プロフェッショナル の自己管理術

第40回

見えないものを見せるデザイナー 阿部岳さん(下)

駒井 研司 2013年6月3日
 

■自分なりの判断基準をみがく

 最近は、デザインで農業を支援する「とかちデザインファームプロジェクト」に力を注いでいる、阿部岳さん。高い商品力を持つ地域や農家にデザインの力を加えることによって、政府が進める、1次産業の生産者が商品の加工から販売までを行う「6次産業化」を支援している。前回、自己管理ではインプットとアウトプットのバランスに注意している、という話を聞いた。

 --日々行うことは

 「時間の『見える化』です。時間は、目で見ることができないので管理が難しい。そこで、毎朝その日のスケジュールを紙に描くことにしています。何かの裏紙を縦置きにして、真ん中にまっすぐ縦線を引く。そこに午前9時から午後6時までの目盛りをふり、何時から何時まで、何をするかを書き込む。太いペンでざっくりと描く、非常にシンプルなものです。しかしこれで、どこに、どの程度の時間をかけられるのか、予定と予定の間にどのくらいの隙間があるか、を感覚的に把握できます。クライアントやスタッフとの連携もあり、スケジュールはグーグルカレンダーで管理していますが、その日の予定は手描きにこだわっています。時々同じように、1カ月分や1年分を描いています」

 --ToDoの管理は

 「同じように朝、紙に書き出します。また、工程表やロードマップも手描きにします。単に個条書きにするだけでなく、必要な時間や重要度によって大小の丸を描いて並べていくイメージです。人間は、情報の8割を視覚から得ているという話もあります。ものごとを見えるようにすれば、簡単に、正確に理解できる。実はデザインも同じです。例えば食品のパッケージや陳列であれば、それがどんな味なのか見えるようにして伝える。実際に食べなくても味のイメージが分かるようにする。見えないものを見えるようにすること、がデザインの役割と考えています」

 --自己管理のアドバイスは

 「一度にあれこれ、いろいろやろうとしないこと。時間は限られていて、自分にとって本当に必要なものも限られます。良い/悪い、必要/不要について自分なりの判断基準をみがき、うまく取捨選択すると良いと思います」

 

【プロフィル】阿部岳

 あべ・がく グラフィックデザイナー、ガクデザイン代表。武蔵野美術短期大学から小島良平デザイン事務所を経て独立。2008、12年にグッドデザイン賞受賞。

2013年6月3日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


HP:株式会社ネオレックス

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