プロフェッショナル の自己管理術

第37回

トップアスリートの指導者 喜熨斗勝史さん(上)

駒井 研司 2013年5月13日
 

■夢の実現に、やるべきことをやる

 幼い頃始めたサッカーから、人生の全てを学んだという喜熨斗勝史さん。高校教諭となった後、サッカーへの強い探究心から東大大学院に入学。教職を続けながら研究と現役選手、高校選抜チームの監督などを務めた。修士課程を修了した30歳のとき、発足したてのJリーグでコーチに就任。以来、活躍を続けている。

 --自己管理とは

 「『夢の実現のために、やるべきことをやる』ということです。まず目標を持つ。どんな自分になりたいか、どんな世界で生きたいか、家族とともにどう生きていきたいか。東大を修了したとき、教師を辞めてプロのコーチにという誘いを受けました。真剣に悩む中で、ずっとサッカーに関わっていたい、サミュエル・ウルマンの詩『青春』のように年を取っていきたい、という夢がはっきりしました。以来、一挙手一投足に至るまでプロコーチとして意識して生きていこうと考えています」

 --具体的な取り組みは

 「知識、体、心という3D(三次元)でとらえています。3つをバランス良く伸ばし、キューブ(立体)を大きくしていく。知識では今週は本を読んだか、ふとした疑問をないがしろにせず、ちゃんと調べ切っているか-などと時々振り返ります。また体については『サラダばかり食べている』と言われるほど野菜を食べます。もともと好きなんですが。体脂肪率は48歳になった今も11%台を維持していて、体重は体重計に乗らなくても100グラム単位で分かります。たまに献血をして、ついでに血液のデータをチェックします。心については向上心を維持すること。とにかく常に上に昇っていく。ただ、楽しむことも大切なので、たまには家族とゆっくり休みます」

 --コーチとしては

 「国を代表するトップアスリートを指導するのだから、コーチが太っていてはいけません。自分がケガをすればしっかりケアするし、常に勉強を続ける。そうして自分が高いレベルのスタンダードになる。とても難しいことですが、誰でもできることをしているのならプロではない。人にできないことをするからプロなんです。また『お父さんのようになりたい』と思われる父親でいるということも、大きなモチベーションであり、大切な仕事だと考えています」(次回につづく)

【プロフィル】喜熨斗勝史

 きのし・かつひと 名古屋グランパスフィジカルコーチ。東京大学大学院修士課程を修了後、ベルマーレ平塚のコーチに就任。横浜FCなどを経て、現職。日本サッカー協会公認S級コーチ。


2013年5月13日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。

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