プロフェッショナル の自己管理術

第35回

日本を代表する経営の専門家 出井伸之さん(上)

駒井 研司 2013年4月29日
 
■24年単位の長期と短期3年を意識

 早稲田大学からソニーに入社し、ソニー・フランスの設立、オーディオ事業部長などを経て58歳で社長に就任。その後10年間トップとしてソニーを率いた出井伸之さん。ソニー最高経営責任者(CEO)退任後に創業したクオンタムリープ(東京都千代田区)で話を聞いた。

 --自己管理とは

 「まず、短期と長期がある。長期では、人生は24年単位の4つのフェーズに分かれると考えています。学校を出て就職する時期となる24歳までが人生の準備期間。48歳までは、企業など自分が属している組織に貢献する期間。72歳までは、リーダーとして社会に貢献する期間で、それ以降は好きなことをやる期間。今は4つ目のフェーズに入ったので、若い経営者に会ったり、ものづくりベンチャーを支援するなど、好きなことに取り組んでいます。なお、この24年間はさらに3年単位の8つの期間に分けられます。担当や部署など、3年くらいで変えていくと良い。人間は過去に引きずられるもの。また、同じことを長く続けていると、慣れていろいろと上手になり、ぬるま湯に浸かったような状態になってしまう。長期的な自己管理では、こうしたことを意識してきました」

 --短期的な取り組みは

 「時間管理です。ソニーの社長になったとき、何にどのくらいの時間を使うかというバランス管理を始めました。1カ月を俯瞰(ふかん)するスケジュール表に記載されている予定を分類ごとに色分けし、パターン認識するイメージ。社長としての最初の1年は、社内の把握やコミュニケーションといった『内向き』の仕事中心で、2年目以降だんだん『外向き』の時間を増やしていくようコントロールしました。その他にも、人材育成に20%の時間を割り当てるとか、『吐き出している時間』と『吸っている時間』のバランスにも留意していました」

 --プライベートの時間は

 「家族との時間を確保するようにしていました。それでも娘には、一緒に過ごす時間が少なかったといわれていますが。忙し過ぎて自分のやりたいことや必要なことをする時間がないという人がいますが、それは言い訳。自分の人生なのだから、必要な時間は、自分でつくっていくものだと考えています」(次回につづく)

【プロフィル】出井伸之

 いでい・のぶゆき クオンタムリープ代表取締役。ソニー元CEO。NPO法人アジア・イノベーターズ・イニシアティブを設立するなど、新産業創出のための活動を続けている。

2013年4月29日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。

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