よどみのうたかた

第43回

イメージにうながされる毎日

イノベーションズアイ編集局  経済ジャーナリストA

 

静岡県の浜松市の一世帯当たりのギョーザ購入額は今回も日本一なのか?、静岡市のハンバーグ購入額はどうなのか?

そんな話題のために、総務省が2月6日に発表した2025年の家計調査をみた。それによれば、ハンバーグは静岡が前年の1位から4位に、浜松は同2位から3位にそれぞれ転落。ただ、ギョーザは浜松が3年連続の日本一となった。それはそれでいいのだが、家計調査は近年、こういうところが話題になる。

でも、今回は気になるところがあった。「エンゲル係数」の上昇だ。

学校でも習うことから有名な指数だが、経済社会の実態や自分の家計を考えるためにこの数字を見る人はどれほどいるのだろう。そんな気もする数字だ。

これは2人以上の世帯の消費支出全体に占める食費関連の支出割合を示すもの。25年は「28.6%」となっており、これは44年ぶりの高水準だいう。

この数字が高いと、基本的には“生活が厳しい”と考える。ということなので、2025年は44年ぶりに生活が苦しくなっている、ということだろうか。

ただ、あくまでも消費支出に占める食費の割合なので、支出そのものの推移ではない。ちなみにも消費支出の月額平均は31万4001円で、物価変動の影響を調整した“実質”でも前年比0.9%増となっている。しかも、価格高騰が続いた食料への支出は減っている。じゃあなんでエンゲル係数が上がるのか。どうやら外食などが増えているようだ。ついでに、食費ではないが自動車の購入や旅行なども増えている。

エンゲル係数は上がっており、生活が苦しいので減税等の物価対策が早急に求められる、との声は強い。実際に食品の価格は上昇を続けている。とはいえ、家計調査でみえる平均の話で言えば、苦しいというにはビミョーな感じもする。

各種統計にある通り、物価高に収入増が追い付いていないという話はある。自分の家計もそんな感じだ。というか、収入は一切増えていないことから、わかりやすく資産が減少している。

と思いきや、投資信託とかの資産はこのところ史上最高値の更新を続ける勢いの株価の影響などもあって増えていた。見ていないのでわからないが、自宅の土地とかも値が上がってるかもしれない。

ただ、普段の生活は、手持ちの資金のなかでやりくりする。支出が増えないように節約なんかもする。そうすると、なんだが生活が苦しくなってきたような気になる。そうしたイメージというか意識はなかなか変わらない。

このため、最近は買い物に行ってもできるだけ安いものを買おうとする。一時はスーパーのプライベートブランド(PB)商品もよく買った。なにしろ、PB商品は極端に安い。ツナ缶などは、ナショナルブランド(NB)よりも3割程度低価格だ。カップラーメンなどは、半額程度のものもある。

しかし、味や品質は概ねNB商品のほうがいい。そんなこともあって、最近はあまり選ばなくなった。聞けば、近年はPB商品も進化しており、高価だがNB商品以上の品質を実現したものもあり、要は低価格品と高級品に二極化しているという。でも、これまた一度ついたイメージという意識はなかなか変わらず、高級品にも手は伸びない。

そう考えると、イメージはいろいろ重要だ。

静岡では、海沿いに行くとカモメとかウミネコをよくみかける。これらの鳥は雑食性で、鳴き声も大きいことから、鳥害の原因にもなるのだが、なぜか人気はある。青い空と海、白い砂浜、そして海にはヨットとカモメ。これらは子供の絵や観光ガイドの写真にもよく登場する。

一方で、カモメと色々似たところがあるカラスは日本では人気がない。色がよくないのか。

パンダもそうだ。中国に帰国することがニュースになるほど人気がある。一方で、フォルムはよく似ているクマは困った害獣だ。「くまモン」のようなゆるキャラにはなるものの、パンダとはだいぶ扱いが違う。イメージの問題だが、不公平だ。

人間や企業の場合は、イメージを変えることができる。イメージをよくすることで、人気が出たり人が集まったり、モノが売れたりもする。イメージを良くしよう。と同時に、イメージだけで選んだり決めたりしないようにもしたいが。

 

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