プロフェッショナル の自己管理術

第33回

野球選手コンデショニングのパイオニア 立花龍司さん(上)

駒井 研司 2013年4月8日
 
■「努力と苦労」より「好きで、夢中で」

 野茂英雄、吉井理人、伊良部秀輝の各選手をはじめ数えきれないほど、野球選手のコンディショニングに取り組んできた立花龍司さん。現在はジムも主宰している。2日にオープンした、東京都江戸川区のタチリュウコンディショニングジム瑞江店で話を聞いた。

--自己管理とは

 「『自己管理をしよう』と思ったことは一度もありません。小学生のとき、野球を始めました。楽しくて仕方がなくて夢中の毎日。中学のときには、全日本にも選ばれました。しかし高校1年で肩を壊し、プロ野球選手への夢が断たれてしまいました。理不尽で非科学的なトレーニングが原因でした。このとき『ケガで野球ができなくなる人を減らす指導者になる』と決めました」

--道筋はあったのか

 「全くありません。プロ野球で実績を持っているわけでもなく、そもそも当時は『コンディショニングコーチ』という言葉すら存在しない。そこでまずスポーツ医学を学び、病院が経営するトレーニング・ジムに就職しました。そして『入会費は持つから』などと言って地元関西の野球選手を勧誘して周り、ケガからの復帰など、実績をつくっていきました。給与は全てこの活動に。結果、2年間で600人以上の野球選手のコンディショニングを行いました。こうした活動が認められ、近鉄バファローズに入団することができました」

 「近鉄では、1軍から3軍まで全ての選手を見るため、毎日朝7時から深夜までグラウンドにいました。ケガ人の激減など、成果は着実に出ていきました。その後、千葉ロッテマリーンズに移り、さらに米大リーグのニューヨーク・メッツへ。メッツでも、毎朝誰よりも早く来てトレーニング場を掃除するところから始め、徐々に信頼を勝ち取り、成果を出せました」

--努力と苦労を重ねた

 「そうした意識は全くありません。なりたい自分があり、そうなるために何をしたら良いかを考え、実行する。人から見れば大変そうかもしれませんが、努力や苦労と思ったことは一度もありません。自己管理という言葉には『好きで、夢中で』というイメージが持てないので、嫌いです。でも、夢中で無意識に自己管理している人は、とても好きです」(次回につづく)

【プロフィル】立花龍司

 たちばな・りゅうじ コンディショニングコーチ。筑波大学大学院でスポーツ医学修士課程修了。近鉄、ロッテ、ニューヨーク・メッツ、楽天などの球団でコーチを歴任。

2013年4月8日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


HP:株式会社ネオレックス

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