知恵の経営

第233回

企業寿命を伸ばすには

アタックスグループ 2020年2月25日
 
私たち人間に平均寿命があるように、企業にも会社寿命というものがある。昔から「企業の寿命30年説」という言葉がある。これは、あるビジネス雑誌が1983年に、明治以来100年におよぶ上位100社のランキングを作成し、そのランキングを分析したところ、現存する企業が30年後に存在する確率は5%という結果が導き出したことが、その根拠となっている。

さらに、30年という期間が経過すれば、当然、社会・経済・事業環境が大きく変化をするため、その時々の環境に適応できなければ企業は消滅する。また、その間、当然、経営者も年齢を重ね、例えば、大卒後すぐに起業したとしても、30年たてば50代となり、自身の経験値・成功体験が増えることで、過去の成功体験にとらわれ、古い発想から頭を切り替えられず、新たな環境変化に対応できないということも、その根拠としてあげられる。

ただ、それから37年が経過した今、その企業寿命はさらに短くなってきている。ある調査機関が昨年、「業歴30年以上の『老舗』企業倒産」調査を行い、その結果を公表しているが、倒産企業の平均寿命は23.7年で、これを産業別にみると、最長が製造業の34.9年、そして最短は情報通信産業の16.7年となっていた。

ちなみに、この数値の経年変化をみてみると、2018年は23.9年、17年は23.5年、16年は24.1年、15年24.1年、14年23.5年と、いずれも23~24年となっていて、間違いなく企業の寿命が短くなっていることが分かる。

では、企業の寿命を再び伸ばすためには、どうすればよいのだろうか。当然、常に新しい時代・環境に適応していく対応力を身につけることも必要だが、より重要なことは、永続するために、事業承継・後継者育成を常に考えながら、経営をしていくことにある。

どんなに有能な経営者であろうと、人間は確実に年を取る。年齢を重ねることで経験値が高まることは間違いないが、その一方で、体力や判断力はどうしても落ちてしまう。今後、ますます混迷を深めるビジネス環境の中、最前線で戦い続けるには、気力・体力が伴っていることは絶対条件だ。

承継のタイミングを自身で決断するのは難しいことだが、柏餅を包む葉として知られるカシワの葉の性質が、私たちにそのヒントを教えてくれる。カシワの葉は、新芽が出ても、その芽が育つまで前の葉が残り、それを見届けると、前の葉が落ちることから、ゆずり葉といわれ、家計が代々栄える象徴、親が子供の無事な成長を見守る象徴といわれている。つまり、企業でも新しい後継者が育つまでは寄り添い、その後継者が育ったのなら任せる。このサイクルを続けることで、企業寿命はまた再び延びていくはずだ。

<執筆>アタックス研究員・坂本洋介
2020年2月25日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

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