マネジメントを再考してみる 後編<上級マネジメント>
筆者:StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ 落藤 伸夫
昨年まで、現場マネジャーが行うマネジメントについて、世界標準のマネジメント理論である「MCS(マネジメント・コントロール・システム)論」をベースに考えてきました。日本では「マネジメント」について省みることがほとんどないようですが、世界では「マネジメントとはこういうものだ」という姿がきちんと描かれていて、それを学ぶように促されています。日本のホワイトカラーの生産性が低迷している原因は、もしかしたら、このあたりにあるのかもしれません。
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上級マネジャーのマネジメントをカイゼンする上で、最後に気を付けるべきこととして、三上取締役は、「方向付けた通り、部下が仕事してくれる」とは限らないことだと指摘しました。これは、部下が無能だという意味ではありません。マネジメントが、部下を誤導してしまう可能性があるという意味です。その意味について復習したところで、今回のシリーズは大団円を迎えます。
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第47回 (まとめ:2)「マネジメントとして行えること」に精通する
上級マネジャーのマネジメントを向上させるために、役割を意識する次は方法論に精通することだと三上取締役は言います。行動コントロール、成果コントロール、人的コントロールについてよく知り、選択したり組み合わせたりしながら効果的に活用できるようにするのです。どうすれば良いかというと・・・。
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新年度から中川部長は、MCSをベースにした人事体制整備を強力に進めていくようです。それをしっかり進めるために、三上取締役は、PDCAサイクルを回していくこと、その前提としてマネジャーの役割をしっかりと認識することが大切だと言います。目標達成にフォーカスしたとしても、役割を意識していないとマネジメントは成功しないと言うのです。なぜなのでしょうか?
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MCSは欧米で開発されたので、日本の現場に導入するには抵抗があるのではないかと、中川部長は考えているようです。一方で三上取締役は、MCSが発展してきた過程で日本の英知も採用されているので問題ないと考えているようです。但し、人々の受け取り方への配慮は必要があるかもしれません。まず「軸を合わせる」必要があるのです。その意味を、三上取締役が教えてくれました。
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MCSは欧米からの持ち込まれた考え方なので、日本に取り入れるには何か注意が必要なのではないかと、中川部長は考えているようです。それに対して三上取締役は、半分は思い過ごし、そして半分は潜在意識の問題だと答えました。どういうことかというと・・・。
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マネジメントには弊害があるそうです。マネジメントすることにより、人々が目標とは違った方向に向かってしまう場合があるのです。その対処法として「目標を改善する」、「目標以外のツールを使う」、そして「絶えず改善していく」という4つのアプローチがあります。一方で中川部長は、継続的な改善は困難だと考えているようです。「万策尽きた」という気持ちになってしまう場合があるからです。それに対して三上取締役は「新たな視点を取り入れることで、継続的な改善のネタが無限に見つかる」と言います。どういうことかというと・・・。
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「マネジメントを行うと、人々が、目指しているのとは違った方向に向かってしまう」という弊害が、よく知られています。「マネジメントが目標の達成を目指すなら、そのことそのものに落とし穴がある」と言えるほどです。だからといって、これを放置していくわけにはいきません。個人で完結する仕事をする職場ならいざ知らず、協力し連携して成果をあげる職場では共通の目標を目指すマネジメントが不可欠なのです。このためMCSでは3つのアプローチが提供されていると言います。三上部長は今回、そのうちの2つのアプローチについて説明してくれました。
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中川部長は、ふと「マネジメント、特に欧米式のマネジメントについて『弊害が多い』といわれていることに気が付きました。三上取締役に話すと、実際、そのようなことが問題になったこともあったそうです。でも、そのおかげで、マネジメントの弊害に対処する取組みがいろいろとなされ、ノウハウが積み重なっています。MCS教科書にも、すでに、いくつかの方法が盛り込まれているほどです。では、マネジメントの落とし穴としてどんな現象について問題意識が持たれているかというと・・・。
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フィードバックには縦系列と横系列がありましたが、別の観点からも考えるべきだと三上取締役はいいます。マネジメントの根幹部分はコミュニケーションなので、双方向のフィードバックが必要だというのです。それはどういうことかというと・・・。
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縦階層のフィードバックに対比する形で、横方向のフィードバックがあると三上取締役は言います。連携をコントロールするフィードバックです。調整では望ましい答えが得られない場合、横方向のフィードバックが決め手になる場合があります。それはどういうことかというと・・・。
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マネジャーが行うマネジメント・コントロールは、組織の中で、現場が行う業務改善(業務コントロール)と、経営陣が行う戦略改善(戦略コントロール)をつなぐ役割をしています。マネジメント・コントロールがうまく機能しないと、会社に重大な損失をもたらす可能性があります。それはどういうことかというと・・・。
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上級マネジャーの役割を学んだところで、次はその改善方法です。マネジメントをフィードバックしながら改善していくことが「マネジメント・コントロール」ですが、それが成り立つにはいくつかの要素が必要です。それが何かというと・・・。
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財務的成果マネジメントについて、三上取締役が最後に伝えておきたかったのは、「現場を踏まえた財務感覚を磨いてほしい」ことだそうです。それを養うことで、効果的に現場マネジャーをマネジメントできるようになるからです。では、どのようにして財務感覚を磨いていけるかというと。
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上級マネジャーが自分のマネジメントをコントロールする、つまり改善する場合、特にポイントになるのが「現場マネジャーへのマネジメント」でしょう。その本質は、「現場マネジャーがうまく仕事してくれるよう、何が何でも、自分ができることをすること」だと、三上取締役は考えているようです。それは、どういう意味かというと・・・。
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マネジメント・コントロールとは、期待する成果があげられるようにマネジメントを改善していくことを意味しています。上級マネジメントの場合には、財務的成果、つまり会社としての決算数字・指標や所管する部門があげなければならない財務数字・指標をもとに、役割がきちんと役割を果たしているかどうかをチェックし、改善していきます。どういう意味かというと・・・。
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財務的成果マネジメントの出発点は何かと聞かれた三上取締役は「KPIを選び、目標値を設定することだ」と即座に答えました。それは社内の公用語、すなわち経営陣もマネジャーも現場で働く人も、同じ指標を見て達成を目指せる対象になるからです。これを設定しておかないと、社内に混乱が起きる可能性があります。どのような状況かというと・・・。
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上級マネジャーが「戦略創造・ブレークダウン」、「現場マネジャーへのマネジメント」、「部門間連携」そして「マネジメント体制の再構築」などの役割を果たそうとする時、その方法論となるのが「財務的成果マネジメント」です。では、「財務的成果マネジメント」とは何なのでしょうか?とても難しい概念ですが、三上取締役が丁寧に教えてくれます。
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情報システムというと「ITシステムのことか、高額なシステムを導入しなければならないのか」と身構えてしまいそうですが、MCSでいう情報システムは、それを要求しているわけではありません。部署が仕事を果たすため必要な情報を、決裁責任者が適切な意思決定を下すために必要な情報を得られるようにすることを意味しています。但しそれは、単なるコミュニケーションに留まりません。それ以上の意味があります。「システム化」がポイントなのです。どういうことかというと・・・。
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決裁権限は、なるべく現場に権限移譲すれば良い、もしくは慎重に判断するためトップが意思決定すれば良いという単純な話ではないようです。問題の性質を踏まえて最適なポジションが意思決定できるよう決裁権限を設定する必要があります。どういうことかというと・・・。
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会社がうまく機能するようにするため、組織を常に見直していくのは大切なことです。一方で、何をどうやって改善していけば良いのか判断するのは大変です。三上取締役は、業務視点と財務視点で現場を見ることにより、それを見分けられると言っています。どういうことかというと・・・。
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今回から、上級マネジャーの役割のうち「マネジメント体制を再整備」を教えてもらいます。会社は分業で大きな仕事を成し遂げており、これをうまく機能させるにはマネジメントが不可欠です。しかしマネジメントは、それがなされる仕組みによって、その効果が大きく影響されます。なぜ、そう言えるかというと・・・。
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上級マネジャーの重要な役割の一つに他部門との連携がありますが、それを阻んでいるメンタルブロックの一つに「他部門と連携すると我が部門のパフォーマンスをあげられない」があります。それは、そもそも考え方を変えなければならないと三上取締役は言います。発想を柔軟にするのです。どういうことかというと・・・。
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部門間の連携は、経営戦略や危機対応などの「いざ」という時だけでなく、日頃のオペレーションの場面でも重要です。今は経営戦略や危機対応の場面ではなくても、今後は新製品開発に注力するのか、それとも設備を更新するかによって、利益を集めるべき部門が変わってきます。それを決めるのが「移転価格」です。移転価格を決めることによって、社内の連携が自然と一定の方向を向くようになります。この、部門間調整のためのビルトイン装置を設計することが、上級マネジャーの重要な役割なのです。
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各部門は、いつもは『自部門での部分最適を目指した自律的な意思決定・行動』をしています。しかし、戦略実現や危機対応の場面では『全体最適を目指して他部門とも連携しての意思決定・行動』にシフトしなければなりません。しかし、多くの組織では各部門が「連携したくない」と考えてしまう仕組みが組み込まれてしまっています。では、どうすれば良いかというと・・・。
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上級マネジャーともなると、配下部門のことだけ考えていれば良いのではありません。他部門との連携も考える必要があります。しかし、その出発点は部門第一主義だと、三上取締役は言います。現場のパフォーマンスに責任を負うのは現場マネジャーの、そしてそれを統括する上級マネジャーの役割なのです。そして、その責任感を出発点として、多くの場合、連携が生まれると三上取締役は言います。どういうことかというと・・・。
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上級マネジャーが行う現場マネジメントとして、人材の配置・育成が挙げられます。つまりは人事ということですが、MCSでは適材適所が特に大切になります。それはどういう意味かというと・・・。
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上級マネジャーの役割として筆頭にあげられるものとして「現場マネジャーのモチベーション・アップ」があげられます。モチベーション・アップ策というと「アメとムチ」を真っ先に考えてしまいますが、これについては三上取締役は一家言、持っているようです。それは何かというと・・・。
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結果のフィードバックには、上級マネジャー自身がマネジメントを改善するために行うフィードバックの他に、もちろん、部下に対するフィードバックがあります。それはパフォーマンスや評価の伝達にとどまりません。アクション・コントロール、リザルト・コントロールそしてピープル・コントロールという方法で実施することもできます。そこで重要になることといえば・・・。
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上級マネジャーが行うマネジメントの次のステップは、『結果のフィードバック』です。しかしそれは、部下に対してパフォーマンス測定結果や評価を伝えるだけに止まりません。もう一つ、フィードバックすべき相手がいます。それは上級マネジャー自身です。どういうことかというと・・・。
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経営戦略を実現する現場が仕事を変えていくよう促す上級マネジャーのマネジメントは、『現場目標・現場戦略の策定・伝達』が出発点になります。全社目標や全社戦略をそのまま現場に伝えても実行は難しいので、ブレークダウンしながら伝えていくのです。しかし、これを上級マネジャーが独断で行うことは、あまりお勧めできません。どういうことかというと・・・。
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上級マネジャーが現場マネジャーをマネジメントする目的の一つに、現場オペレーションを経営戦略と調和するように導いていくことがあることを、知ることができました。言葉で言うには、特段、難しくはありませんが、それを実行するとなると、どのようにすれば良いのでしょうか?三上取締役は「決め手はない」と言います。その意味は・・・。
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上級マネジャーの役割を聞いている中川部長。次は「現場マネジャーをマネジメントする役割」です。以前は「当たり前すぎる」と感じましたが、今ではこの役割の重要さが身にしみて感じています。今回は、その真骨頂である業務の目的について話を聞きました。
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経営戦略について、現場の基本方針を定めることが上級マネジャーの固有の役割でしたが、実はまだ終わりではありません。実行計画への関与もあります。実行計画を作成するのは現場マネジャーですが、その最終段階で上級マネジャーが関与することで、会社が一本の軸で調和させられることになります。どういうことかと言うと・・・。
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上級マネジャーの役割としてMCSで定義されている経営戦略に関する仕事は、これまでは経営陣を支援する仕事ばかりでした。では、上級マネジャーに固有の仕事はないのか?質問する中川部長に三上取締役は「ある」と答えます。「現場の基本方針」を立てるという仕事です。なぜ、これが、経営戦略に関わる上級マネジャーの中心的仕事になるかというと・・・。
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経営陣は基本戦略を策定したのち、具体戦略も作成します。これは、現場に権限移譲する前に会社としての基本的アプローチを決めておく位置付けです。経営陣は具体戦略を立てる場合にも、上級マネジャーの支援を必要としています。実効性の高い具体戦略を立てるためには上級マネジャーの支援が不可欠だからです。どういうことかと言うと・・・。
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経営戦略、それも経営の根幹に関わる基本戦略を経営陣が策定する時に、上級マネジャーは大切な役割を果たすと、三上取締役は言います。それに参考になる情報を提供するのです。多くの場合、その情報は、定例会議などで提供されています。そこでポイントをついた情報提供をすることが求められているのです。それはどういうことかというと・・・。
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上級マネジャーの役割を概観したところで、これから各論に入って行きます。最初は「戦略創造・ブレークダウン」で、今日は特に戦略創造について考えることにしました。その前に三上取締役は、「戦略のレベル」について説明したかったようです。レベルの高い戦略を企業トップが定め、それを展開していく中で上級マネジャーが絡んでくる訳です。どういうことかというと・・・。
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上級マネジャーの役割の最後は『財務的成果マネジメント』だと、三上取締役は言います。これまで指摘した、戦略に関わる『戦略創造・ブレークダウン』、『現場マネジャーへのマネジメント』、そして複数の現場部門や経理部門などの管理部門を上手く連携させる『部門間連携』、そして『マネジメント体制の再構築』がうまくいっているかどうかはパフォーマンス、つまり組織が実現している数字で判断されます。その数字でもって、マネジメントをコントロールすることこそが、上級マネジャーが行うべきマネジメントの根幹となるのです。『財務的成果マネジメント』を行う上で、適切な「指標」を選ぶのがポイントになるそうです。それはそう言うことかというと・・・。
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マネジメント体制の再整備が上級マネジャーの重要な役割だと最初に聞いた時には「?」だった中川部長も、今ではその大切さがわかっています。マネジメント・コントロールとは「マネジメントで望む成果が得られるように、マネジメントに調整していくこと」で、そのシステム化で重要なのが、担当者とそれに与える役割です。いくら強く指示しても顧みられることなかった指示が、担当者と役割を変えることで、すんなり実現される場合があるのです。それはどういうことかというと・・・。
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第9回 上級マネジャーの役割(間接部門を含めた部門間の連携)
上級マネジャーともなると、自分の配下にある部門のことだけ考えていれば良いのではありません。他部門との連携も考える必要があるそうです。但しそれは「他部門から何か要望等があったら、配下の部門に受け入れさせる」という単純な話ではありません。ましてや逆に「配下の部門から他部門に要望等があったら、なんとか受け入れさせる」という趣旨でもありません。上級マネジャーは、配下の部門を持っているかもしれませんが、最終的に責任を負うのは会社全体としてのパフォーマンスです。このため間接部門も含め、配下の部門と他部門がWin=Winの関係で成果を出していくように導いていく役割を担っています。
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第8回 上級マネジャーの役割(現場マネジャーのマネジメント)(後編)
上級マネジャーの役割として筆頭にあげられるものとして「現場マネジャーのマネジメント」があります。これまで三上取締役から戦略やフィードバックに係る役割を教えてもらいましたが、他にも「現場マネジャーへのモチベーションアップ」と「配置・育成」があります。モチベーションアップとしてはアメとムチが有名ですが、MCSには、より効果的な方法が提案されているとのこと。どういうことかというと・・・。
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第7回 上級マネジャーの役割(現場マネジャーのマネジメント)(中編)
上級マネジャーの役割を教えてもらっている中川部長。次の役割は「結果のフィードバック。」以前は部下を評価して改善を要求することだと思い込んでいた中川部長も、今では自分自身のマネジメントを改めるフィードバックが中心となることは理解しているようです。現場への働きかけの調整は、具体的には何をすることかというと・・・。
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第6回 上級マネジャーの役割(現場マネジャーのマネジメント)<前編>
上級マネジャーの役割を聞いている中川部長。次は「現場マネジャーをマネジメントする役割」です。以前は「当たり前すぎる」と感じましたが、今ではこの役割の重要さが身にしみて感じているようです。今回は全体像と、「現場目標・現場戦略の策定・伝達」について話を聞きました。
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三上取締役の問題意識が分かったところで、まずは上級マネジャーの役割を整理することになりました。上級マネジャーには「戦略創造・ブレークダウン」、「現場マネジャーへのマネジメント」、「部門間連携」、「マネジメント体制の再構築」、そして「ファイナンシャル・リザルト・コントロール」がありました。最初に示した「戦略創造・ブレークダウン」についていうと、まず、企業の方針等に関わる決定を行い、それを現場に伝えていきます。戦略には解釈の余地がありますから、それを現場と調和させていかなければなりません。多くの場合、それはアクションプランを立てながら行うことになります。
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中川部長は、はじめ、上級マネジャーとは役員のことかと思っていたようです。しかし三上部長の話からすると、部長や本部長などが上級マネジャーに該当します。上級マネジャーとは、経営陣と現場マネジャーの間にあって、現場マネジャーをマネジメントする階層のことなのです。では、なぜ上級マネジャーという階層が必要になるかというと・・・。
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三上取締役は、部長たちの働きに不満があるのは個人の問題ではないと考えているようです。上級マネジャーのマネジメントとは何を達成することか、それを実現するために何をすべきなのかが教えられておらず、それを行うための仕組みも存在しないのです。では、なぜそんなことが放置されているのか?上級マネジメントは何かに関する基本的考え方が間違っているのかもしれません。それはどういうことかというと・・・。
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三上取締役は、部長時代に、自分の役割をMCSの考え方で整理し、それを全うしたいと考えていましたが、周囲の反対でそれを尽くすことができませんでした。取締役営業本部長になっても、部下である上級マネジャーは思うように動いてくれません。取締役は、マネジメントは個人の力だけで改善できるものではなく、システムを変える必要があると感じました。その仕事に、中川部長に取り組んでもらいたいと思ったのです。
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当時の中川課長が三上部長のレクチャーを受けながら現場マネジャーのマネジメント改革に取り組んだのが5年前。担当部署だった組織戦略室は組織戦略部に格上げされ、中川部長は初代部長となりました。そんな時、営業本部長も兼ねる三上取締役から呼び出しを受けました。三上取締役は、タッグを組みたいと中川部長を読んだそうです。その仕事とは何かというと・・・。
プロフィール
StrateCutions
代表 落藤 伸夫
昨年まで、現場マネジャーが行うマネジメントについて、世界標準のマネジメント理論である「MCS(マネジメント・コントロール・システム)論」をベースに考えてきました。日本では「マネジメント」について省みることがほとんどないようですが、世界では「マネジメントとはこういうものだ」という姿がきちんと描かれていて、それを学ぶように促されています。日本のホワイトカラーの生産性が低迷している原因は、もしかしたら、このあたりにあるのかもしれません。
昨年度は約1年かけて、現場マネジャーのマネジメントについて考えてきました。現場マネジャーは、現場で働く人たちが高いパフォーマンスをあげられるよう促すマネジメントを行なっています。一方で現場マネジャーも、マネジメントを受けます。現場マネジャーが行うマネジメントが現場の力をあますところなく引き出しているか、企業として目指す方針や戦略を実現できるよう導いているかという観点でのマネジメントを必要としているのです。
今年度は、連続コラム「マネジメントを再考してみる」の後編として、上級マネジメント(上級マネジャーの行うマネジメント)についてMCS論をベースに考えます。上級マネジャーがどんな役割を担っているか、それをどのように果たしていくかについて、体系的にご説明します。 企業パフォーマンスを向上させる世界標準のマネジメントに関する解説は、日本初の試みです。是非、お楽しみください。
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