プロフェッショナル の自己管理術

第28回

直感を磨くクリエーター  小山龍介さん(下)

駒井 研司 2013年3月4日
 

■能、即興劇でバイアスを取り除く

昨年は、世界的なロングセラーとなっているビジネス書「ビジネスモデル・ジェネレーション」を翻訳し、日本に紹介した小山龍介さん。

前回は、良い決断のためには正しい直感を得るためには思い込みや誤解などの「バイアス(偏り)」を取り除く必要があるという考えと、そのために鍛錬に取り組んでいるという話を聞いた。

―具体的な鍛錬方法は

 「今は『能』に取り組んでいます。鍛錬によってバイアスを排除できるという考えは、禅にヒントを得ています。慣れ親しんだものを初めて見るかのように見ること(初心)や禅問答などは、自分の中にあるバイアスを外していく取り組みです。だから禅に興味がありました。でも一方で、稽古を通して精神を研ぎすましていくものであれば何でも良く、武道、茶道、華道なども考えました。そしてたまたま縁があったので『能』でした。稽古を続けると、神経が隅々まで行き届くようになり、自分の中で眠っているものが呼び起こされるような感覚があります。そして少しずつ、直感の質を上げられると感じています」

―色々な鍛錬がある

 「即興劇にも取り組んでいます。仲間数人で集まり、即興で演じながら30分程度の物語をつくりあげていく。その中では、ありとあらゆるものが『想定外』です。あらかじめ何かを準備しておくのではなく、その場でおきる出来事に対して瞬間的に反応し、対応していく。そしてそのために、自分の中から自然と出てくるものを否定せず『これはなんだろう?』と取り上げていく。こうした取り組みが鍛錬となり、バイアスのかからない正しい直感につながります」

―現在の課題は

「直感にバイアスをかけないことです。常に意識し、鍛錬していますが、願望や恐怖などのバイアスがかかってしまうことがまだまだある。ただ、減らせている実感はあります」

―自己管理のアドバイスは

 「決断には、直感を信じることがとても重要。しかし、正しい直感を発揮させ、それを信じることは難しい。だから直感をうまく活かせないときには『良心』に従うと良いと思う。たとえ世の中の常識と違っても、自分の良心に従っていれば、正しい決断が出来ると思います」


【プロフィル】小山龍介  こやま・りゅうすけ ビジネス書作家・コンセプトクリエーター。京都大学卒業後、広告代理店などを経て独立。「TIME HACKS!」などのハックシリーズ著者としても知られる。


2013年3月4日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


HP:株式会社ネオレックス

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