知恵の経営

第265回

コロナ禍で「借りる・共用」時代に加速

アタックスグループ 2020年11月6日
 
新型コロナウイルス感染拡大以前から変わりつつあったことではあるが、モノに対する所有の考え方に変化が出始めているように思う。例えば、若者の車離れといわれるように、代替交通手段が発達したという理由はあるが、自家用車の所有へのこだわりが、それ以前と比べ低くなっているように感じる。

ただ、トヨタ自動車の豊田章男社長は、その理由を「若者が車離れしたのではなく、自動車メーカーが車離れしたのではないか。経済的で便利な車ばかりを作り、わくわくするような車を作ってこなかったのが車のコモディティー(汎用)化を進め、若者の車離れを招いた」と話している。

もちろん、そういった理由もあるとは思うが、そうであれば、車そのものに乗らなくなるだろうが、レンタカーやカーシェアリングが普及・拡大している状況を見ると、それだけが理由ではないといえる。

また、以前から、不要になった服や雑貨などを買い取る買い取りサービスやフリーマーケットなどもあったが、現在では、メルカリやラクマなどのフリーマーケットアプリが普及・拡大してきており、スマホから誰でも簡単に売り買いができるようになったことで、これまで以上にモノの所有へのこだわりは減ってきているように思われる。

こういった変化の中で、新たなレンタルサービスも誕生している。例えば、就職活動用のスーツのレンタルだ。これまでも、貸衣装というサービスは存在していたが、スーツをレンタルするという新たな試みといえる。洋服の青山を展開する青山商事株式会社が始めたサービスで、レンタルできるのは、およそ2万円のスーツで、10日前までに希望する店舗でサイズを測ってもらい予約をする。そしてレンタル後は同じ店舗に返却しクリーニングは不要で、価格は5日間、3900円でレンタルできるサービスとなっている。

導入の理由は、コロナ禍で企業の就職説明会が軒並み中止になっていること。また採用活動も、最終面接を含めてオンラインを活用した方法が増えていることなどがある。さらに、今後、就職活動のためだけに、スーツを着る機会が減少していくのは避けられない状況にあり、開始したという。

コロナ禍において、生活・価値観がこれまで以上に変化したことで、モノを所有する時代から借りる・共用する時代へと、ますます進んでいくことは避けられないだろう。企業側も時代変化・ニーズ変化を常に把握していくことがより強く求められるだろう。


アタックス研究員・坂本洋介
2020年11月3日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

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顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


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