駒井研司が聞く プロの自己管理術

第23回

常にトップの立場で考え先を読む 秘書参謀 星久人さん(4)

駒井 研司 2014年3月24日
 

 ソニーでトップを補佐する渉外・秘書部門の責任者となった星久人さん。情報収集が一つの大きな仕事だったという。

 --情報収集のコツは

 「先読みをすることです。各団体や政府関連の委員会、業界全体などで、次に何が話題になるか。会社の事業はこれからどう変化していくのか。そしてそれらに関連してトップは何を考え、その時何を知りたいと思うか。常にトップの立場で考えてみる。下から上ばかり見ていてはダメなんです。トップの目線で見れば、すっと周りが開ける。全体が見えるようになります。最初はなかなかうまくいかなくても、常に一緒にいるトップの立場でいつも考え続けていれば、だんだん正確に考えられるようになる。『これについて知りたいんだが』と言われたとき、あらかじめ用意しておいた資料をさっと出す。『この人の電話番号を聞いておいてくれ』と言われたとき、すでに調べておいた番号をその場で伝える。これが醍醐味(だいごみ)です」

 --トップを支える上で気を付けていたことは

 「自己主張を持つことです。ボスはあくまで私ではなく、盛田昭夫さんをはじめとしたトップの方々。自分は参謀です。何事も相手に合わせる。でも、何でも『はい』と言うこととは全然違います。自分の意見は必ず持っていなければいけない。ただ、求められるまでは軽々に出さない。また、その意見をどのように表現し、どう伝えるかは相手次第。相手の考えやケミストリーに合わせて、求められたとき、求められたように自分なりの主張を伝える。そうしていれば相性も合ってきます」

 --上に立つ人へのアドバイスを

 「周りの人が意見を言いやすい雰囲気をつくること。世の中には、怖い存在となり、周囲の意見を寄せ付けずに成功を収めてきた人たちもいる。でも損をしていると思います。組織としても、人間としても。盛田さんをはじめこれまで一緒に仕事をさせていただいた方は皆、聞く耳を持ってくれた。意見が言える、聞いてもらえる。すると周囲は『この人のためにやってあげよう』と思う。また会話をすれば、広がることもある。意見を言える雰囲気が組織を柔軟にし、活性化させると思います」(つづく)


【プロフィル】星久人 ほし・ひさと 東大法卒。元ソニー特別理事・秘書役。盛田昭夫氏の補佐役となり、以後ソニーの歴代トップを支えた。ベネッセホールディングス特別顧問。67歳。東京都出身。

2014年3月24日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。


HP:株式会社ネオレックス

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