新幹線の県内工事問題が“大きな節目を迎えたこと”などを挙げた。