中小企業の「シン人材確保戦略」を考える

第142回

賃上げの時代に「業務改善助成金」をどう使うか──9月の申請に向けて、今から始める設備投資と生産性向上

一般社団法人パーソナル雇用普及協会  萩原京二

 

前回の続きとして──「業務改善助成金」を掘り下げる


前回のコラムでは、AIの導入を「訓練・設備・賃上げ」のワンセットで進めるための制度として、人材開発支援助成金の「設備投資加算」を中心にご紹介しました。社員のリスキリング(学び直し)を軸に、AIシステムの導入費用や賃上げまでをまとめて支援してもらう、という考え方です。

そのなかで、もうひとつの選択肢として「業務改善助成金」にも少し触れました。設備投資加算がAI人材の育成を主役にした制度であるのに対し、業務改善助成金は、職場でいちばん低い賃金の引き上げと、生産性向上のための設備投資を、真正面から後押しする制度です。同じ「賃上げ+設備投資」を応援する仕組みでも、目的も使いどころも異なります。

そしてこの業務改善助成金は、令和8年度から申請の仕組みそのものが大きく変わり、しかも準備できる期間が極端に短くなりました。9月の申請開始に向けて、今から動いておかないと間に合わない、という切実な事情があります。そこで今回は、前回は触れるだけにとどめたこの業務改善助成金にしぼって、制度の中身と、今すぐ始めるべき準備を掘り下げてお伝えします。まずは、なぜこれほど賃上げが避けて通れない経営テーマになっているのか、その背景から整理していきましょう。


賃上げは「するかどうか」ではなく「どう原資を捻出するか」の時代へ

ここ数年、賃上げをめぐる空気は完全に変わりました。かつては「業績が良ければ上げる」ものだった賃上げが、今では「上げなければ人が採れない、辞めてしまう」という、いわば守りの経営判断へと性格を変えています。

2026年の春闘を振り返ってみても、その流れははっきりしています。連合が発表した最終集計では、中小企業の賃上げ率は4.69%となりました。連合が掲げた「6%以上」という目標には届かなかったものの、3年連続で高い水準の賃上げが続いていることに変わりはありません。東京商工リサーチの調査でも、2026年度に賃上げを予定している企業は83.6%にのぼり、5年連続で8割を超える見込みだと報じられています。

注目していただきたいのは、賃上げの「理由」です。同じ調査で、賃上げを実施すると答えた企業がその理由に挙げた第1位は「従業員の離職防止」で、実に80.3%を占めました。次いで「物価高への対応」が65.5%、「新規採用を円滑にするため」が49.4%と続きます。一方で「業績が良くなったから還元する」という前向きな理由は3割ほどにとどまりました。つまり多くの企業が、儲かったから上げるのではなく、「人材をつなぎ止め、採用に負けないために、上げざるを得ない」という、いわば先行投資型の賃上げに踏み切っているのです。ある商工中金の調査でも、中小企業の賃上げの判断基準が、これまでの「収益力」から「労働力の維持・確保」へとはっきり移っている実態が明らかになっています。

この背景には、最低賃金の急激な上昇があります。2025年10月に発効した最低賃金は全国加重平均で1,121円となり、前年から66円、率にして6.3%という過去最高の引き上げとなりました。しかも全都道府県で1,000円を超えました。政府は「2020年代のうちに全国平均1,500円」という目標を掲げており、この水準に届かせるには今後も毎年5〜7%程度の引き上げが続く計算になります。

見落とされがちですが、この状況にはもう一つ厄介な側面があります。最低賃金がこれだけ急ピッチで上がると、いちばん下の時給がぐいぐい底上げされる一方で、中堅やベテランの給与がそれほど上がらず、両者の差が縮まってしまうのです。パートの世界では「経験が長い人も、入ったばかりの人も、時給がほとんど変わらない」という逆転に近い現象すら起き始めています。これは長く勤めてくれている社員のやる気を確実に削ぎますし、放っておけば「だったら楽な職場に移る」という離職の引き金にもなりかねません。単に全体の金額を底上げするだけでなく、役割や職務に応じてメリハリのある賃金へと組み替えていく発想が、今まさに求められているのです。

さらに気がかりなのは、これだけ名目の賃金が上がっても、物価の上昇がそれを上回る月が続き、実質賃金はなかなかプラスに定着しないという現実です。従業員は「給料は上がったはずなのに、生活は楽にならない」と感じ、経営者は「これだけ人件費を増やしたのに、なぜ社員の満足度が上がらないのか」と頭を抱える。この双方のもどかしさこそが、今の賃上げをめぐる空気の正体だといえます。

つまり、経営者にとって賃上げはもはや「やるかやらないか」を議論する段階ではなく、「上がり続ける人件費の原資を、どうやって捻出するか」、そして「限られた原資を、どこに重点的に配分するか」を考える段階に入っているということです。ここで大きな味方になるのが、今回あらためて取り上げる「業務改善助成金」です。



なぜ今、業務改善助成金なのか


業務改善助成金は、ひとことで言えば「賃上げと設備投資をセットで応援してくれる」制度です。事業場内でいちばん低い時給を一定額以上引き上げ、あわせて生産性の向上につながる設備を導入すると、その設備投資にかかった費用の一部を国が助成してくれます。

この制度が今の時代に合っている理由は、まさに「賃上げの原資問題」に正面から応えてくれるところにあります。賃上げをすれば人件費は毎月、そして永続的に増えていきます。一方で、助成金で導入した設備によって業務が効率化されれば、少ない人数でこれまで以上の仕事がこなせるようになります。上がった人件費を、生産性の向上で吸収していく。この好循環をつくるための呼び水として、業務改善助成金は非常に理にかなった制度なのです。

令和8年度の業務改善助成金は、内容もかなり手厚くなっています。助成額は最大で600万円、予算規模は令和7年度の15億円から35億円へと倍以上に拡充されました。国としても、賃上げと生産性向上を同時に進める中小企業を、これまで以上に強く後押ししたいという意図がうかがえます。

考えてみれば、これは非常にありがたい仕組みです。どのみち賃上げはしなければならない。その賃上げを条件に、業務を効率化するための設備投資の費用まで国が補助してくれるのですから、うまく使えば「賃上げ」と「生産性向上」という、本来なら別々に頭を悩ませるはずの二つの課題を、一度の取り組みでまとめて前に進めることができます。人件費が上がる痛みを、設備投資による効率化で和らげ、さらにその設備投資の負担も助成金で軽くする。二重、三重に効いてくる制度だと理解していただくとよいと思います。

ただし、良いことばかりではありません。令和8年度のこの制度には、経営者として絶対に見逃せない「落とし穴」があります。それは、申請の準備期間が極端に短いということです。



「9月から」では間に合わない──短すぎるスケジュール


令和8年度の業務改善助成金の申請期間は、令和8年9月1日からと定められています。締め切りは、地域別最低賃金が発効する日の前日、または11月30日のいずれか早い日まで。賃金を引き上げる期間も、9月1日から地域別最低賃金の発効日の前日までとされています。

ここで問題になるのが、東京都をはじめ多くの地域で、最低賃金の改定が例年10月の初めに行われるという点です。業務改善助成金では、賃上げと設備投資でタイミングのルールが異なります。賃金の引き上げ(就業規則や賃金規程の改定と適用)は「交付申請の後」であれば実施できます。交付決定を待つ必要はありません。ただし、その期限は「申請事業場に適用される地域別最低賃金の発効日の前日」まで。つまり東京都の事業者であれば、9月1日から10月初めまでの、わずか1か月ほどの間に、申請書を提出し、賃上げを実施して就業規則や賃金規程を変更する、という一連の手続きを終える必要があるのです。なお、申請より前に賃上げをしてしまったり、就業規則の適用日を申請日より前に設定してしまったりすると助成の対象外になりますので、「先に申請、後で賃上げ・規則改定」という順番は厳守してください。ちなみに、令和7年度に一時的に認められた「賃金引上げ計画の事前提出の省略」は令和7年度限りの特例で、令和8年度には引き継がれていません。

しかも、設備の発注は交付決定が出てからでないとできません。10月に交付決定が出てから発注していたのでは、年度内の事業完了期限である翌年1月31日に間に合わないケースも十分に起こり得ます。特にオーダーメイドの機械や特殊な車両など、納品までに数か月かかる設備を考えている場合は、なおさら注意が必要です。

「9月になってから動き出せばいい」という考えでは、ほぼ間違いなく間に合いません。だからこそ、9月1日に申請書をすぐ出せる状態を、今のうちにつくっておくことが勝負を分けます。ここからは、その具体的な準備を順を追ってお話しします。



9月までにやっておくべき準備


まず取りかかっていただきたいのが、自社の「事業場内最低賃金」の確認です。難しく聞こえますが、要するに社内でいちばん時給が低い人が誰で、その時給がいくらかを、思い込みではなく賃金台帳で正確に把握するということです。対象になるのは、雇い入れから6か月を超えて働いていて、週20時間以上勤務する雇用保険加入者です。つまりパートやアルバイトの方も含まれます。意外と多いのが「うちの時給は最低賃金にほぼ張り付いている」というケースで、こうした事業者はこの助成金の対象になる可能性が高いといえます。

次に、どのコースで申請するかを決めます。令和8年度は50円、70円、90円の3コースが用意されています。引き上げ額を大きくすれば助成額も増えますが、その分、賃上げによる人件費の負担も重くなります。たとえば時給1,050円の社員10人を70円引き上げる場合、フルタイム換算で月におよそ11万円、年間では約134万円もの人件費増になります。助成金は一度きりですが、賃上げは永続的な負担です。「この社員の人件費を、毎月いくらまでなら増やせるか」を冷静に試算したうえで、無理のないコースを選ぶことが大切です。

三つ目は、賃上げの対象となる社員を一覧にすることです。助成の上限額は「引き上げる労働者数」に直結します。ここで見落としがちなのが、いちばん時給の低い社員だけでなく、その社員を引き上げた結果、時給を追い抜かれてしまう社員もカウントの対象になるという点です。ただし、追い抜かれる社員についても、申請するコース以上の賃上げをしなければ人数に数えられません。全員の時給を書き出したうえで、誰が事業場内最低賃金にあたるのか、その人を引き上げると誰が追い抜かれるのか、追い抜かれる人に何円の賃上げが必要かを、表に整理しておきましょう。

四つ目は、導入する設備の候補を絞り込むことです。助成の対象は「生産性向上に資する設備投資」で、POSレジや在庫管理システム、リフト付きなど特殊用途の業務用車両、調理機器や製造機器、経営コンサルティング費用などが該当します。ここで一点、令和8年度からの変更に注意が必要です。従来は対象だった自動車が、特殊用途のものを除いて助成対象から外れました。普通の営業車などは対象外になりますので気をつけてください。パソコンやタブレットも原則は対象外ですが、後述する「物価高騰等要件」を満たす特例事業者であれば対象になります。

五つ目は、業者の選定と見積もりの取得です。設備の発注そのものは交付決定後でなければできませんが、見積もりを取ったり、業者と話を進めたりすることは今のうちに十分可能です。特にリードタイムの長い設備については、「9月以降に発注する予定だが、納期はどのくらいかかるか」を事前に確認しておくと安心です。相見積もりを取って価格と納期を比較しておけば、交付決定後の動きが一気にスムーズになります。

六つ目は、就業規則や賃金規程の変更案をあらかじめ作っておくことです。引き上げ後の事業場内最低賃金額は、就業規則または賃金規程に明記する必要があります。現在の額を引き上げ後の額に書き換える作業を、案の段階まで進めておけば、9月以降の手続きが格段に楽になります。社員が10人以上の事業所では、労働基準監督署への変更届出も必要になりますので、その段取りも視野に入れておきましょう。

そして七つ目が、「物価高騰等要件」に該当するかどうかの確認です。直近6か月間の平均利益率が前年度と比べて3ポイント以上低下している事業者は「特例事業者」となり、パソコンやタブレットも助成対象になる、上限額の区分が有利になるといったメリットを受けられます。決算書や試算表をもとに、税理士などと相談して確認しておきましょう。なお、令和7年度までは「直近3か月のうち任意の1か月」で判定していましたが、令和8年度からは「直近6か月間の平均」に変わっています。判定方法が変更されている点にご注意ください。



設備投資の主役に「AI・省力化ツール」を据える


ここで、今回ぜひお伝えしておきたい視点があります。それは、業務改善助成金の設備投資を考えるときに、AIやデジタルツールを積極的に候補に入れてほしい、ということです。

賃上げが避けられない以上、経営者が本当に取り組むべきは、上がった人件費に見合うだけの生産性を、いかにして生み出すかという課題です。そして今、その最も現実的な答えの一つがAIの活用になりつつあります。

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した調査によると、中小企業のAI導入率は20.4%、導入を検討している企業を含めると39.0%にのぼりました。導入した企業がAIに期待した目的の第1位は「業務効率化・作業時間の短縮」で、87.0%と圧倒的でした。実際、業務にAIをうまく組み込んだ中小企業では、一つの部署あたり月におよそ38時間もの業務時間を削減できたという事例も報告されています。月に38時間といえば、社員一人の約1週間分の労働時間に相当します。

一方で、大企業と中小企業の差も広がっています。ある調査では、大企業のAI活用率が59.1%だったのに対し、中小企業は32.3%にとどまり、およそ27ポイントの開きがありました。ただ、これは裏を返せば「まだ多くの中小企業が本格活用していない今こそ、先に動けば差をつけやすい」ということでもあります。人手不足が深刻化し、賃上げ圧力が強まる時代において、AIによる効率化は、もはや一部の先進的な企業だけのものではなくなっているのです。

国の支援制度も、この流れをはっきりと後押ししています。従来の「IT導入補助金」は、令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」へと名称が変更されました。単なるIT化ではなく、AIを使った抜本的な省力化にこそ予算を重点配分するという、国の姿勢の表れです。業務改善助成金とはまた別の制度ですが、賃上げと生産性向上をセットで進めるという発想は共通しています。生産性向上に資する設備として、AIを搭載したツールやシステムを検討することは、これからの時代の王道の選択肢になっていくはずです。

もちろん、AIといっても難しく考える必要はありません。問い合わせ対応の自動化、議事録の作成、書類のたたき台づくりといった、日々の定型業務から小さく始めるのが失敗の少ないやり方です。たとえば、ある住宅関連の会社では、営業時間外に届いた問い合わせにAIが自動で一次対応するしくみを入れ、これまで取りこぼしていた夜間の相談を確実に受け止められるようになりました。翌朝出社した担当者は、AIが整理してくれた顧客情報をもとに、話が温まった状態のお客様を引き継ぐだけで済みます。人が寝ている間も、機会損失を防ぐ「もう一人の社員」が働いてくれているようなものです。

こうした活用は、単に作業が速くなるという以上の意味を持ちます。中小企業では、特定のベテランにしかできない仕事や、頭の中にしかないノウハウに業務が依存してしまう「属人化」が起こりがちです。その人が辞めたり休んだりすると、たちまち仕事が回らなくなる。AIを使って対応の履歴やノウハウを蓄積し、標準化していけば、こうした「人が抜けたら終わり」という脆さからも会社を守ることができます。人手不足と賃上げ、その両方に効く一手だといえるでしょう。

大切なのは、いきなり大がかりなシステムを目指さないことです。まず一つの業務をAIに任せてみて、効果を実感してから少しずつ広げていく。この「スモールスタート」の考え方で、業務改善助成金の設備投資計画に無理なく組み込んでいくのが賢明です。導入したツールがどのように生産性の向上につながるのかを言葉で説明できるようにしておくと、そのまま申請書類の「事業実施計画書」のベースにもなります。



9月に向けたスケジュールの目安


では、これらの準備を、いつまでに進めればよいのでしょうか。目安となる流れをお示しします。

今すぐから7月にかけては、先ほどの準備のうち、自社の最低賃金の確認、コースの決定、対象社員のリスト化までを終えたいところです。あわせて、物価高騰等要件に該当するかどうかの判定を税理士に依頼しておきましょう。7月から8月にかけては、設備候補の絞り込みと業者選定、見積もりの取得を進めます。複数の業者から相見積もりを取り、価格と納期をしっかり比較してください。8月に入ったら、就業規則や賃金規程の変更案の作成、申請書類のドラフトづくり、社員への説明準備を整えます。そして9月1日、申請の受付開始と同時に書類を提出する。この段取りで動ければ、9月の申請に確実に間に合います。

逆に、8月の終わりまでに準備が整っていない状態だと、10月初めの賃金引き上げ期限に間に合わないリスクが一気に高まります。準備の遅れが、そのまま助成金を逃す結果につながりかねないのです。



「今動く会社」が勝つ理由


繰り返しになりますが、令和8年度の業務改善助成金は、予算が前年度の2倍以上に拡充された、非常に力強い制度です。しかしその一方で、申請期間は2〜3か月という短い期間に凝縮されました。予算は多いけれど、申請が短期間に集中する、という構造になっているわけです。

助成金は予算の範囲内で先着順に交付される仕組みですから、申請が遅れると「予算切れで終了」という事態も、決して絵空事ではありません。予算が倍以上に増えたことで応募する事業者も増えると見込まれますから、「予算が多いから安心」ではなく、むしろ「予算が多いからこそ、早く動いた会社が確実に取り切る」と考えておくのが正解です。だからこそ、「9月1日に申請書を出せる状態」を今からつくっておく会社が、最も確実に助成金を手にすることができます。

準備といっても、そのほとんどは9月を待たずに進められるものばかりです。自社の時給を確認するのも、対象社員を一覧にするのも、業者から見積もりを取るのも、就業規則の変更案をつくるのも、すべて今日から着手できます。逆に言えば、これらを後回しにしてしまうと、9月に入ってから一気にすべてを片づけることになり、その慌ただしさの中でミスが生まれたり、期限に間に合わなかったりします。早く動くことは、単に安心なだけでなく、申請の質そのものを高めることにもつながるのです。

賃上げは、もはや避けて通れない経営課題です。だとすれば、どうせ上げる賃金なら、設備投資への助成金とセットで進め、同時に生産性まで引き上げてしまう。この機会を、単なるコスト増で終わらせるのか、それとも会社を一段強くするための投資に変えるのか。その分かれ道は、9月を待つのではなく、今この時期に動き出せるかどうかにかかっています。

申請準備や対象設備の選び方、AIツールの活用、就業規則の変更などについては、当事務所でしっかりとサポートいたします。「うちは対象になるのだろうか」「どのコースが最適だろうか」といったご相談も含め、どうぞお気軽にお声がけください。9月1日のスタートダッシュを切れるよう、一緒に準備を進めてまいりましょう。



まとめ


令和8年度の業務改善助成金は、最大600万円、予算は前年度の2倍以上という力強い制度ですが、申請期間が9月からの2〜3か月と極端に短いのが特徴です。9月になってからでは間に合わないため、今のうちに、自社の最低賃金の確認、申請コースの決定、設備投資の候補絞り込みと見積もり取得の3つは済ませておきましょう。賃上げが避けられない時代だからこそ、上がる人件費を生産性で吸収する発想が欠かせません。設備投資の主役には、月38時間の削減事例もあるAI・省力化ツールを据えるのが有力な選択肢です。賃上げと設備投資、そして生産性向上をセットで進め、この助成金を会社を強くする投資に変えていきましょう。


 

プロフィール

一般社団法人パーソナル雇用普及協会
代表理事 萩原 京二

1963年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒。株式会社東芝(1986年4月~1995年9月)、ソニー生命保険株式会社(1995年10月~1999年5月)への勤務を経て、1998年社労士として開業。顧問先を1件も持たず、職員を雇わずに、たった1人で年商1億円を稼ぐカリスマ社労士になる。そのノウハウを体系化して「社労士事務所の経営コンサルタント」へと転身。現在では、200事務所を擁する会員制度(コミュニティー)を運営し、会員事務所を介して約4000社の中小企業の経営支援を行っている。2023年7月、一般社団法人パーソナル雇用普及協会を設立し、代表理事に就任。「ニッポンの働き方を変える」を合言葉に、個人のライフスタイルに合わせて自由な働き方ができる「パーソナル雇用制度」の普及活動に取り組んでいる。


Webサイト:一般社団法人パーソナル雇用普及協会

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