知恵の経営

第149回

こだわりの「3たて」で繁盛

アタックスグループ 2018年2月19日
 
今回は「ちょっと贅沢(ぜいたく)、ちょっとおしゃれな食文化提供業」を事業領域とする、ピーターパン(千葉県船橋市)を取り上げる。千葉県内で焼き立てパンの店を7店舗展開している。同社には1月31日、人を大切にする経営学会「企業現地研究会」の際に訪れた。

まず同業他社に比べて、いかに優れているかを数字の面から見たい。全店の年間来客数は200万人を超える。計算上、1店舗当たり30万人弱が来店していることになる。

その数字もさることながら、さらに驚かされるのは1店舗当たり年間売上高で、3億8000万円にもなる。ちなみに業界平均の10倍というから、いかに顧客から高い支持を受けているかがよく分かる。

なぜここまで高い評価を得ているのだろうか。その理由は、同社が進める「3たて」戦略にある。なお「3たて」とは「焼きたて」「揚げたて」「作りたて」のことだ。

先日、同社の石窯パン工房店を訪問した際も、店内で焼き立てのパンができると、「ただいま、〇〇パンができあがりました。今、手に取ったパンがありましたら、取り換えさせていただきます」と、来店客に案内をしていた。

同社ではパンは生きていて、作ってから2時間が寿命とし、それ以上パンを店に置かないといったこだわりが徹底されている。ちなみに、引き上げたパンはどうなっているのかを心配する読者もいるだろうが、店内試食用などに再利用されている。

この3たてを徹底できる理由は、他社では考えられない1店舗当たり15~20人の社員を配置しているからだ。

ちなみに、全国に多店舗展開していないにもかかわらず、この3たてを守るために、毎年新卒採用を行っている。社員を多く配置することで、分業でき、小まめに品質の高いパンを多く作ることができ、おいしい作り立てのパンを提供できている。

また、サンドイッチのような焼き立てにこだわらないパンはセントラルキッチンを活用して作っているが、焼きたて、揚げたてが求められるパンは、各店舗で作りたてを提供している。

人気のあるパンの焼き上がり時間を案内し、その時間帯に来店を促すパン屋は多い。売り切れのパンをあえてつくることで、ブランドを高めようとする店もある。しかし、それはその時間帯に来られず、仕方なく店内に置かれたパンを買う顧客や、せっかく、そのパンを目当てに買いに来たのに買うことができない顧客がそれだけ多くいることになる。

同社は3たてにこだわり、常に作りたての売り切れないパン作りを進めたことで、顧客から高い評価を受け、繁盛店となったのである。

<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介

2018年2月19日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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