駒井研司が聞く プロの自己管理術

第4回

意識的に外へ出て刺激受ける 矢内文章さん(最終回)

駒井 研司 2013年10月21日
 

 毎年コンスタントに新作を生み出し、発表を続ける矢内文章さん。芝居を生き生きとさせるため、台本を書くときは演出の都合を考えず、演出をするときは自作の台本を他人が書いたものと思うよう意識している。

 --最近特に意識していることはありますか

 「刺激を受けることです。どこかに出掛けたり、人と会って話をしたり。創作を始めた最初の2年ほどは分からないことや悩みも多く、積極的に外に出ていろいろな刺激を受けるようにしていました。でも、3年目くらいから創作も演出も自分の内側に興味が行き過ぎたのか、外に出ることが少なくなった。6年目の今、そろそろまた意識的に外に出て、たくさん刺激を受けなければと思っています」

 --今の夢は

 「自分なりの芝居を磨き、紹介していくことです。例えば今の僕の状況を『インタビューを受けている。インタビュアーは駒井さんで、ちょっと年下。いろいろな質問を受けて回答しながら、本当にそうかな、と内心自問自答しつつ、それに気が付かれたくないと思っている』といった具合に設定する。でもこんな複雑なことを説明的に表現することはナンセンス。観客の想像力も阻害してしまう。いわゆる5W1Hを意識しつつ『話している』。これで良い。そいだシンプルさではなく、深みのあるシンプルさ。もっとダイナミックで、シンプルな演劇を紹介したいと思っています」

 --最新作はどんな内容に

 「大正8(1919)年、飛行機の開発に取り組む研究所の話です。『風立ちぬ』が発表されたときは、同じ飛行機開発の話で驚きましたが。新しい技術は、夢をかなえることもできるし、人を殺す道具にもなる。使うのは人間。こんなテーマです。11月15日から25日まで東京・中落合で上演する予定です」

                   ◇

 楽しく、飾ることなく話す矢内さん。しかし、さまざまな話の中で、大変な努力と苦労を重ね、徹底的に考え抜いてきた姿を垣間みることができた。

 何かを成し遂げるためには何年にもわたる大きな努力が必要であり、そこまで努力を続けるには「好き」「やりたい」という強い気持ちが必要なのだ、と改めて教えられた。


【プロフィル】矢内文章 やない・ぶんしょう 演劇団体アトリエ・センターフォワード主宰。演出家・劇作家・役者。42歳、東京都出身。9作目となる最新作は、東京で11月に上演される。

2013年10月21日「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。

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