知恵の経営

第224回

グローバル化する経済活動へ 中期計画で“ワンチーム経営”を

アタックスグループ 2019年12月17日
 
最近、大手システムベンダーの依頼で「経営者・経営幹部の戦略発想力」についてセミナー講師を務める機会があった。令和の時代は平成の30年間をはるかにしのぐ環境の変化が待ち受けている。経済活動はますますグローバル化する。AI(人工知能)革命で社会は大きく変化する。先進国では少子高齢化が進む。循環型社会を実現しないと人類は危機を迎えることも予測されている。今こそ経営者は基本に立ち返り、社員全員の力を結集して“ワンチーム”で経営にあたるべきではないか。

経営者は社員全員が「なるほど」と思える首尾一貫性のある経営を行うことである。首尾一貫性のある経営とはミッション(使命・経営理念)を土台としたビジョンから導き出される戦略と年度計画を策定し、PDCAサイクルを回す経営である。

経営理念は自社の存在価値を社内外に表明するものであり、組織に属する社員全員の価値観の共有と行動指針を示す。経営者・経営幹部はぶれない判断基準を持つことでリスク回避ができる。行動指針を守ることで良き社風づくりにも役立つ。

しかし、経営理念だけでは組織は動かない。経営理念の上に立って経営者が表明する経営ビジョンが活力ある組織づくりにはさらに重要となる。経営ビジョンは会社が3~5年の中期で達成したい具体的な経営目標であり社員全員の共感と達成欲求を促す挑戦的であるものがベストである。ビジョンには次の3つの要素が含まれているのが望ましい。自社の事業領域と数値目標と成功に導く仕組み、経営方針である。

冒頭のシステムベンダーの経営戦略はユニークであり優れている。システム開発は全て自社内で行い外注はしていない。したがって社員の半数以上はシステム開発要員であり、新入社員を採用し育成している。また最近のクラウド化の流れの中でアマゾンの「AWS」あるいはマイクロソフトの「Azure」を利用する企業がほとんどであるが保守運用を含めて自前でクラウドを立ち上げている。これらは業界の常識とは異なるが差別化・強みとなっている。

変化の激しい時代であり、中期計画を策定してもすぐに変化に合わなくなり意味がないという経営者も多く存在する。今期何をすべきかが大事であることはまちがいないが、中長期の視点を持っていないと現状追随型の経営となり、思い切った経営判断ができない。中期経営計画策定を行い、全員参加の経営をすることで変化の時代を乗り切ることをおすすめしたい。

<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭
2019年12月17日フジサンケイビジネスアイ掲載

 
 

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アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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