第12回
「将来」と「今」のバランス意識 対談 亀井美佳さん、山崎篤さん(最終回)
株式会社ネオレックス 駒井 研司
山崎さん(左)、亀井さん(中)と筆者
がむしゃらに仕事をするだけでは評価されないと語るコクヨS&Tの山崎篤さん、趣味と仕事のバランスを重視するアプレッソの亀井美佳さん。ビジネスのプロは人生を「楽しむ」ことに重きを置くという。
--前年の振り返りはしますか?
亀井 はい。駒井さんの開発したiPhoneアプリ「MyStats」に日々何に時間を使っているかを記録して1年分のデータを分析します。主に仕事とプライベートのバランス確認と改善方法の検討です。
山崎 時間のバランスは私も意識しています。“緊急でないもの”にどれだけ時間を使えているか。「来週の販促を決める会議」ばかりでなく「無駄に思えるブレーンストーミング」にも時間を取れているかなどです。ただ、こうしたチェックはスケジュール上で週次で行い、年単位ではありません。
--逆に「1年」より長いスパンで考えていることは?
山崎 仕事ではもちろんあります。でも仕事以外では何歳までに何をするとか、何かを達成するといった目標はあまりありません。人生の目的は「普通の幸せ」。家族と猫がいて時々新しい経験をしたり、おいしいものが食べられればそれで良い。あれをしなきゃ、これをやらなきゃ、ではないプライベートを過ごしていきたい。
亀井 「自分でデザインした家を建てる」「自社商品を海外に展開する」といった人生の目標がありました。ただ、親戚の病歴や自分の手相などから人生は40歳までと予測していたので、やりたいことは40歳までにやってしまったんです。今は、どうやら長生きするようだと思うようになり、人生80歳までと考えを改めたんですが、新しい目標はまだ検討中。ただ、大変な苦労の後に大きな物事を達成する喜びはとても大きいと思います。だから仕事もプライベートも日々を楽しみつつも、チャレンジが必要な目標をいつも持っていたいですね。
◇
1日も、1週間も、1年も一生も目標を設定し、そこに向かって行くことは大切。一方で、全ての瞬間が「目標のための時間」になってしまうと、結局最後まで人生を楽しむことができない。2人の話から「将来のため」と「今のため」のバランスを意識しながら2014年を過ごそうと考えた。(駒井研司)
2013年12月30日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
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