第124回
令和8年改正を機に知る「社長の年金」の真実 ――「よくわからない」を「納得」に変え、人生のハンドルを握り直すために
一般社団法人パーソナル雇用普及協会 萩原 京二
【はじめに】「本当は知りたい、けれど誰にも聞けなかった」社長の年金
中小企業の経営者にとって、年金は非常に「もどかしい」存在です。長年、高額な保険料を会社と個人の両方で払い続けてきた自負はあるものの、いざ自分が受給世代に近づくと、「社長は給料が高いからどうせもらえないだろう」と、最初から諦めてしまっている方が少なくありません。
「定年がない自分は、年金とは無縁の存在なんだろう」「難しそうだから、もう少し先で考えよう」——そんなふうに後回しにし続けた結果、気づけば取り返しのつかない損失が積み上がっていた、という経営者が全国に数多くいらっしゃいます。
実際、経営者の方々と接していると、「何となく気になるけれど、仕組みが複雑すぎてよくわからない」「本当は自分の年金がどうなっているのか知りたいけれど、身近に本音で相談できる人がいない」という声を本当によく耳にします。
顧問税理士は「会社の節税や役員報酬の額」についてはアドバイスをくれますが、年金の受給ルールまでは専門外です。「それは社労士さんに聞いてください」と言われてしまうことも珍しくありません。一方、顧問社労士は「従業員の入退社手続きや労務管理」のプロですが、社長個人の引退時期や資産背景を含めたライフプランにまで踏み込むことは稀です。
「それは税理士さんや、ファイナンシャルプランナーの領域で……」となりがちなのです。
結果として、社長の年金は、誰にも相談できないまま放置される「専門家の空白地帯」となってしまっています。そして、その空白の代償は、何もしないまま過ぎた月日ごとに静かに膨らんでいきます。
しかし、令和8年(2026年)4月から、この状況を動かす大きな制度改正が行われます。本コラムでは、この改正をきっかけに、これまでモヤモヤしていた年金の正体を解き明かし、これからの人生をより豊かにするための「正しい知識」を、できるだけわかりやすくお伝えします。難しい専門用語は最小限にとどめ、「自分のこと」として読んでいただけるよう心がけました。最後までお付き合いください。
1.令和8年4月、なぜ「全額停止」だった年金が動き出すのか?
令和8年4月、経営者にとって見過ごせない制度改正が行われます。在職老齢年金の支給停止基準額が、現在の51万円から65万円へと引き上げられるのです。
まず「在職老齢年金」という言葉を整理しておきましょう。これは、現役で働きながら年金を受け取る場合、「報酬(役員報酬など)+年金」の合計額が一定基準を超えると、超えた分に応じて年金がカットされる仕組みです。現在、その基準は月額51万円。これを超える部分の年金は半分ずつ削られていき、報酬が十分に高ければ老齢厚生年金が全額止まってしまいます。
この51万円という水準は、高い役員報酬を受け取る多くの経営者にとって、現実的には「年金は全額停止」と同義でした。そのため、「どうせもらえない」という諦めが経営者の間に広く根付いていたのです。
<なぜ今、国は基準を上げるのか?(経営者のための改正ではない)>
経営者の皆様の中には、「国がベテラン経営者の活躍を期待して、ルールを緩めてくれたのか?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、現実は少し違います。
この改正の本当の狙いは、「一般のサラリーマン(労働者)」の働く意欲を削がないことにあります。かねてより、働いて一定以上の給与を得ると年金がカットされる仕組みは、「年金が減るくらいなら、働く時間を抑えよう」という労働者の意欲低下を招いていると批判されてきました。深刻な人手不足の中、国は何としても「働く高齢者」を増やしたい。そのため、多くのサラリーマンが支給停止の対象から外れるよう、基準額を65万円まで引き上げたのです。
実際のところ、これまでも65歳を過ぎて「月給+年金」が51万円を超えるサラリーマンは一部でした。ですから、今回の改正でほとんどの一般労働者は年金カットの悩みから解放されることになります。
<経営者は「たまたま」対象に含まれただけ>
一方で、経営者は違います。役員報酬と年金を合わせれば、改正後の65万円という新基準さえ容易に超えてしまう方が数多くいらっしゃいます。
つまり、今回の改正は「経営者のために行われた優遇」ではなく、労働者向けの施策の結果、経営者の皆様にも「たまたま」年金受給の余地が少しだけ生まれた、という状態なのです。この本質を理解しておかないと、改正を過大評価して誤った期待を持ったり、逆に「自分には関係ない」と過小評価して行動を先送りしたりしてしまいます。
<「一部支給」が始まるインパクト>
意図されたターゲットではないにせよ、結果として、これまで1円も出なかった老齢厚生年金の一部が、経営者の手元にも届き始めるケースが出てきます。
たとえば現在、月額の役員報酬が65万円、老齢厚生年金が月13万円という経営者のケースを考えてみましょう。現行の基準(51万円)では「60万円+13万円=78万円」となり、基準超過分(27万円)の半額(13.5万円)がカットされて、年金は全額停止となります。ところが改正後の基準(65万円)では、超過分が13万円に縮小されるため、6.5万円分だけ支給停止となり、残りの6.5万円は受け取れるようになります。月6.5万円の差は年間78万円。これが数年続けば、積み上がる金額は決して無視できません。
「なぜ急にもらえるの?」という問いへの答えは、国の労働政策の余波が、ようやく経営者の皆様の元まで届いた、というのが実態に近いでしょう。
2.社長の年金は、なぜこれほどまでに「特別」で「複雑」なのか
経営者の皆様が「年金はわかりにくい」と感じるのは、当然のことです。なぜなら、日本の年金制度において、社長は「例外中の例外」として扱われているからです。
<従業員とは「前提条件」が全く違う>
一般的な従業員であれば、60歳や65歳で定年を迎え、給与が大幅に下がるか、あるいは退職して年金生活に入ります。日本の年金制度は、基本的にこの「定年退職→収入減少→年金受給」という流れを前提として設計されています。
しかし、オーナー経営者には定年がありません。65歳を過ぎても現役で働き、高額な役員報酬を受け取り続ける社長の存在は、国の平均的なシステム設計からは大きく外れた存在なのです。制度の「想定外」に当てはまる人が、制度を理解しようとするのですから、わかりにくくて当然といえます。
また、中小企業のオーナー経営者は、一般のサラリーマンと違って、自分の報酬額をある程度自分で決定できます。この「自由度の高さ」が、年金受給額に直結する重要な変数となります。年金と報酬の組み合わせをどう設計するかという問いは、経営者特有の課題です。
<60歳から65歳の「特別支給の老齢厚生年金」という落とし穴>
昭和36年4月2日以降生まれの男性・昭和41年4月2日以降生まれの女性は対象外となりますが、それ以前の世代の経営者にとっては、「特別支給の老齢厚生年金」という制度が関わってきます。
これは65歳より前に受け取れる「前払い的な年金」ですが、経営者の場合、報酬が高ければこの時期から既に支給停止が発動します。「60歳を過ぎたのだからもらえるはず」と思って手続きしたら、実際はほとんどカットされていた、というケースも少なくありません。
<70歳を過ぎても続く「見えない足かせ」>
特に見落とされがちなのが、70歳以降のルールです。70歳を過ぎると厚生年金保険料を払わなくて済むようになります。「保険料を払わなくてよくなった」という解放感を覚える方も多いのですが、実は年金をカットする仕組み(在職老齢年金)だけは、報酬が高い限り一生続きます。
「保険料を払っていないのになぜ削られるのか?」という不条理を感じるかもしれませんが、これが社長を待ち受ける「70歳以降の特殊ルール」の現実です。払い終えた後も、働き続ける限りカットは続く。この事実を知らずにいる経営者がいかに多いか——現場で相談を受けるたびに、その認知の低さに驚かされます。
<専門家が教えてくれない理由>
先述の通り、社長の年金問題は、法人の会計ルール(役員報酬)と個人の社会保障ルール(年金)が複雑に絡み合っています。税理士と社労士、両方の知識を横断して理解しなければ最適な答えが出せないため、結局「誰も責任を持ってアドバイスしてくれない」という状況が生まれてしまうのです。さらに言えば、将来の退職金設計や相続対策までを視野に入れれば、ファイナンシャルプランナーの知見も必要になります。一人の専門家に相談するだけでは、どうしても答えが不完全になる——それが、社長の年金問題の構造的な難しさです。
3.知らないと損をする「支給停止」と「繰下げ」の落とし穴
「年金のことは、もう少し後で考えればいい」——そう思っている間に、取り返しのつかない損失が発生している可能性があります。
<没収された年金は、二度と戻らない>
一番知っておいていただきたいのは、報酬との調整で「支給停止」にされた年金は、将来まとめてもらえるわけではなく、永遠に消滅するという事実です。これは「預金」ではなく、国による「没収」に近いものです。
貯蓄であれば、今使わなければ後で使える。しかし年金の支給停止は違います。カットされた月の年金は、その時点で消えてなくなります。「いつか受け取れるだろう」という幻想を持ち続けることが、最も危険な思い込みです。
<「繰下げ」という選択が、逆に損を招くケース>
最近では「受取時期を遅らせれば(繰下げれば)、年金額が月0.7%ずつ増える」という話がよく知られるようになりました。70歳まで繰り下げれば42%増、75歳まで繰り下げれば84%増——数字だけ見れば、非常に魅力的です。
しかし、ここに経営者特有の恐ろしい落とし穴があります。
在職老齢年金によって「支給停止」の対象となっている期間中に、いくら受取時期を遅らせる「繰下げ」を選択しても、その停止されている部分については増額効果が1円も発生しません。
具体的に説明します。月額15万円の老齢厚生年金が在職老齢年金によって全額停止されているとします。「どうせもらえないなら、繰り下げて将来増やそう」と考えて、65歳から70歳まで5年間繰り下げた場合、増額されるのは「実際に受け取れる金額」に対してのみです。全額停止中の期間は、繰下げの計算式からそのままゼロとして扱われます。
具体的には、月額15万円の年金を5年間繰り下げをした場合には、42%増(0.7%×60か月)の21.3万円になります。しかし、全額支給停止をされていた場合には、15万円のままなのです。月額6.3万円(年額75.6万円)の差が70歳から10年以上続くとしたら、総額で1000万円近くの「損失」になってしまいます。
「将来増えるから今は我慢しよう」と思って繰り下げたのに、実は1円も増えていなかった……。そんな悲劇が、正しい知識を持たない経営者の間で実際に起きているのです。
<「報酬を下げれば解決」とも言い切れない>
では、「報酬を下げて年金をもらえるようにすれば万事解決か」というと、それも単純ではありません。役員報酬を引き下げると、毎月の手取り収入は当然減ります。また、将来の役員退職金の算定基準になる「最終報酬月額」が下がってしまうため、退職金の総額に大きく響くことがあります。さらに、自社株の評価方法によっては、役員報酬の変動が株価評価に影響を与えることもあります。
「年金を少しもらうために報酬を下げたら、退職金が数百万円減った」という本末転倒のケースも、実際には起きています。最適解は一人ひとりの状況によって異なるのです。
4.これからの60代経営者に持っておいてほしい「正しい知識」
これから受給世代に入る60代前半の経営者の方々に、これだけは押さえておいてほしいポイントがあります。
<年金の「3階建て」を自分のケースで整理する>
社長の年金は、大きく分けて「カットされる部分」と「カットされない部分」があります。
老齢基礎年金(1階部分) は、報酬がいくら高くても、原則として全額受け取れます。国民全員に共通する基礎的な年金であり、在職老齢年金の調整対象にはなりません。
経過的加算(差額部分) は、厚生年金に長期加入した方の一部に発生する加算部分で、これも基本的にはカットされません。
老齢厚生年金(報酬比例部分) が、報酬が高いとカットされる対象です。現役時代に支払った保険料の額や加入期間に応じて計算されるこの部分こそが、在職老齢年金の影響を最も大きく受けます。
まずは、自分の年金のどの部分が「在職老齢年金」の影響を受けるのか、色分けして理解することが重要です。「年金が止まっている」と一口に言っても、1階部分はきちんと動いています。全体像を把握することで、漠然とした不安が具体的な数字に置き換わります。
<「三種の神器」で自分の現在地を知る>
毎年誕生月に届く『ねんきん定期便』を確認している方は多いでしょう。しかし、ご自宅に届くねんきん定期便だけでは、正確な判断はできません。そこには厚生年金基金の代行部分など、受給額の計算に欠かせない重要な詳細が載っていないことがあるからです。
正確な現在地を知るためには、年金事務所から取り寄せることができる「被保険者記録回答票」などの詳細データが必要です。これは自ら請求すれば受け取れる書類ですが、その存在自体を知らない経営者がほとんどです。このデータがなければ、プロであっても精緻なシミュレーションは不可能です。「自分の年金を正確に知るための第一歩」として、まず年金事務所に問い合わせることを強くお勧めします。
<自分にとっての「最適」は自分で決める>
「年金を1円もカットされたくないから、給料を下げる」ということが、常に正解とは限りません。報酬を下げれば、将来の役員退職金の計算に響いたり、自社の株価評価に影響したりすることもあります。
逆に「どうせカットされるなら気にしない」と放置するのも、令和8年改正後の世界では機会損失になりうる場合があります。
大切なのは、メリットとデメリットを天秤にかけ、「自分の会社の状況」「引退時期の見通し」「家族の生活設計」を踏まえたうえで、自分にとって最も納得感のある選択肢を選ぶことです。誰かに言われたからではなく、正しい情報をもとに自分で決断する——その判断力こそが、経営者としての最後の腕の見せ所かもしれません。
5.【重要】実務の壁「デッドライン」を意識する
「改正で少しもらえるなら、そのうち考えよう」——その油断が、経営者にとっては致命的な損失を招きます。なぜなら、社長の年金受給には、従業員にはない「厳しい時間制限(デッドライン)」が存在するからです。
<「4ヶ月ルール」というタイムラグの現実>
もし報酬設定を見直し、改正の恩恵を最大限に受けようと決断したとしても、今日の手続きが明日の入金に繋がることはありません。社会保険の手続きが年金機構のシステムに反映され、実際に振込が始まるまでには、実務上約4ヶ月のタイムラグが発生します。
これは、役員報酬を変更した場合の社会保険の「月額変更届(随時改定)」の反映期間に由来するものです。たとえば、3月に役員報酬を変更したとしても、年金への影響が現れるのは7月以降——令和8年4月の改正を狙って動くなら、逆算して準備を始めることが不可欠です。
<決算期が「運命の分かれ道」>
さらに社長を苦しめるのが、役員報酬の変更タイミングです。役員報酬は原則として決算後の株主総会(通常年1回)でしか変えられません。これは税務上のルールであり、恣意的な変更による節税を防ぐために設けられています。
「自分の誕生月」と「会社の決算月」がいつなのか。この組み合わせによって、「いつまでに決断し、いつまでに株主総会を終えなければならないか」という最終デッドラインが冷徹に決まります。
たとえば、12月決算の会社を経営していて、来年65歳を迎える経営者であれば、今年の年末の株主総会での決定が最初の機会になります。仮にその機会を逃せば、次の株主総会まで1年間、役員報酬の変更はできません。
このデッドラインを1日でも過ぎてしまえば、次のチャンスは丸1年後。その1年間に受け取れたはずの数百万円の年金は、手続きが遅れたという理由だけで、再び「没収」されることが確定します。改正という追い風が吹いていても、デッドラインを意識しない経営者は、その風を掴むことさえできないのです。
<「令和8年4月」への逆算スケジュール>
実際に令和8年4月の改正効果を受けるために必要な手続きを逆算すると、多くの場合、遅くとも令和7年秋から冬にかけての行動が求められます。決算月が3月、6月、9月、12月のいずれであっても、「改正施行日から逆算した株主総会のタイミング」「報酬変更後の社会保険手続きの反映期間」の両方を考慮しなければなりません。
「来年になったら考えよう」では間に合わないケースも十分にありえます。今この瞬間に「自分の決算月はいつか」を意識し始めることが、第一歩です。
6.納得して「自分の人生」を選択するために
年金制度は、確かに複雑で面倒なものです。しかし、それを「わからない」と放置しておく代償は、決して小さくありません。
<「知らない」は損をする>
長年、経営者として事業を運営してきた方々は、「知らないことは経営上の最大のリスクだ」ということを誰より深く理解しているはずです。市場の変化、法改正、競合の動向——情報を早く掴んだ者が、次の一手を打てる。それが経営の鉄則です。
ところが、不思議なことに、自分自身の年金に関しては「わからないから放置」という経営者が後を絶ちません。会社のことには全力を注ぐのに、自分のことは後回し——その習慣が、引退後の生活設計に大きな穴を開けてしまうことがあります。
年金を知ることは、単に「お金を取り戻す」話ではありません。これまでの経営者人生を振り返り、これからの人生をどう生きるかを設計し直す作業です。引退するのか、事業承継を進めるのか、形を変えて働き続けるのか——そのすべての選択肢の土台に、「自分の年金がどうなっているか」という正確な情報があるかどうかが、大きく影響します。
<私たちが提供したいもの>
私たちが提供したいのは、「こうすれば得をします」という単なる節税スキームではありません。社長がこれまで歩んできた経営者としての足跡を年金という形で正しく評価し、その情報を鏡として、これからの人生をどう生きたいかを「納得して選んでいただく」ための材料です。
報酬を下げて年金を受け取ることが「最適」である人もいれば、退職金設計を優先して報酬を維持することが「最適」である人もいます。どちらが正解かは、会社の規模、引退の時期、家族構成、資産状況、健康状態——これらすべての要素を組み合わせなければ、答えは出ません。だからこそ、「自分の現在地を正確に知る」ことが、すべての出発点になるのです。
<令和8年の改正は、動くきっかけ>
令和8年の改正は、そのための絶好のきっかけになります。今まで「どうせもらえない」と諦めていた年金が、わずかでも動き出すかもしれないという変化は、「では一度、自分の年金を正確に調べてみよう」という行動の後押しになるはずです。
まずは、一人で悩まず、自分の「正確な年金データ」を手に取ってみることから始めてみませんか。年金事務所に問い合わせて「被保険者記録回答票」を取り寄せること。ねんきんネットで自分の加入履歴を確認すること。その小さな一歩が、長年の「何となくの不安」を、具体的な「次の行動」へと変えてくれます。
自分の現在地を知ることができれば、これまで感じていた「何となくの不安」は、具体的な「次の一歩」へと変わるはずです。経営者として、事業の最前線を走り続けてきた皆様にこそ、自分自身の人生設計においても、正確な情報を手に、自信を持って判断していただきたい——そう、心から願っています。
【まとめ:今すぐできる3つのアクション】
令和8年の改正を、単なるニュースとして流さないために。今日からできることを、3つだけ挙げます。
まず「自分の決算月と誕生月の組み合わせを確認する」こと。デッドラインがいつなのかを把握することが、すべての前提です。次に「年金事務所またはねんきんネットで、自分の年金記録を取り寄せる」こと。正確なデータなしに、正確な判断はできません。そして「税理士・社労士の両方の視点を持つ専門家に、一度相談する」こと。年金だけを切り取るのではなく、退職金設計や事業承継も含めた全体像で考えることが、最善の答えを導きます。
令和8年4月まで、時間はそれほど多くありません。今がまさに、行動すべきときです。
プロフィール

一般社団法人パーソナル雇用普及協会
代表理事 萩原 京二
1963年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒。株式会社東芝(1986年4月~1995年9月)、ソニー生命保険株式会社(1995年10月~1999年5月)への勤務を経て、1998年社労士として開業。顧問先を1件も持たず、職員を雇わずに、たった1人で年商1億円を稼ぐカリスマ社労士になる。そのノウハウを体系化して「社労士事務所の経営コンサルタント」へと転身。現在では、200事務所を擁する会員制度(コミュニティー)を運営し、会員事務所を介して約4000社の中小企業の経営支援を行っている。2023年7月、一般社団法人パーソナル雇用普及協会を設立し、代表理事に就任。「ニッポンの働き方を変える」を合言葉に、個人のライフスタイルに合わせて自由な働き方ができる「パーソナル雇用制度」の普及活動に取り組んでいる。
Webサイト:一般社団法人パーソナル雇用普及協会
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- 第25回 「年収の壁」支援強化パッケージって何?
- 第24回 4月からの法改正によって労務管理はどう変わる?
- 第23回 4月からの法改正によって募集・採用はどう変わる?
- 第22回 人材の確保・定着に活用できる助成金その7
- 第21回 人材の確保・定着に活用できる助成金その6
- 第20回 人材の確保・定着に活用できる助成金その5
- 第19回 人材の確保・定着に活用できる助成金その4
- 第18回 人材の確保・定着に活用できる助成金その3
- 第17回 人材の確保・定着に活用できる助成金その2
- 第16回 人材の確保・定着に活用できる助成金その1
- 第15回 リモートワークと採用戦略の進化
- 第14回 「社員」の概念再考 - 人材シェアの新時代
- 第13回 企業と労働市場の変化の中で
- 第12回 その他大勢の「抽象企業」から脱却する方法
- 第11回 Z世代から選ばれる会社だけが生き残る
- 第10回 9割の中小企業が知らない「すごいハローワーク採用」のやり方(後編)
- 第9回 9割の中小企業が知らない「すごいハローワーク採用」のやり方(前編)
- 第8回 中小企業のための「集めない採用」~ まだ穴のあいたバケツに水を入れ続けますか?
- 第7回 そもそも「正社員」って何ですか? - 新たな雇用形態を模索する時代へ
- 第6回 成功事例から学ぶ!パーソナル雇用制度を導入した企業の変革と成果
- 第5回 大手企業でも「パーソナル雇用制度」導入の流れ?
- 第4回 中小企業の採用は「働きやすさ」で勝負する時代
- 第3回 プロ野球選手の年俸更改を参考にしたパーソナル雇用制度
- 第2回 パーソナル雇用制度とは? 未来を切り開く働き方の提案
- 第1回 「労働供給制約社会」がやってくる!