プロフェッショナル の自己管理術

第16回

ひたむきに理想を追うパティシエ社長 辻井良樹さん(下)

駒井 研司 2012年11月19日
 

何でも楽しく、ポジティブに

 20代でスイスに渡り、自らの足で修業先を探し、各国を巡って欧州のお菓子に関する技術と姿勢、思想を学んできた辻井良樹さん。前回は、リーダーが一番元気でいなければならないという考え方と、その実践方法を伺いました。今回は自己管理のもう一つのテーマについて伺います。 

--もう一つのテーマとは

 「ポアールのメンバーを刺激し、盛り上げ、ワクワクさせる存在でいることです。なぜかというと、お客さんにワクワクしてほしいから。そのためには、お菓子を作り、売っている私たちがまず心底楽しみ、ワクワクする。そしてそれが自分たちの中でいっぱいになるとあふれ出し、お客さんにも伝わっていく。だからみんなから“ワクワク”があふれ出すほど、私が盛り上げないといけない」

--盛り上げはどうやって

 「メンバーを刺激します。まず私自身がいろいろな場所に出掛けたり、人に会ったりしてヒントを集める。忙しくても、睡眠を削ってでも。そして何か思い付いたら、奇抜なことでもやってみる。メンバーにむちゃも言う。そういう刺激が盛り上がりとなり、ワクワクが生まれていきます」

--刺激は伝わる?

 「あえて理由や思いを多くは語らないようにしているので、受け止められないこともあります。でも、お客さんのワクワクにまでつながっていくケースもたくさんある。だからときには誤解されても、嫌がられても、これが自分の役割であり、義務と思うようにしています」 

--現在の課題は

 「『むちゃをするための健康管理』ですね。年々だんだん無理がきかなくなる。それでも、いつまでも何でも吸収したいから、むちゃを続けたい。だから食事と睡眠を客観的に管理し、体調をうまくコントロールする必要があると考えています。いつまでも『いつ休んでるの?』と言われ続けたいですね」 

--自己管理のアドバイスを

 「何でも楽しく、ポジティブに考えることです。失敗しても『そのおかげでこんな気付きがあった!』などと思うようにする。そしてまた、がんばる。私はいつも、3つ選択肢を持つことにしています。それは『がんばる』『がんばる』『もっとがんばる』。これからも、がんばります」


【プロフィル】辻井良樹 つじい・よしき ポアール社長。関西全域で女優や政治家らを含む多くのファンを持つ老舗洋菓子店で、社長となった今も現役パティシエを続けている。

2012年11月19日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。

このコラムをもっと読む プロフェッショナル の自己管理術

同じカテゴリのコラム

キーワードからコラムを検索する