「暗黙知へのいざない…~無形資産が有形資産を生む」

筆者:株式会社ベーシック  田原 祐子

岸田内閣が力を入れている、人的資本・知的資本。人が生み出す、知的資本は、日々の仕事のノウハウや、顧客や取引先との関係(社会関係資本)づくり、事業を軌道に乗せる暗黙知から、特許開発まで多岐にわたります。また、これらのように形のない資産を「無形資産」と言い、次なる「有形資産(事業、製品、サービス、人)」を生み出す、大切な企業の資源です。ノウハウを組織で見える化&蓄積すれば、ベテラン社員の離職による、ノウハウの流出も防ぐことができます。実務家・大学院教授・コンサルタントである田原祐子が解説します。

  • 第1回  出井様、あなたの暗黙知は、素晴らしかった。

    突然、元ソニーの出井伸之様の訃報が飛び込んできて、愕然とした。出井様とは、2年前、取締役のWinterSeminarで同じグループになり、日本をよくするためのテーマで、グループワークをした。「発表は任せるから、あなたがしなさい!」と言われて、素直に、ちょっと過激な発言をした。もちろん、【暗黙知】についてだ。実は、【暗黙知】は、今しきりに取り上げられている、人的資本・知的資本の源泉だが、ハイコンテクスト文化の日本では、それらが【形式知化】できていない。出井様は、腕組みをして、「いいね!」と言ってくださった。

    出井様、あなたの暗黙知は、素晴らしかった。

プロフィール

株式会社ベーシック
代表取締役 田原 祐子 (たはら ゆうこ)


社会構想大学院大学「実践知のプロフェッショナル」を養成する実務教育研究科教授、 日本ナレッジ・マネジメント学会理事


仕事ができる人材は、なぜ、仕事ができるかという“暗黙知=ナレッジ”を20年前から研究し、これらをモデリング・標準化・形式知化(マニュアル、ノウハウリスト、システム等の社内人材を育成する仕組み)を構築。企業内に分散する暗黙知やノウハウを組織開発・人材育成に活用する、【実践知教育型製ナレッジ・マネジメント】を提唱し、社内インストラクターの育成にも寄与。約1500社、13万人を育成指導。


トップマネジメントや、次世代を担うエグゼクティブの、コンピテンシー分析・意思決定暗黙知の形式知化や、企業内の知財の可視化(人的資本・知的資本・無形資産含む)にも貢献し、上場企業2社の社外取締役も拝命している。


環境省委託事業、経産省新ビジネスモデル選定委員、特許庁では特許開発のワークショップ実施。2021年より、厚生労働省「民間教育訓練機関における職業訓練サービスの質向上取組支援事業」に係る運営協議会および認証委員会委員。


暗黙知を形式知化するフレーム&ワークモジュールRという独自メソドロジーは、全国能率大会(経産省後援)で、3年連続表彰され、導入企業は、東証一部上場企業~中小企業、学校・幼稚園、病院・介護施設、研究開発機関、伝統工芸、弁護士、知財事務所等。DX・RPA・AIとも合致。営業部門は、Sales Force Automation、Marketing Automation、一般部門では、Teams・SNSツール・Excel等も活用可能。


著書15冊、連載・ビジネス誌執筆等、多数。



Webサイト:株式会社ベーシック

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