駒井研司が聞く プロの自己管理術

第35回

自ら考え判断・行動する子供に 楢崎和正さん、松下武司さん(4)

駒井 研司 2014年6月30日
 

小金井ラグビースクールの子供と講師たち。練習の合間で撮影した=東京・都立小金井公園


 「1人のジャパン(日本代表)より、100人のラグビー好き」をモットーに、50人のボランティア講師が180人の子供たちと活動している小金井ラグビースクール。講師の楢崎和正さんと松下武司さんに、「大人が導く子供の自己管理」について聞いた。

 --子供の成長の思い出は

 楢崎 ある日突然返ってくる“おはよう”です。幼児のころからずっと見ている子が、5年生くらいになって突然「おはようございます!」と言う。6年間声をかけ続けて全く返事をしなかった子が。こういうときはとてもうれしい。

 松下 武蔵小金井の駅で突然肩をたたかれ「こんにちは!」と声を掛けられました。小金井ラグビースクールを卒業して数年たった高校生の元生徒。こちらは気づかなかったが、階段ですれ違うときに気が付いたらしく、走って戻ってきた。中学3年のときもまだ、あいさつなんて全くできなかった子。本当にびっくりした。

 --どちらも“あいさつ”の話ですね

 楢崎 ちょっとずつラグビーができるようになる。人の話をちゃんと聞いたり、人の気持ちを思いやったり、時間を守れるようになったりしていく。するとだんだん、あいさつもできるようになっていく。

 松下 それから、健康管理。中学でスクール選抜のメンバーに入ると、秋ごろにマスクをしろといわれる。インフルエンザに感染したら試合に出られない。花園に行くチャンスを逃すかもしれない。そう思って彼らはちゃんとマスクをし、こまめに手を消毒するようになる。面倒でも、格好悪くても。このころにはもう自分で目的をはっきり持っているから、そのために何かを自主的にするのは当たり前、という子になります。

                   ◇

 自己管理とは、自ら進んで行うもの。押し付けられるものではない。だから周囲にできることは、本人が自分で何かを感じ取り、考え、判断し、行動に移せるようになるまで、機会を提供し続けることだ。

 親の気づかいと他人の冷静さを持つ大勢の大人たちに見守られて育つ子供たちは、素晴らしい自己管理の術を身に付けていくだろう。(連載おわり)

2014年6月30日「フジサンケイビジネスアイ」掲載


 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。

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