知恵の経営

第236回

組合員の声を生かす生協 生活協同組合コープみやざき

アタックスグループ 2020年3月17日
 
今回は、宮崎県で、生鮮品、食品、雑貨・衣料品を中心に、店舗事業と共同購入事業を行う生活協同組合コープみやざきを紹介する。

1973年、690人の組合員が「毎日の食事に体をむしばむ有害添加物が入っているということは、私たち母親・主婦にとって決して許すことはできない」との思いで設立している。以来、成長発展を続け、2019年3月末現在、組合員は25万3450人、県内世帯加入率は53.5%となっている。

生協の評価が表れる世帯加入率は、同じ九州地区の「佐賀」が20.0%、「熊本」が20.1%、「大分」が34.2%、「鹿児島」が43.1%と比べて極めて高くなっている。

では、なぜ同社は、これほどまでに県内で高い支持を得ているのだろうか。

まず1つ目は、何よりも経営理念が役職員に徹底されていることだ。生協は、組合員が暮らしに必要なものを買うためにつくった組織であり、一般小売業が商品を「売る」ことが目的なのに対して、生協は「組合員が求める商品を購入する」ことが目的となっている。つまり、「販売業」ではなく「購買対応業」なのだ。組合員に役立ち続けるという生協の方向性を徹底させ、組合員と役職員が力を合わせる組織となっている。

2つ目は、組合員の声が十分に活用されている点。コープみやざきには、組合員の声が年間8万件以上届き、事業経営や商品の開発・改善に生かされている。「よかった」の声は、生協だけでなく、取引先、生産者など商品に関わった全ての人に届けられ、皆が幸せを感じてもらえるよう工夫されている。その結果、小さくてもきらりと光る、感性豊かな生協づくりが行われている。一方で、対策が必要な情報は解決部署で改善に生かされている。

では、店舗での具体的な事例を見てみよう。「野菜天串を家で揚げたいので原料のまま5本ほしい」という要望に対し、10本入り1袋で売っているものを5本で販売したり、「巻きずし10個入りは食べきれない。減らせないか」という要望にも、詰め替えて5個入りで販売したりする。

組合員の声を特殊事例として受け取るのではなく、他にも同じように考える組合員がいるのではと考え、5個入りの品ぞろえを増やす。組合員からの声を聞いて、職員が良かれと思ったことは「まずやってみる」ということが徹底されている。

生協総合研究所が18年に行った全国組合員意識調査における店舗満足度では、全国平均を20~30%も上回っていた。組合設立以来、組合員が欲しいと思う商品を購入する購買対応機能を果たし続けることで高い評価を得てきた。宮崎県民にとって、日々の生活になくてはならない「私のお店・私の共同購入・私の生協」になったのだ。

<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・西浦道明
2020年3月17日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

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