駒井研司が聞く プロの自己管理術

第15回

人と機械の間を極める研究者 渡邊恵太さん(最終回)

駒井 研司 2014年1月27日
 

■アイデア思いついたらすぐ実行を

 「Webと日常生活の融合」というテーマに取り組む渡邊恵太さん。がんばらなくても自然に思考や行為を続けられる「間接努力」という考え方を生み出し、実践している。

 --「アイデア」についても考察を続けている

 「アイデアは誰でも持っています。でもアイデアは簡単に壊される。みんな思い付いたらすぐ言っちゃうんです。でもそのときは具現化されていない、自分でもまとまっていない状態。だから大体否定されます。友達もみんな結構冷たい(笑)、そして『恥ずかしい! 何てくだらないことを言ってしまったんだ、俺は!』となってアイデアを出さなくなる。『言う→否定される→やらない』というループに入ってしまう。学生には、そうではなく『作った→どうよ→いいじゃん→やりましょう!』で行こうと伝えています」

 --考えるだけでなく、作ってみようと

 「“考える”という言葉は人類最大の失敗だと思っています。考えるとは思考実験。やり直しが何度もできる状態が思考です。すぐ取り消して、実行し直すことができる。でも結果が伴わない。細部の検証ができない。人に伝わらない。ひらめきは試作してみなければいけない。“考える”なんて言葉があるから、みんな何もしないで、ただ考えちゃう」

 --先端メディアサイエンス学科の理念と共通しますね

 「そうですね。当学科では、学生たちがアイデアを絵と言葉だけではなく、サクッと試作したモノで提案できるようになることを目指しています。だから『プレゼンスキル』とともに『試作スキル』の徹底的な向上に取り組んでいます。“話す”だけでなく“見せる”だけでもなく、“動かす”がモットー。そして『未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ』という、パーソナルコンピューティングの父とも言われるアラン・ケイの言葉を実践していきたい」


 「やりたいことは今やろう。大学に入ったら、社会人になったら、もっと仕事ができるようになったら-と言っていたら“永遠に将来”になってしまう」。渡邊さんはここ数年、母校である東京都立晴海総合高校での講演でこう話しているという。早速何か“試作”してみようと思った。(駒井研司)



【プロフィル】渡邊恵太 わたなべ・けいた 慶大湘南藤沢キャンパス(SFC)で学び、政策・メディア博士号取得。明大総合数理学部先端メディアサイエンス学科、専任講師。32歳。東京都出身。

2014年1月27日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。


HP:株式会社ネオレックス

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