中小企業の「シン人材確保戦略」を考える

第139回

中小企業経営者が知っておきたい「AI採用の活用法とリスク」

一般社団法人パーソナル雇用普及協会  萩原京二

 

はじめに~AIが採用の現場に入ってくる時代

2026年6月、人材サービス大手のパソナが、AIを使った面接サービス「Career Gate(キャリアゲート)」の提供を始めました。コンピューターが作り出したアバターの面接官が応募者と一次面接を行い、応募者は24時間いつでも面接を受けられるという仕組みです。職種ごとに質問の内容を設計でき、応募者の回答をAIが要約して点数をつけるところまで手伝ってくれるといいます。これまで「AI採用」というと、一部の大企業が試している先進的な取り組み、という印象が強かったのではないでしょうか。しかし、業界大手が本格的に乗り出したことで、いよいよ採用の現場にAIが当たり前のように入ってくる時代が、すぐそこまで近づいてきたといえます。

多くの中小企業にとって、採用は長年の悩みの種です。求人を出しても、思うように人が集まらない。せっかく応募があっても、日程の調整や問い合わせ対応に追われて返信が遅れ、そうしているうちに他社に決まってしまう。面接をする人手も足りず、面接官によって見るところがちがうために、評価がばらばらになる。こうした課題を日々抱えている会社にとって、AIはたいへん心強い味方になりそうに見えます。

ただ、ここでいったん立ち止まって考えていただきたいことがあります。AI採用は、単に作業を速くするだけの便利な道具ではありません。使い方によっては、採用の進め方そのものを大きく変えてしまう力を持っています。その一方で、扱いを誤れば、法律上の問題や、会社の信用の低下、さらには本来採りたかった人材を逃すことにまでつながりかねません。便利さの裏には、相応の落とし穴もあるということです。本稿では、中小企業の経営者の方に向けて、AI採用をどのように活かし、どんな点に気をつければよいのかを、できるだけ専門用語を避けて、わかりやすく整理してみたいと思います。

もう一つ知っておきたいのは、こうしたサービスの導入のハードルが、ここ数年で大きく下がっているということです。かつてのように大がかりなシステムを自前で開発しなくても、月額数万円程度から手軽に使い始められるものが増えています。先ほどのパソナのサービスも、月額数万円台に初期費用と利用量に応じた料金を加える形で提供されており、決して大企業だけのものではありません。これまで「うちには関係ない」と感じていた小さな会社にとっても、いまや現実的な選択肢になりつつあります。裏を返せば、よく理解しないまま勢いで導入し、後になって困ってしまう会社も、これから増えていくと予想されます。だからこそ、導入する前に基本を押さえておくことが大切なのです。



そもそもAI採用とは何か


はじめに、言葉の整理から始めましょう。AI採用とは、会社の採用活動のなかにAIを組み込み、これまで人が手作業で行っていた業務を支援してもらう取り組みのことです。応募者への対応、書類の整理、面接の補助、評価の手助けなど、その支援の範囲は思いのほか幅広く広がっています。求人を出すところから、内定を出すところまで、採用のほぼ全工程にAIが関わりうるといってもよいでしょう。

ここで何より大切にしていただきたいのは、「AIが採用する」のではなく、「AIが採用業務を支援する」という視点です。AIはあくまで人の判断を助ける道具であり、最終的に誰を採るのかを決めるのは、これからも人であるべきです。この前提を見失ってしまうと、後ほどお話しするさまざまなリスクに、思わぬところで足をすくわれることになります。まずはこの一点を、頭の片隅に置いておいてください。

もう少し補足すると、AIといっても、特別に難しい専門知識が要るものばかりではありません。最近では、日ごろ使っているメールやチャットのような感覚で操作できるサービスも増えています。大切なのは、高度な仕組みを理解することよりも、自社の採用のどこを助けてほしいのかを、はっきりさせることです。道具の性能そのものよりも、使う側の目的意識のほうが、得られる成果を大きく左右します。「とりあえず流行っているから」ではなく、「自社のこの困りごとを解決したいから」という出発点を持つこと。それがAI採用を成功させる、いちばんの土台になります。



AI採用は大きく3つに分けられる


AI採用とひとことで言っても、実際にできることは大きく3つの種類に分けられます。自社にとってどこから手をつけるべきかを考えるうえで、この区分けはとても役に立ちます。

1つ目は、採用事務の自動化です。応募の受付、面接の日程調整、問い合わせへの対応、説明会の案内といった、いわゆる事務作業をAIに任せる使い方です。たとえば、応募者から届くメールに自動で返信したり、面接の候補日を提示してやりとりを代わってくれたりします。これまで応募者への一次返信に丸一日かかっていた会社が、こうした仕組みを入れたことで、数分のうちに返信できるようになった、という例も珍しくありません。これは中小企業にとって最も導入しやすく、しかも効果が目に見えやすい領域です。面接前の細々とした事務負担が減れば、採用担当者は、応募者一人ひとりとていねいに向き合うための時間を取り戻すことができます。まずはこのあたりから始めるのが、無理がなく、おすすめのやり方です。

2つ目は、選考や面接の支援です。履歴書の一次整理、面接で聞く質問案の作成、AIによる面接そのもの、面接メモの要約などがこれにあたります。先ほどご紹介したパソナのサービスも、一次面接の効率化や評価の標準化を支援する、この分野のものです。応募者が多くて初期選考に手が回らない会社にとっては、大きな助けになるでしょう。ただし、ここで一つだけ、強くお伝えしておきたいことがあります。合否の最終的な判断を、AIに丸ごと委ねてはいけません。AIは判断のための材料を整えてくれますが、その材料をどう読み解き、誰を採るのかを決める責任は、あくまで人が負うべきものです。点数が高いから採る、低いから落とす、という単純な使い方は、後で必ず後悔します。

3つ目は、採用戦略やマッチングの支援です。これまでの採用データや、社内で活躍している人材の傾向を分析し、採用の基準を見直したり、職種ごとに何を打ち出せば応募者に響くのかを整理したりする使い方です。求人票の改善、応募者との相性の見極め、採用広報の文章づくりなど、戦略の面でも幅広く活用できます。ただし、ここには見落としがちな落とし穴があります。AIは過去のデータをもとに学習するため、そのデータに偏りがあれば、偏ったまま判断に反映してしまうのです。この点については、後ほどあらためて詳しくお話しします。

なお、どの種類を使うにしても、忘れてはならないのが応募者の側の気持ちです。AIに面接をされること自体に抵抗を感じる人もいますし、対応が機械的すぎると「大切にされていない」と受け取られ、かえって辞退を招くこともあります。AIで効率を上げる部分と、人がていねいに向き合う部分とのバランスをどう取るか。これも、種類を選ぶときに一緒に考えておきたいところです。



中小企業での導入は5つのステップで


では、実際に導入する場合、どのような順番で進めればよいのでしょうか。中小企業が失敗しにくい進め方を、5つの段階に分けてご説明します。

最初の段階は、採用課題の棚卸しです。自社の採用のどこに時間がかかっているのか、どこで応募者の辞退や取りこぼしが起きているのかを、まず洗い出します。そのうえで、「採用人数を増やしたい」のか、「担当者の負担を減らしたい」のか、それとも「面接の品質をそろえたい」のか、解決したい課題をはっきりさせます。ここがあいまいなまま導入してしまうと、何のために入れたのかわからない、宝の持ちぐされのような道具になってしまいます。目的が定まってはじめて、どの種類のAIを使えばよいかも見えてきます。

次の段階は、導入する範囲を絞ることです。いきなり全社で全面的に使い始めるのではなく、日程調整や一次対応など、限られた部分から始めます。ひとつの職種、ひとつの拠点、少人数のチームで試してみるのが現実的です。小さく始めれば、たとえうまくいかなくても損失は小さく済みますし、問題が起きたときの原因もつかみやすく、改善もしやすくなります。

3つ目の段階は、社内のルールを整えることです。誰が使うのか、どこまでの情報をAIに入力してよいのか、最終的に判断する人は誰なのかを、あらかじめ決めておきます。応募者の個人情報の扱い、外部のAIサービスを使う際の利用条件、データを保存しておく期間、不要になったデータをいつ削除するのかといったルールも、この段階で整理しておきます。ルールがないまま現場任せにしてしまうと、思わぬところで情報の漏れや、判断の偏りが生じます。最初に枠組みを決めておくことが、後の安心につながります。

4つ目の段階は、小規模に試すことです。短い期間だけ試しに導入してみて、応募者への対応にかかる時間、面接の設定までの日数、担当者の手間などが、導入前と比べてどう変わったかを確かめます。期待した効果が本当に出ているのか、逆に現場の負担がかえって増えていないかを、この段階でしっかり見極めます。数字で比べられるようにしておくと、続けるかどうかの判断もしやすくなります。

最後の段階は、定着化と改善です。試した結果をふまえて、運用のマニュアルや評価票、よくある質問への回答を整え、現場への研修を行います。そして、うまくいった部分を他の職種や拠点にも少しずつ広げ、改善を繰り返していきます。AI採用は、一度入れて終わりというものではありません。自社に合うように育てていく、という姿勢が、その効果を実りあるものにします。

なお、この五つの段階のどこかで迷ったときは、社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。とくに、応募者の情報の扱いや、求人票・就業規則・雇用契約書との整合といった部分は、判断を誤ると後で大きなトラブルになりかねません。社内だけで抱え込まず、外部の目を一つ入れておくだけで、ずいぶんと安心して前に進められます。専門家にとっても、こうした新しい仕組みを安全に使いこなすお手伝いは、これからますます大切な役割になっていくはずです。



導入で気をつけたい4つの注意点


ここからは、特に気をつけていただきたい注意点を整理します。便利だからこそ、見落とすと後で痛い思いをする部分です。大きく「公平性」「個人情報」「採用実務」「書類との整合」という4つの軸でお話しします。

1つ目は、差別や公平性の問題です。先ほど触れたとおり、AIは過去のデータの偏りを、そのまま学習してしまう性質があります。たとえば、これまで特定の性別や年齢、学歴の人ばかりを採用してきた会社のデータを学習させれば、AIも同じ傾向の人を高く評価しがちになります。これでは、本来採るべき優秀な人を見逃してしまうばかりか、採用の公正さを欠くことにもなりかねません。たとえば、ある職種で長年そろえてきたメンバーの傾向にAIが引きずられ、ちがう経歴の有望な応募者を一律に低く評価してしまう、といったことが起こりえます。AIが出した結果をそのまま使うのではなく、必ず人が確認し、おかしな偏りがないかをチェックする仕組みが欠かせません。なぜその人を高く評価したのか、後から説明できるように記録を残しておくことも、こうした場面で会社を守ってくれます。

2つ目は、個人情報や機密情報の取り扱いです。応募書類や面接の録画は、すべて応募者の大切な個人情報です。これらをどこに入力し、どこに保存するのかを、きちんと管理しなければなりません。とりわけ注意したいのが、外部の無料のAIサービスなどに、応募者の情報を無制限に入力してしまう運用です。入力した情報がどこかに残り、外部に流出してしまう危険があります。便利だからと安易に使う前に、そのサービスに何を入れてよいのかを、社内で線引きしておくことが大切です。

3つ目は、採用実務のルールとの整合です。採用にあたっては、本籍や信条、家族構成など、仕事の適性や能力に関係のない情報を集めたり、選考に使ったりしてはいけない、という考え方が、法律のうえでも実務のうえでも定着しています。AIを使うと、効率がよいぶん、ついあれもこれもと情報を集めたくなりますが、応募者のSNSや外部の情報を過剰に集めるのは禁物です。何を選考の基準にするのかを、あらかじめ文章で明確に決めておくこと。これが、行きすぎた情報収集に歯止めをかけてくれます。

4つ目は、就業規則や契約書との整合です。AIに採用関連の書類や就業規則の文案を作らせると、もっともらしい文章が、あっという間にできあがります。しかし、その内容が自社の実態と本当に合っているのかは、人が必ず確認しなければなりません。とくに、固定残業代、試用期間、配置転換、懲戒、退職といった項目は、後でトラブルになりやすいところです。AIが作った文章をうのみにせず、社会保険労務士などの専門家の目を通すくらいの慎重さが、ちょうどよいといえます。

これら4つに共通する大原則は、「AIに任せすぎない」ということです。AIはあくまで補助であり、最終的な責任は人が負う。この一線さえ守る設計にしておけば、多くのリスクは未然に防げます。AIの提案に引っ張られるあまり、面接官の判断力や、応募者との生きた対話を弱めてしまわないように、気をつけたいものです。

もう一点、これからの時代に意識しておきたいのが、応募者への説明です。選考のどの場面でAIを使っているのかを、応募者にあらかじめきちんと伝えておくこと。隠して使い、後から知られると、それだけで不信感につながりかねません。逆に、正直に開示したうえで、「最終的な判断は人が責任を持って行います」と一言添えるだけで、応募者は安心して選考に臨めます。透明性を保つことは、これからの採用において、会社の誠実さを示す一つのものさしになっていくでしょう。手間のように感じられるかもしれませんが、こうした小さな配慮の積み重ねが、結果として「この会社で働きたい」という気持ちを育てていくのです。



AI採用にありがちな3つの誤解


ここで、多くの会社が陥りやすい誤解を3つ取り上げておきます。これを知っておくだけで、導入後のがっかりを大きく減らせます。

1つ目は、「AIに任せれば公平になる」という誤解です。AIは感情で判断しないから、人間よりも公平だろう。そう考えたくなる気持ちはよくわかります。しかし実際には、すでにお話ししたとおり、AIは過去のデータの偏りをそのまま引き継ぎます。むしろ、機械が出した結果だからと無条件に信じてしまうと、偏りに気づきにくくなる危険すらあります。公平さは、AIを入れれば自動的に手に入るものではなく、人が意識して保つものだと考えてください。

2つ目は、「AIが優秀な人を見抜いてくれる」という誤解です。AIがしているのは、過去に自社で高く評価された人に似た人を選び出すことです。つまり、これまでの自社の評価が正しかったという前提に立っています。もし過去の評価そのものに偏りや見落としがあれば、AIはその偏りを忠実に再現するだけになります。これまでと違うタイプの人材を採りたい、という場面では、AIの判断はかえって足かせになることもあるのです。

3つ目は、「導入すれば手間がなくなる」という誤解です。たしかに、軌道に乗れば事務作業は大きく減ります。しかし導入の初期は、設定を整えたり、出てきた結果を確認・修正したり、現場に使い方を教えたりと、むしろ一時的に手間が増えるのがふつうです。ここで「思ったより面倒だ」と投げ出してしまうと、効果が出る前に終わってしまいます。最初のひと山を越える覚悟を、あらかじめ持っておくことが大切です。



中小企業にとってのメリット


注意点を強調してきましたが、もちろんAI採用には、それを上回る大きなメリットがあります。採用事務が効率化されれば、少人数の人事体制でも、採用活動を無理なく回しやすくなります。応募者への対応が速くなれば、「返信が遅くて、その間に他社に決められてしまった」という辞退を防ぐことにもつながります。応募者は、対応の速い会社に好印象を持つものです。小さな差のようでいて、人材の取り合いになっている今の時代には、こうしたスピードが採用の成否を分けることも少なくありません。面接が標準化されれば、担当者ごとの評価のばらつきを減らし、誰が面接しても一定の質を保てるようになります。さらに、求人票や採用広報の文章が磨かれれば、応募の数だけでなく、応募してくる人材の質の向上も期待できます。限られた人手で採用を戦う中小企業にとって、これらの効果は、決して小さなものではありません。



経営者が押さえておきたい視点


最後に、経営者として持っておいていただきたい視点をお伝えします。AI採用は、「人を減らすため」の道具ではありません。「限られた採用力を補うため」の投資です。中小企業においては、採用の正解そのものをAIに求めるよりも、採用の仕組みを整えるための補助線としてAIを使う、という発想がとても大切です。AIに正解を出してもらおうとすると失望しますが、自社の采配を助けてもらおうと考えれば、頼もしい存在になります。

そして、何よりまずは小さく始めること。効果を自分の目で見きわめ、必要な範囲だけを少しずつ広げていく。この進め方が、いちばん失敗しにくいやり方です。あせって全面的に導入し、現場が混乱して結局もとに戻す、という事態は、ぜひとも避けたいところです。

あわせて意識したいのが、社内の納得を得ながら進めることです。AI採用は、ともすると「機械に仕事を奪われる」「自分たちの判断が信用されていない」と、現場に受け取られかねません。そうなると、せっかく入れても使われずに終わってしまいます。なぜ導入するのか、AIに任せる部分と人が担う部分はどこか。これらをていねいに説明し、現場の声を聞きながら進めることが、結局は定着への近道になります。AI採用の成否を分けるのは、技術そのものよりも、こうした人への配慮なのかもしれません。



おわりに


AI採用は、採用難のこの時代において、中小企業に大きな可能性をもたらします。事務の負担を軽くし、対応を速め、評価をそろえ、応募者の質を高める。これらはどれも、人手の限られた中小企業が、のどから手が出るほど欲しい効果でしょう。

ただし、便利だからこそ、法律、公平性、そして運用の設計を、おろそかにしてはいけません。「AIで採る」のではなく、「AIを使って、よりよい採用をする」。この姿勢で取り組むことが、これからの時代の採用を成功させる鍵になります。次のページのチェックリストを、自社の状況を確かめるための手がかりとして、ぜひお役立てください。

採用とは、本来、人と人とが出会い、これから一緒に働いていく仲間を見つける営みです。AIは、その出会いをより多く、より公正に、より速く生み出すための助けにはなりますが、出会いそのものの価値を決めるのは、やはり人です。技術の力を上手に借りながらも、最後は自分たちの目で確かめ、自分たちの言葉で迎え入れる。その軸さえぶれなければ、AIは中小企業の採用にとって、たいへん頼もしい味方になってくれるはずです。



<AI採用 導入前チェックリスト>


「法務」「人事」「現場」の三つの視点で、自社の準備状況を確認してみてください。チェックが多いほど、安心して導入を進められます。


1.法務の視点

□ AIを使う目的を明確にしている。

□ どの採用工程で使うかを限定している。

□ 応募者情報の取得項目を必要最小限にしている。

□ 応募者情報をAIに入れる場合のルールを定めている。

□ 個人情報保護方針や採用案内にAI利用の記載がある。

□ AIの判断を最終決定にせず、人が確認する体制になっている。

□ 性別、年齢、国籍、学歴などの偏りを生みにくい設計になっている。

□ 合否理由を説明できるよう、判断記録を残している。

□ 委託先や外部サービスの契約条件を確認している。

□ データ保存期間と削除ルールを決めている。

□ 就業規則、採用規程、内定通知書、雇用契約書との整合性を確認している。

□ 選考で取得してはいけない情報に触れない運用にしている。


2.人事の視点

□ AI導入で解決したい課題を一つに絞っている。

□ 目的が「効率化」「選考品質向上」「応募者対応改善」のどれか整理されている。

□ 対象職種や対象拠点を限定して始めている。

□ 面接日程調整、一次スクリーニング、質問案作成などの用途を決めている。

□ 評価基準を言語化している。

□ 面接官ごとのばらつきを減らすための評価票がある。

□ AIの出力をそのまま使わず、確認・修正する人を決めている。

□ 応募者への案内文に不自然な表現や誤解を招く内容がない。

□ 現場任せにせず、人事が運用責任を持つ体制になっている。

□ 導入前後で比較する指標を決めている(応募対応時間、面接設定までの日数、辞退率、担当者工数など)。

□ トラブル発生時のエスカレーション先が決まっている。


3.現場の視点

□ 現場が「何のために使うのか」を理解している。

□ AIは補助であり、合否判断の最終責任は人が持つと共有されている。

□ 面接官が使う評価項目が統一されている。

□ 現場の面接官がAIの結果をどう読むか説明を受けている。

□ AIの提案に引っ張られすぎないよう注意点を共有している。

□ 候補者に対して同じ質問・同じ基準で対応する仕組みがある。

□ 応募者からの質問や違和感に答えられるようになっている。

□ 現場が勝手に追加の情報収集をしないルールがある。

□ 面接の現場フローにAI活用が無理なく組み込まれている。

□ 導入後に「使いにくい点」を吸い上げる場がある。

□ 現場の負担が増えていないか定期的に確認している。

□ 例外対応が必要な応募者への手順が決まっている。



<導入前の確認順>


次の順番で進めると、無理なく整えられます。

1. 法務で、使ってよい範囲を決める。

2. 人事で、運用ルールと評価基準を決める。

3. 現場で、実際の流れに落とし込む。

4. 小規模で試す。

5. 記録を残して見直す。


 

プロフィール

一般社団法人パーソナル雇用普及協会
代表理事 萩原 京二

1963年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒。株式会社東芝(1986年4月~1995年9月)、ソニー生命保険株式会社(1995年10月~1999年5月)への勤務を経て、1998年社労士として開業。顧問先を1件も持たず、職員を雇わずに、たった1人で年商1億円を稼ぐカリスマ社労士になる。そのノウハウを体系化して「社労士事務所の経営コンサルタント」へと転身。現在では、200事務所を擁する会員制度(コミュニティー)を運営し、会員事務所を介して約4000社の中小企業の経営支援を行っている。2023年7月、一般社団法人パーソナル雇用普及協会を設立し、代表理事に就任。「ニッポンの働き方を変える」を合言葉に、個人のライフスタイルに合わせて自由な働き方ができる「パーソナル雇用制度」の普及活動に取り組んでいる。


Webサイト:一般社団法人パーソナル雇用普及協会

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