必ず「測定」 適切な時間配分実現
プロフェッショナルの自己管理術に迫る、この連載。今回はIT企業、レッドハットの北澤大輔さんに話を伺いました。
--自己管理といえば
「まずは『測定』。測定しないと管理が始まらない。だから自己管理のスタートポイントは必ず『測定』と考えています」
--意識したのは
「20代のころは、自己管理を意識することはありませんでした。目の前にあることをキチッと一生懸命やっていく。それだけで結果はついてきた。でも30歳になったとき、このままではいけないと考えました。今後の人生、体力は徐々に落ちて行く。また家族を持つと、仕事にだけ時間を使うわけにもいかなくなる。だからこれからは、何事も先を見据えて、時間をうまく使わなければ、と考えたのです」
「そんなときふと、以前に読んだドラッカーの『測定できないものは管理できない』という言葉を思いだしました。以来、『測定から始まる自己管理』をずっと心掛けています」
--具体的にどんな取り組みを
「仕事の時間を表計算ソフトに5分単位で記録し、分析しています。仕事上では、会社全体の営業計画の策定や、四半期ごとの営業目標達成のための日々の状況分析、業務改善のための社内コンサルティング、受注処理チームのマネジメントといった複数の役割を持っています。時間記録の目的は、これらの各役割への適切な時間配分の実現です」
「『今週は計画策定に重点的に時間配分しよう』とか、『チームマネジメントの時間は20%程度に抑えよう』などと考えながら毎週集計結果を分析し、次週の活動に反映しています」
--個人的には
「プライベートの時間も、全く別枠ですが、同様に記録しています。こちらは、iPhone(アイフォーン)アプリ『MyStats』を利用。15分単位で大ざっぱに、勉強などの『自己投資』と、『家族との時間』『無駄な時間』などの分類で比率を確認しています」
「ちなみに、無駄をなくそうとは考えません。お酒を飲んだり、趣味の料理をする時間は、『必要な無駄』ととらえています。心も体も程よく休まないといけないですね」(次回につづく)
【プロフィル】北澤大輔 きたざわ・だいすけ IT企業「レッドハット」の事業企画部長。日本IBMでのコンサルタント経験を活かし、30代前半から事業と経営の管理全般を担う。