知恵の経営

第241回

ここまでやるかコープみやざき 客のための運営、徹底的に実施

アタックスグループ 2020年4月30日
 
仕事柄、全国各地に出かける機会が多い。たいていの場合、街中や駅ビルで見つけたおいしそうな菓子を、土産に買って帰ったり、または宅配で送ったりする。自分も菓子好きであり、また一人でも多くの親しい仲間に食べていただきたいので、買う量・送る量は平均の5倍以上かもしれない。(経営学者・元法政大学大学院教授人を大切にする経営学会会長 坂本光司)


目移りしてしまう場合は、試食する菓子があれば、それを食べ判断をする。しかしながら、店によっては、高価格な菓子ならばともかく、値ごろ品の菓子でも決して試食させてくれない店がある。


その都度、筆者は「こんな味のする菓子を送りました、とメールしたいので、少しでいいですから、試食できませんか」と質問する。もとより、それは味を確かめたいという気持ちと、その店のサービスのレベルを確かめたいからである。

しかし、四つ切りか八つ切りかはともかく、試食用のケースが、カウンターの上に置いてあるお店はともかく、断られるケースがほとんどである。店員さんは、はっきりと「すいません、当店では試食はできません」というのである。

こうした対応の店の菓子は、筆者ならずとも、買わないと思われる。なぜならば、顧客の都合ではなく、店の都合、担当者の都合を最優先した義務的なサービスだからである。

こうした二度と行きたくないような店もあるかと思うと、「ここまでやるか」と思うような感動どころか驚愕(きょうがく)・驚嘆のサービスを提供してくれる店も少なからずある。

その一つが、宮崎市に本部のある「コープみやざき」の店舗である。ここでは、「喜ばれることを喜びとする」「店は店のためではなく、客のために存在する」ことを高らかに掲げた運営を徹底的に実施している。


例えば、店では、タマゴ1個でも、小さくカットしたダイコンでも、さらには刺し身3切れでも平気で売ってくれる。驚くべきは、セットになったパジャマのズボンだけでも半値で売ってくれる。より驚くべきは、宮崎を初めて訪れた女性の要望を受け、だれにも相談せず自分の判断で、マンゴーをその場でカットし試食させたという。このマンゴーを試食した女性は、あまりのおいしさに感動し、その場で5箱も注文したという。

筆者が、残った食材について質問すると、コープ宮崎の理事長は「総菜部門もレストラン部門もあるので、どうにでもなる。スタッフには後のことは考えなくてもいい、と伝えている」と話してくれた。


<執筆>
経営学者・元法政大学大学院教授人を大切にする経営学会会長・坂本光司
2020年4月30日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。


HP:アタックスグループ

このコラムをもっと読む 知恵の経営

同じカテゴリのコラム

キーワードからコラムを検索する