無駄な情報どんどん捨て健康な頭
21歳で終戦を迎え、27歳で小売業の世界に入り、家業であった呉服店を洋品チェーンに発展させ、46歳で「ユニー」を創業、売上高1兆円を超える巨大小売業グループに育て上げた西川俊男さん。88歳になったいまなお「東海経営者フォーラム」を主催するなど精力的な活動を続ける。40代の頃を振り返りながら、自己管理について伺いました。
--自己管理とは
「『自分との戦い』です。そして戦うためには健康でなければならない。では健康とは何か? それは、体、頭、心が全て健康な状況にあることです。この3つの健康について話したいと思います」
--まず体の健康について
「何はともあれ、まずは体が健康でなければ話にならない。そのために必要なのは運動と栄養。私の場合は、若い頃からずっと続けてきた登山があった。また、経営者になってからも日々店頭に立ち、自転車で店舗を回り続けてきた。そして肉と脂っこいものが大好き。医者には止められますが、今でも肉、天ぷら、カツ、うなぎが好物で、足腰も丈夫なまま。運動と栄養のおかげで若い頃も、そして今日までもずっと、健康な体で過ごせています」
--頭の健康とは
「頭は『倉庫』ではだめ。『工場』でなければならない。知識をためておく場所ではなく、得られた知識で何かを生み出す場所にする。それが健康な頭。そしてそのためには、情報をどんどん捨てること。世の中には膨大な情報があります。どんどん受け入れていく一方で、無駄な情報を見極め、どんどん捨てていく。そうすることによって始めて、頭が工場として働くようになります」
--他に気をつけることは
「時には頭をからっぽにすることも大切。そのために必要なのは趣味です。私は油絵を描く。ユニーを創業した頃など、本当に忙しかった時代もずっと、絵を描き続けてきました。深夜に熱中して描く。その時頭はからっぽになる。趣味とは、頭をからっぽにするほど没頭できるもののこと。これも、頭を健康に保つための大切な要素です」(次回につづく)
【プロフィル】西川俊男 にしかわ・としお アピタ、サークルKサンクスを含むユニーグループの創業者。日本チェーンストア協会会長、名古屋商工会議所副会頭などを歴任。