プロフェッショナル の自己管理術

第34回

野球選手コンデショニングのパイオニア 立花龍司さん(下)

駒井 研司 2013年4月22日
 
■「なりたい自分」へ 思いを強く意識

 千葉ロッテのコーチとして活躍し、ボビー・バレンタイン監督の誘いを受けてニューヨーク・メッツに入団、日本人初のメジャーリーグコーチとなった立花龍司さん。前回、強い思いがあれば、なりたい自分になるための取り組みは「努力」や「苦労」とは感じず、特別に「自己管理」と意識することもないという話を聞いた。

 --なりたい自分への思いを強めるには

 「思いを強くする機会をつくることです。千葉県習志野市で運営している少年野球チームでは、中学1年の新入生を早慶戦など六大学野球に連れて行きます。また、戦時中の早慶戦を描いた映画を見せ、神宮球場や日本のプロ野球が六大学野球から生まれてきた歴史を聞かせます。すると子供たちは感動して、六大学で野球をしたいと思い、だから勉強しようと考える。文武両道を心がけ、最近塾を併設しました。子供たちはグラウンドに来るとまず勉強し、それから練習する。六大学に入るかどうかは重要ではなく、なりたい自分をより明確にし、自ら進んで取り組むよう促すことが重要です。このチームを作って約10年。塾では、立派に大学生になった先輩たちが勉強を教えてくれています」

 --主体性や目的意識が大切

 「そうですね。プロも同じです。いまだに『股関節のトレーニングをするぞ。メニューはこれ、次はこれ』と方法論のみが語られ、選手がトレーニングを“させられ”ている。でも、トレーニングの効果を説明し、それがプレーをどう向上させるかを知れば、選手は進んでトレーニングをしたいと思い、効果も大きくなります」

 --自己管理のアドバイスは

 「成功している自分を想像すること。以前、東邦ガスでコーチを勤めました。都市対抗野球の全国大会に出場できず『今年こそ全国へ行きたい』という依頼でした。そのとき選手たちに、毎日寝る前に予選の決勝で活躍している自分を想像するようにしてもらいました。こうしたイメージは『そうなりたい』という思いをいっそう強め、人を動かします。61年ぶりの全国大会出場は、イメージトレーニングだけで成し遂げたのではありませんが、大きな効果があったと考えています」


【プロフィル】立花龍司

 たちばな・りゅうじ コンディショニングコーチ。筑波大学大学院でスポーツ医学修士課程修了。近鉄、ロッテ、ニューヨーク・メッツ、楽天などの球団でコーチを歴任。

2013年4月22日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


HP:株式会社ネオレックス

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