プロフェッショナル の自己管理術

第45回

英語教育界のカリスマ 安河内哲也さん(上)

駒井 研司 2013年7月15日
 

■「精神的な反省」はしない

 

 20年以上にわたり英語を教えてきた安河内哲也さん。学生時代に始めた「講師」という仕事に魅せられ、英語の知識と技術、教育方法の研究を続けてきた。東進ハイスクールの授業の他、年間200回にも及ぶ講演や執筆、テレビ出演など、多忙な毎日を送っている。

 

 --自己管理とは

 

 「とても重要なのは健康管理。授業や講演などは代役のきかない仕事です。そして、私には毎日のように行っている講演の1回でも、聞く人にとっては一生に一度かもしれない。決しておろそかにはできません。だからスポーツ選手が試合に備えるように日々仕事に備えます。肉体的健康はもちろんですが、特にメンタルを意識します」

 

 --メンタルはどう管理を

 

 「不特定多数を対象とする仕事では、さまざまな意見にさらされます。激しい中傷や批判もある。当然ひどいことを言われれば落ち込みます。でも、万人を満足させることなんてできない。また『Noisy Minority』(ノイジーマイノリティー=声高に批判する少数派)に引っ張られて、満足している『Silent Majority』(サイレントマジョリティー=物言わぬ多数派)の満足度を落とさない注意が必要。だから一般向けの講演やテレビでは70%、授業では95%の人の満足を目標とします。無理にそれ以上を目指さない。アンケートなどで数字を確認し、目標を達成できていればよしとします。目標に届いていないときは、真摯(しんし)に批判の声に耳を傾けます」

 

 --失敗したときの対処は

 

 「なぜ失敗したかを考え、同じことを繰り返さないことはとても大切です。しかし単にくよくよするのは意味がない。だから『技術的な反省』はするけれど『精神的な反省』はしません。くよくよしてしまうときは全く別のことを考えます」

 

 --体の健康を守るには

 

 「細切れでも良いので睡眠をとる。新幹線や飛行機の中、講演前の控室など、執筆や授業の準備をする手の動きが遅くなってきたら、迷わず仮眠をとります。集中できない3時間より、しっかり集中できる30分。『時間対効果』を常に強く意識しています」(次回につづく)

 

 

【プロフィル】安河内哲也 やすこうち・てつや 東進ハイスクール講師。言語文化舎代表。受験生から社会人まで、幅広く英語を教えている。語学書・参考書を中心とした著作は150冊を超える。

2013年7月15日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。

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