駒井研司が聞く プロの自己管理術

第19回

ITのアンバサダーに選ばれる営業マン 堀江賢司さん(最終回)

駒井 研司 2014年2月24日
 

■「楽しい仕事だけする」と決めた

 東京でオフィスを持たずに、1人で営業活動をすると決めた堀江賢司さん。クラウドを活用し、次々と新規ビジネスを開拓してきた。

 --思い付いたことはどんどん行動に移すのですか

 「いいえ、僕は決断も行動も遅い方です。やりたいこと、思い付いたことは皆、頭の中にふわっとした状態で置いておく。そして、いろいろな条件がそろうまで待つ。昨年オープンした誰でもプロの印刷機を利用できる場所、Happy Printers原宿の構想も2年前くらいから持っていました。一緒にやってくれる人、最適な場所、公的な支援制度がたまたま、ぱっとそろい、今やるしかないと思って実現した。条件がそろえば障壁は少なかったので、4カ月くらいでオープンできました。『なんとなくふわっとしたものを重ねていき、濃くなったところをたどってきたら好きな場所に行けた』。ずっとこんな感覚です」

 --具体的な長期プランを着々とという考えとは対極ですね

 「夢に日付をつけたり、5カ年計画とか、そういうことは一切しません。地図は持っていないし、持ちたくない。ただ、コンパスはある。『楽しい仕事しかしない』と決めているんです」


 --楽しい仕事とは?

 「未来につながる仕事です。普通にやっていてしんどいことに未来はない。それから、自分だけがうれしいのではなく、相手が喜んでくれることが大切。印刷は本当に楽しい仕事なんです。ものが出来上がり、お客さんに届けて、いい色ですねと喜んでもらえる。でも最近は価格競争ばかりになって、目先の仕事に追われてしまっている。本来は楽しいはずなのに、どんどんつまらなくなって世の中の景気のせいにしてしまう。そういうことは、止めた方がいいと思います」

                   ◇

 苦労のない仕事など存在しない。まして堀江さんは、厳しい価格競争のために資金繰りが悪化した家業に参加し、東京で1人、新規営業の開拓に取り組んできた。大変な苦労があっただろう。しかし、堀江さんは肩肘をはらず、いつもひょうひょうと、そしてゆったりと構え、さまざまなことを楽しんでいるように見える。最後に堀江さんに楽しむことの秘訣(ひけつ)を聞くと、「100のうち、5だけでも楽しむ」と教えてくれた。(駒井研司)

                   ◇

【プロフィル】堀江賢司 ほりえ・けんじ のぼりや横断幕を印刷・製造する堀江織物の東京ノマド営業所長。36歳。愛知県出身。エバーノートなどのアンバサダーに選ばれている。

2014年2月24日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。


HP:株式会社ネオレックス

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