イノベーションズアイ BtoBビジネスメディア

プロフェッショナル の自己管理術

第45回

英語教育界のカリスマ 安河内哲也さん(上)

株式会社ネオレックス  駒井 研司

 

■「精神的な反省」はしない

 

 20年以上にわたり英語を教えてきた安河内哲也さん。学生時代に始めた「講師」という仕事に魅せられ、英語の知識と技術、教育方法の研究を続けてきた。東進ハイスクールの授業の他、年間200回にも及ぶ講演や執筆、テレビ出演など、多忙な毎日を送っている。

 

 --自己管理とは

 

 「とても重要なのは健康管理。授業や講演などは代役のきかない仕事です。そして、私には毎日のように行っている講演の1回でも、聞く人にとっては一生に一度かもしれない。決しておろそかにはできません。だからスポーツ選手が試合に備えるように日々仕事に備えます。肉体的健康はもちろんですが、特にメンタルを意識します」

 

 --メンタルはどう管理を

 

 「不特定多数を対象とする仕事では、さまざまな意見にさらされます。激しい中傷や批判もある。当然ひどいことを言われれば落ち込みます。でも、万人を満足させることなんてできない。また『Noisy Minority』(ノイジーマイノリティー=声高に批判する少数派)に引っ張られて、満足している『Silent Majority』(サイレントマジョリティー=物言わぬ多数派)の満足度を落とさない注意が必要。だから一般向けの講演やテレビでは70%、授業では95%の人の満足を目標とします。無理にそれ以上を目指さない。アンケートなどで数字を確認し、目標を達成できていればよしとします。目標に届いていないときは、真摯(しんし)に批判の声に耳を傾けます」

 

 --失敗したときの対処は

 

 「なぜ失敗したかを考え、同じことを繰り返さないことはとても大切です。しかし単にくよくよするのは意味がない。だから『技術的な反省』はするけれど『精神的な反省』はしません。くよくよしてしまうときは全く別のことを考えます」

 

 --体の健康を守るには

 

 「細切れでも良いので睡眠をとる。新幹線や飛行機の中、講演前の控室など、執筆や授業の準備をする手の動きが遅くなってきたら、迷わず仮眠をとります。集中できない3時間より、しっかり集中できる30分。『時間対効果』を常に強く意識しています」(次回につづく)

 

 

【プロフィル】安河内哲也 やすこうち・てつや 東進ハイスクール講師。言語文化舎代表。受験生から社会人まで、幅広く英語を教えている。語学書・参考書を中心とした著作は150冊を超える。

2013年7月15日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


Webサイト:株式会社ネオレックス

プロフェッショナル の自己管理術

同じカテゴリのコラム

イノベーションズアイに掲載しませんか?

  • ビジネスパーソンが集まるSEO効果の高いメディアへの掲載
  • 商品・サービスが掲載できるbizDBでビジネスマッチング
  • 低価格で利用できるプレスリリース
  • 経済ジャーナリストによるインタビュー取材
  • 専門知識、ビジネス経験・考え方などのコラムを執筆

詳しくはこちら

お役立ちコンテンツ

  • 弁理士の著作権情報室

    弁理士の著作権情報室

    著作権など知的財産権の専門家である弁理士が、ビジネスや生活に役立つ、様々な著作権に関する情報をお伝えします。

  • 産学連携情報

    産学連携情報

    企業と大学の連携を推進する支援機関:一般社団法人産学連携推進協会が、産学連携に関する情報をお伝えします。

  • コンサルタント経営ノウハウ

    コンサルタント経営ノウハウ

    コーチ・コンサルタント起業して成功するノウハウのほか、テクニック、マインド、ナレッジなどを、3~5分間程度のTikTok動画でまとめています。

  • 補助金活用Q&A

    補助金活用Q&A

    ものづくり補助金、事業再構築補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金及び事業承継・引継ぎ補助金に関する内容を前提として回答しています。

  • M&Aに関するQ&A

    M&Aに関するQ&A

    M&Aを専門とする株式会社M&Aコンサルティング(イノベーションズアイ支援機関)が、M&Aについての基本的な内容をQ&A形式でお答えします。

おすすめコンテンツ

商品・サービスのビジネスデータベース

bizDB

あなたのビジネスを「円滑にする・強化する・飛躍させる」商品・サービスが見つかるコンテンツ

新聞社が教える

プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。