駒井研司が聞く プロの自己管理術

第17回

ITのアンバサダーに選ばれる営業マン 堀江賢司さん(2)

駒井 研司 2014年2月10日
 

■全ての仕事にITフル活用

 実家の堀江織物(愛知県一宮市)に転職する際、一人東京にとどまり、営業活動を行うと決めた堀江賢司さん。事務所に縛られるのはイヤと考え、コワーキングスペースという場所を活用している。

 --事務所を持たないスタイルをどう確立したのですか

 「まず、オフィスに縛られる条件を洗い出しました。ポイントはメールとFAXと郵便物。郵便物は自宅に届くようにしてあとは2010年当時出始めた“クラウド”を徹底活用しようと決めました。メールはウェブメールサービスを使うことにし、FAXはインターネットFAXに。古い業界で見積もり依頼はほとんどFAXです。それらをメール経由で自動的にテキストやファイルを保存できるクラウドサービス「エバーノート」に取り込み、パソコン上でFAXデータを加工して見積もり書を作成、メールで返信すると先方のFAX機に紙が出てくるという環境を作りました」

 --先方はFAXで紙を送受信するが、こちらは全てパソコン上で完結する仕組みですね

 「そうです。ほかにも手書きのメモは、専用ノートに書いて電子化できるアプリ「キャミアップ」でパソコンに取り込み、紙で受け取ったら高速スキャナー「スキャンスナップ」でデータ化。こうして、あらゆる情報をクラウドサービスに集約します。東京でオフィスを持たずに1人で営業しようと決めたとき、“日本一クラウドを活用する製造業の営業マン”になりたいと考えました。ずっと活用してきたサービスや機器のアンバサダー(親善大使)に選出されて、ファンとしてうれしかった」

 --ITをここまで実践的に活用できている人はすごい。なかなかいないと思います。営業活動は順調でしたか

 「そう言っていいと思います。最初に『飛び込みしない』『なるべく価格競争しない』『新しいことをする』という3つの方針を決めました。安易にどこかに飛び込んで『こののぼり旗はいくらで作っていますか?』と聞き、安い金額で仕事をとる。そういうことはやめようと思いました。価格競争だけでなく、将来面白くなりそうで、かつ自分のやりたい仕事が自然とやってくるようなインバウンドな営業ができないかと思い、それを実現する方法をずっと考え、すこしずつ実践してきました」(つづく)



【プロフィル】堀江賢司 ほりえ・けんじ のぼりや横断幕を印刷・製造する堀江織物の東京ノマド営業所長。36歳。愛知県出身。エバーノートなどのアンバサダーに選ばれている。

2014年2月10日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。


HP:株式会社ネオレックス

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