プロフェッショナル の自己管理術

第30回

自分らしさを貫く、行動的大学教授 野田一夫さん(下)

駒井 研司 2013年3月18日
 

■青春を謳歌した人が活躍する

 「寄らば大樹…」「和を以って貴し…」「雉(きじ)も鳴かずば…」といったことわざにのっとった処世術がいまだ幅を利かせる日本では、野田一夫さんのように徹底して“自分らしく”生き抜いた人は珍しい。だからこそ、今や名を成し“ベンチャー三銃士”と称せられる澤田秀雄・孫正義・南部靖之の3氏がかつてそうであったように、志を抱く無名の零細起業家たちが昔から続々野田さんの下に集まり、強い影響を受けたのだ。

--教育者としての哲学は

 「最近の著書『悔しかったら、歳を取れ!』(幻冬舎ビジネス新書)にも書いた。世の中で活躍している存在感ある人物はほぼ例外なく、青春を目一杯謳(おう)歌(か)していた。青春を犠牲にし、一流大学入学のみを目指して受験勉強に取り組んだ人間はつまらない。だから、青春を謳歌して勉強をサボり、偏差値の高い大学には入れないけど、非常に存在感のある若者にいい教育を与える場をつくりたかった」

--健康管理については

 「とくに何もしてこなかったが、若い頃から大病をしたことも無い。20代の頃から身長も体重もほとんど変わっていない。少食だが、大好物は焼肉。よく働きよく眠る。よく怒りよく笑う。結婚後半世紀を超えたワイフは、折に触れ僕のことを『こんな単純な人はいない』と言って人を笑わせている。その通りで、反論できない」

--自分らしく生きるコツは

 「何よりも、『誰々のように生きよう』とは決して考えず、その代わり、他人の前で堂々と言えるような『自分の生き様』をせりふとしていろいろ用意し、その通り生きようとすることだ。人生は正に芝居で、成功したとき、これほど痛快なことはない。僕の場合、会議などの席上で、納得できない発言には、これは芝居の一幕だと自らに言い聞かせ、必ず堂々と反論すると、相手はほぼ終生の敵になるが、その時に味方もでき、終生の友人となる。誰も味方ができなければ、自分が間違っていたと、反省すべきだ」

 「味方とは“価値観を共有できる友人・知人”のこと。僕がこれまでの人生でいろいろなことがやれたのはこうした味方としての各界の友人のおかげだ。敵なんか近づいてこないから、いないのと同じさ」

 --幸福な人生の条件は

 「個性を発揮できる仕事に励み、健康を保ち、安らかな家庭を持つ。これら3条件がそろえば、人生は完璧だ」

【プロフィル】野田一夫 のだ・かずお 経営学者。東大、立教大、MITなどを経て、多摩大など3大学の初代学長を歴任。現在、財団法人日本総合研究所会長。大学改革の推進者として知られる。


2013年3月18日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。

このコラムをもっと読む プロフェッショナル の自己管理術

同じカテゴリのコラム

キーワードからコラムを検索する