知恵の経営

第151回

大家族的に人間を尊重

アタックスグループ 2018年3月5日
 
ネオレックス(名古屋市熱田区)という社名のユニークな中小企業がある。社員数は34人ながら、東京大学、京都大学、東京工業大学そして名古屋大学といった高学歴の社員が全国各地から集まる企業である。

現在の主力事業は、クラウドサービスやアプリの開発サービスなどで、とりわけ中心的業務は、自社開発ソフトである「バイバイタイムカード」と名付けられた「クラウド勤怠管理システム」だ。

同システムは、社員数1000人以上の企業のマーケットに絞れば、業界ナンバーワンのシェアを誇る。

もう一つの主力事業であるサービス「タブレットタイムレコーダー」は、iPad(アイパッド)をタイムレコーダーとして活用するアプリで、従来のタイムレコーダーにはない機能を備え、評価が高い。

無料サービスとはいえ、自己管理のためのiPhone(アイフォーン)アプリ「MyStats」も人気で、現在、世界の90カ国以上で20万人以上の人々がダウンロードしているという。

同社は1987年、現社長の駒井拓央氏の実父が脱サラして、創業している。当初は創業者がメカトロ技術者ということもあり、工場向け自動部品供給システムの設計製作など、ハードとソフトを組み合わせたシステム会社だった。

その後もマイクロバーコードなど、次から次に新商品を出すが、市場の理解を得ず、苦難の時代が長く続いた。こうした中、2003年に開発した現在の主力商品「バイバイタイムレコーダー」が、ようやくある大手メーカーに採用され、これを機に業界の評価を得ることに成功、以後ゆっくりではあるが着実に成長発展している。

同社の最大の特長は、創業者を中心とした高い技術力に支えられた商品開発力にもあるが、より重要な特長は、こうしたハイテクべンチャーでありながら人間尊重・個人尊重の大家族的経営を貫いてきた点である。

そのいくつかを紹介すると、「ノルマを課さない」「部下・指示する・やらせる」の禁句、「新規事業は全て全社員への公募」「年3回の個人面談」「風土はもとより金銭面での充実した福利厚生」、そして「障害者の雇用と全社員での支援」などがそうである。

こうした経営の進め方が、優秀な若い技術者のハートをしっかりと捉え、優秀な高学歴社員が入社している。

こうした企業の存在を見ると人財不足の時代とはいえ、一つのヒントが示されている。

<執筆>
法政大学大学院政策創造研究科教授 アタックスグループ顧問・坂本光司

2018年3月6日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

このコラムをもっと読む 知恵の経営

同じカテゴリのコラム

コラム検索
新聞社が教える SPECIAL CONTENTS
プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。