駒井研司が聞く プロの自己管理術

第27回

自分を毎日採点 繰り返して習慣に  クオンティファイド・セルフ(下)

駒井 研司 2014年4月28日
 

最後に登壇した美大生、高瀬有美子氏。QSを実践していくコツを語った=3月25日、東京・銀座


 米国発の「クオンティファイド・セルフ」(QS)の目的は、自分の行動や状態を記録し客観的に見て最終的に「理想の自分」を実現していくことだ。

 「みなさん、“理想の自分”はありますか?」

 3月25日、東京・銀座のアップルストアで開かれたQSのイベント。最後の登壇者となった女子美術大学1年生、高瀬有美子氏のプレゼンテーションはこんな問いかけから始まった。

 「私は理想の自分になるために、やることを決め、それができたかどうか振り返り、毎日自己採点をしています」

 転校やいじめなどの経験から小学6年生のときに「人間の質を高めたい」と思うようになった。周囲の人やドラマの登場人物などの良い点を見つけては、それらを一つ一つ身に付けてきたという。

 「例えば、会うとすごく気持ちの良くなる後輩がいたんです。理由を考えてみると、いつも明るく元気にあいさつしてくれるからと分かった。そこで、1日に20回、誰かに元気なあいさつをするということをタスク(日課)にした。夜寝る前にちゃんとできたかを振り返り、直感で80点とか、120点などと評価する。そのうち、『タスク』と思わなくても習慣になっていきました」


 「点数をつけたくないと思う日はないのですか?」という会場からの質問には「ある。そんな日は点数をつけない」とさらりと答えた高瀬氏。負担にならない程度に取り組むことが、続けるコツと話していた。

 10代から60代まで、80人ほどが参加していた今回のイベント。はじめはやや堅い雰囲気だったが、1時間のプログラムの終了後には様子が変わり、その後も1時間ほど参加者同士のあいさつや意見交換が続いた。

 「とても刺激になった」「自分も早速やってみようと思う」という声も多く聞かれた。

 自己管理とは、自分と向かい合い、自分なりに取り組んでいくもの。しかし、QSの、体験を共有し、議論し合うことで、個人の取り組みを進化させていくという手法によって、自己管理を共同化していくことができると分かった。

                   ◇

【用語解説】クオンティファイド・セルフ(Quantified Self)

 米シリコンバレー発のムーブメント。コンピューターや機器などで自分の行動や状態を記録・客観視し、そこから得られる発見をより良い生き方につなげる取り組み。

2014年4月28日「フジサンケイビジネスアイ」掲載


 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。

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