知恵の経営

第257回

変化の時こそチャンス 今こそニーズとシーズを探そう

アタックスグループ 2020年6月23日
 
今回の新型コロナウイルスは1929年から始まった世界大恐慌以来の大きな不況を招くと予測する論者が多く、闘いは長期戦になるといわれている。ワクチンの開発あるいは集団免疫の獲得によって収束するだろうが、今後2年間はかかるというのが大方の予測だ。封じ込めたとしても社会経済活動は元には戻らない。これまで当然と考えていた価値観や常識が大きく変化し、ニューノーマル(新常態)の時代に突入する。(アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭 )


ダーウィンの進化論は「環境変化に適合した生物のみ生き残る」ということを教えてくれた。当たり前のことだが企業も生物と同じで環境変化に適合しないと存続できない。 


世界的な経営学者、ピーター・ドラッカーは企業が永続するためには「事業の目的は唯一、それは顧客の創造である」と言っている。企業は製品・サービスを提供することで事業が成り立ち、それを買ってくれる客がいなくなれば存続できない。「顧客の創造」を達成するためには企業は「マーケティングとイノベーション」という2つの基本的な活動をしなければならないと言っている。 


マーケティング活動は顧客が抱いているニーズとシーズを探すことである。既に顕在化されたニーズのみならず、潜在的なニーズの探求が必要で、その探求のためには時代の大きな変化に注目し、ニーズを探すことだ。また、消費者の価値観、日常生活の変化に着目し、新たなニーズを探すことも大事である。身近な商品開発の事例で言えば、小林製薬のキャッチフレーズ「あったらいいな、を形にする」といったことである。 


 イノベーション活動はより優れ、より経済的な製品・サービスを顧客に提供する活動だ。経済学者でジョセフ・シュンペーターは「企業家の創造的破壊活動によって資本主義経済は発展する」と言った。創造的破壊活動には企業家の行うイノベーションが必要である。さらにイノベーションの本質は既存の技術の組み合わせ、新たな価値を生み出し、市場を開拓する新結合であると言っている。 イノベーション活動は常に技術革新という狭い概念ではなく新市場の開拓、新しい販売組織の実現といった、より広い概念で据えることが重要だ。 


 経営者は自らが先頭に立ち、ニューノーマルの時代に適応するための変革のビジョンと戦略を示し、社員全員の力を終結して、成長発展していただきたいと思う。経営の神様といわれた松下幸之助は「好況良し、不況なお良し」と言っている。つまり好況期には見えなかった経営の問題点も不況期には良く見える、経営体質改善の絶好のチャンスであるということだ。経営者自らが「変化の時こそチャンスである」という信念と執念でこれから始まるニューノーマルの時代を乗り切ることを期待する。 




 <執筆> アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭 
2020年6月23日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


HP:アタックスグループ

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